日焼けを防ぐためには、日焼け止めをこまめに塗りなおすことが大切。でも、塗り忘れた箇所があったり、うっかり塗り直すのを忘れたりしてしまうことも…。もちろん予防が第一ではあるけれど、日焼けによるダメージを和らげる方法も知っておきたいもの。

そこで本記事では、日焼けによる肌トラブルの対処法と日焼けの予防策について、専門家の解説を交えて<プリベンション>からお届けします。

【INDEX】


日焼けを和らげる入浴法
炎症を鎮める方法
乾燥した肌をうるおし、治癒を促す方法
痛みと炎症を最小限にする方法
日焼けの予防法
病院へ行くタイミングは?

日焼けを和らげる入浴法

石鹸は使わない

日射しの下で長い1日を過ごした後は、石鹸で洗い流したいところですが、石鹸を使うと、日焼けした肌が乾燥して炎症を起こす可能性が…。なので、石鹸は使わずぬるま湯に浸かるのがおすすめ。

もしどうしても石鹸を使わなくてはならない場合は、ベビー用や敏感肌用など肌にやさしいものを使用し、しっかり洗い流すこと。石鹸が肌に残ることで乾燥につながり、日焼けがさらに悪化する可能性もあるそうです。

炎症を鎮める方法

氷を使う

何か冷たいもので冷やしたいという衝動は間違っていないけれど、やるなら正しい方法で。

皮膚科医のマイケル・シュライバー氏によれば、「氷のうを湿った布でくるみ、日焼けした箇所に当てると、肌の熱を吸収して血管を収縮させて腫れを抑えてくれる」そう。

また、冷やした水も効果あり。ボウルに水と氷を入れ、布を浸して、日焼けした肌に乗せてみましょう。

「布が温まるので、数分毎にまた冷やすこと。これを10分〜15分、1日数回繰り返すと良いですよ」

冷凍野菜を使う

氷のうがない時に代用できるのが、冷凍野菜。

ニューヨーク州とニュージャージー州に拠点を置くHaberman Dermatology & Cosmetic Centerの皮膚科医、フレデリック・ハバーマン氏によると、「袋入りの冷凍グリーンピースでもいいんです。ただ、必ず布でくるんで、凍った袋を直接肌に当てないようにしましょう」とのこと。

乾燥した肌をうるおし、治癒を促す方法

水を飲む

日焼けによる乾燥を中和するためには、大量の水分補給が必要だと話すのは、オハイオノーザン大学薬理学教授のトーマス・ゴッセル氏。

あまり水分をとる気になれない…というときには、スイカ、キュウリ、イチゴ、トマト、グレープフルーツ、メロンなど、水分を90%以上含む果物や野菜を摂りましょう。

戦略的に保湿する

皮膚科医のロドニー・バスラー氏によれば、入浴後の保湿が重要とのこと。体を洗い流したら、無添加のバスオイルなどを垂らした湯船に1分間浸かり、入浴後は保湿クリームやローションで水分を閉じ込めましょう。

保湿剤をあらかじめ冷蔵庫で冷やしておけば、爽快感があって肌に気持ち良いはず。なお、石油を含んだ製品(ワセリンなど)は熱を閉じ込めてしまうので、避けることがおすすめだそう。

アロエを使う

バスラー氏によれば「アロエが実際に傷を癒す効果があるという研究が進んでいます」とのこと。もしアロエを育てているなら、葉を折って、肌にエキスをつけてみて。

次に良いのは、混じり気のないオーガニックなアロエジェル。肌に余計な刺激を与えるようなアルコール、色素、香料などを含まないものを選びましょう。

痛みと炎症を最小限にする方法

エアーマットレスを使う

日焼けした肌で横になると、肌の摩擦などで痛みを感じてしまうことも…。一方で、回復のためには体を休めることが大切です。

エアーマットレスは熱を逃がしやすいため、寝やすくておすすめなのだとか。また、バスラー氏によると「脚が日焼けした場合は、脚を心臓より高い位置に上げると腫れが引きやすい」とのこと。

鎮痛剤を飲む

バスラー氏によれば、軽度〜中程度の日焼けによる痛み・かゆみ・腫れには、アセトアミノフェンとイブプロフェンが含まれるものなど、市販の鎮痛剤が効くことも。くれぐれも、商品に記載されている用法・用量に沿って服用しましょう。

肌に負担の少ない服を着る

日焼けが治るまでは、肌をこすって炎症を悪化させないよう、軽くて柔らかいコットンなどの素材を身につけましょう。

皮をむきたい衝動を抑える

水ぶくれは深刻なダメージのサインなので、慎重なケアが必要です。「どうしても気になる場合、小さな水ぶくれなら、慎重に中身を出してもよいでしょう」とバスラー氏。ただし、感染症のリスクがあるため、決して自分で上皮をむかないこと。

水を抜くなら、まず、針を火にかざして殺菌しましょう。それから、水ぶくれの端を刺して、上皮をやさしく押さえ、中身を出します。腫れ過ぎている、膿が出ているなど、様子がおかしいときには必ず皮膚科医に相談してください。

日焼けした肌を保護する

誰だって日焼けを悪化させたくはないはず。理想としては、治るまで紫外線を避けたいところだけど、どうしても外出しなくてはいけないときは、肌を保護する服を着てSPF30以上の日焼け止めをつけましょう。

米国皮膚科学会によると、出かける際は太陽光が透けないような織り目の細かい布の服がベストなのだとか。

日焼けの予防法

皮膚科医のマイケル・シュライバー氏によれば、「日焼けをすると、肌が正常な状態に戻るまでに3〜6カ月かかることもあります」とのこと。

「日焼けをして上皮がむけると、次に現れる肌はこれまでになく敏感になっています。それはつまり、気をつけないと、以前よりもっと簡単に日焼けしてしまうということです」

そのためにも、「日射しに気をつけ、日焼け止めを塗ること。最低でもSPF30以上の広域スペクトル対応の日焼け止めで、酸化亜鉛か酸化チタンといった紫外線散乱剤を使用したものを選んでください」と語るのは、アリゾナ州ツーソンの皮膚科医、ノーマン・レヴィーン氏。

たとえ曇り空でも、外出の30分前には日焼け止めを塗ること。唇、手、耳、首の後ろも忘れずに。帽子や軽量の長袖Tシャツ、羽織り物なども肌を保護してくれるそう。

病院へ行くタイミングは?

「自宅では治療できないほど深刻な日焼けもあります」と、バスラー氏。もし吐き気や寒気、熱、眩暈、広範囲に及ぶ水ぶくれ、脱力感、紫色の斑点、激しいかゆみなどがあれば、医師に相談しましょう。日焼けがさらに広がっているようなら、感染症を併発している可能性もあります。

また、処方薬を服用している人も医師に診てもらった方が良いそう。「薬によっては、日光に対する反応を過敏にさせることがあります」と、バスラー氏。経口避妊薬、利尿薬、糖尿病の薬、PABA(パラアミノ安息香酸)のサプリメントも、日焼けによるリスクを高める可能性があるそうです。

※この翻訳は、抄訳です。Translation:mayuko akimoto Prevention