【ニショク】最初の一杯は「いつもの! 完熟瀬戸内レモンサワー(600円)」をぜひ。爽やかな飲み心地がのどに優しい

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幼稚園の頃から無類の揚げ物好き。揚げ物で酒が飲める居酒屋は天国である。

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と思っていたら吉報が飛び込んできた。メンチカツやラムカツを食べさせてくれる居酒屋があるというのだ。

自由が丘の『ニショク』である。先日、友人がその店のラムカツをインスタで紹介しているのを発見。

羊好きなので、いろいろな羊料理を食べてきたが、ラムカツは未体験。

ラムカツがどんな味なのか、「喰わずに死ねるか!」と思い、自由が丘へ向かった。

ラムカツは絶品!

その店は繁華街のはずれにあった。さっそく「ラムカツ!!(950円/すべて税別)」をオーダー。

数分後に届いたラムカツの上には細く切ったオレンジ色の食材がかかっていた。

「味のアクセントにミモレットを削ってかけてあります。クミン塩をつけて召し上がってください」とホールの米山知希(かずき)さんが教えてくれた。

ラム肉の匂いを消すためにクミンを使うわけだが、そもそも匂いがまったく気にならなかった。

厚めに切ったラムカツの食感も心地よかった。完全に火を入れていないため、芯がややピンク色なのが美しい。

ラムカツサンドにしても面白いかも。

コスパ最高!和牛100%のメンチカツ

かじった瞬間、肉汁がほとばしった「メンチカツ(1個400円)」も良かった。

「和牛100%のメンチカツです。オリジナルソースをつけて食べてください」

撮影のためナイフで切ったものを賞味したのだが、噛んだ瞬間、肉汁がしみ出てきた。袋に入ったものをそのまま食べたらもっとジューシーでうまいはずだ。

メニューに居酒屋ではまず見かけない料理が載っていた。

ナポリ料理の定番「ゼッポリーニ」×ワインが最高の組み合わせ

ナポリのトラットリアやオステリアの定番「ゼッポリーニ(500円)」だ。海藻をまぜたパン生地を揚げたようなこの料理を、都内某所のピッツェリアが得意としているが、居酒屋でナポリ料理を食べさせてくれるとは夢にも思わなかった。

「以前、神宮前で隠れ家的なイタリアンをやっていました。コロナ直後、自由が丘に移転し、換気に配慮した『ニショク』をオープン。イタリアンをベースにした料理を提供させていただいています」

発酵させた生地をカリッと揚げているので芯はふわふわ。その食感と塩味がこたえられない。

レモンサワーを飲んだけど、ナポリ伝統のこの料理には白ワインを頼むべきだった。

「ナチュラルワインのご用意もあります。オーナーのナチュラルワイン好きが高じて、ワインはナチュラルしか扱っていません」

フランス産やイタリア産などのナチュラルワイン(1本2500円〜、別途抜栓代1000円)がそろっている。

揚げ物が続いたのでサラダを一品。メニューには「タコとアボカドのサラダ(700円)」とシンプルに書かれているが、ペスト・ジェノヴェーゼを和えてあった。

イタリア料理を修業してきたシェフだからこそひとひねりした料理が得意なようだ。ラムカツのような直球もあれば、タコのインサラータのような変化球でぐいぐい攻めてくるところも面白い。

イタリアンであれば、アンティパストからはじまり、プリモピアット、セカンドピアットの順に出てくる。ところが、この店は食べたい順番に頼めるし、逆走も可能だ。

そこがイタリアンな料理を得意とする居酒屋らしくて嬉しくなる。

逆走ついでに、前菜的な料理をもう一品頼むことにした。

前菜のおすすめは「和牛ハツの低温調理」

「『カルパッチョ〜和牛ハツの低温調理〜(850円)』です。オリーブオイルではなく、ヘーゼルナッツオイルがかかっています」

パルミジャーノ・レッジャーノ・チーズかと思ったらペコリーノだった。もうひとつ驚いたことがある。オレンジはニンジンだと思ったが、そうでなかった。

「山牛蒡の漬物です。道の駅などに並んでいますよね、アレです(笑)」

山牛蒡のエグミというか苦味が、ハツのカルパッチョにアクセントを与えていた。細かくきざんであるので食感も心地よい。

「ハツは脂身が少ない部位なので、ヘルシー志向の女性に人気があります」

ひとりだったので〆は頼まなかったが、パスタやリゾット(ともに900円)の用意もある。かと思えば、おにぎり(300円)も。イタリアンがベースだが、杓子定規ではないところが居酒屋であり、使い勝手がいい。

もちろんドルチェの用意もある。店のすぐ脇に『アミコーノ』という女性シェフが営むジェラートショップがある。

週末ともなれば行列ができるそうだが、『ニショク』 が特別に作ってもらっている「ジェラートの盛り合わせ(400円〜)」を頼むこともできる。

1階には立ち飲みスペースがある。立ち飲みスペースでは何杯飲んでもアルコールは1杯200円引きなので、毎日出没するツワモノもいるそうな。

「うちでなければ食べられない料理を60品ほど提供させていただいています」

帰宅後、食べ忘れた料理があることを思い出した。揚げた「マルゲリータ」と「フィッシュ&ポテトチップス」だ。揚ピザってどんな料理? 『ニショク』って揚げ物好きな酒飲みの聖地かも。

【ニショク】
住所/東京都世田谷区奥沢5-28-15昇栄ビル101
電話番号/03-5755-5064
営業時間/17:00〜24:00(土日15:00〜) 定休日/無休 予約可(週末は予約がベスト)