半導体露光装置を扱う世界最大のメーカー・ASMLによる中国への装置販売をやめるよう、アメリカ政府がオランダ政府に働きかけていることが報じられています。すでに、最先端技術に関するシステムの販売は一部が差し止められていますが、今回の働きかけにオランダ政府が応じた場合、差し止めの範囲が拡大し、中国のチップメーカーは大打撃を受ける見込みです。

US Wants Dutch Supplier ASML to Stop Selling Chipmaking Gear to China - Bloomberg

https://www.bloomberg.com/news/articles/2022-07-05/us-pushing-for-asml-to-stop-selling-key-chipmaking-gear-to-china

US wants to ban China from buying ASML DUV chipmaking kit • The Register

https://www.theregister.com/2022/07/05/us_expands_efforts_to_hamstring/

U.S. Wants ASML to Stop Selling Chipmaking Tools to China | Tom's Hardware

https://www.tomshardware.com/news/us-wants-asml-to-stop-selling-chipmaking-tools-to-china

US pushes Dutch firm ASML to stop selling older chipmaking machines to China - SiliconANGLE

https://siliconangle.com/2022/07/05/us-pushes-dutch-firm-asml-stop-selling-older-chipmaking-machines-china/

半導体露光装置は、半導体製造の過程で重要な役割を果たす機器。その世界最大のメーカーが、オランダに本拠のあるASMLです。特に、「極端紫外線リソグラフィ(EUV)装置」に関しては、技術をASMLがほぼ独占している状態です。しかし、このEUVのライセンス技術をオランダから中国に輸出することについては、すでにアメリカから禁止されています。

世界中の半導体製造業者が頼る露光装置メーカー「ASML」はどんな会社なのか - GIGAZINE

今回、アメリカが働きかけているのは深紫外線リソグラフィ(DUV)機器の中国への輸出の差し止めです。2021年12月にBusinessKoreaが報じた内容によれば、中国最大のファウンドリであるSMICはASMLとの契約を2022年まで延長し、輸入ができないEUV機器の代わりにDUV装置を導入する計画だとのこと。当初、アメリカ政府の規制強化によってDUV装置の扱いがどうなっているか不明瞭で混乱があったものの、のちにDUV装置は規制対象から外れていることがわかり、輸入数を増やすことになったそうです。ASMLの売り上げの30%が中国からのもので、そのほとんどはSMICへ販売するDUV装置の売り上げです。

Chinese Semiconductor Companies Expanding Acquisition of DUV Equipment - Businesskorea

http://www.businesskorea.co.kr/news/articleView.html?idxno=84798

オランダ政府がこのアメリカ政府の打診を受け入れるのかどうかは、まだ明らかではなく、仮に打診が受け入れられたとしても中国企業がASML以外からDUV装置を手に入れる方法が断たれるわけではありません。しかし、2021年実績でASMLが中国企業に販売したDUV装置が81台なのに対して、ニコンが販売したDUV装置は4台とはるかに少ないとのこと。

また、DRAMや3DNANDメモリの生産の大部分は中国で行われており、中国の製造工場抜きで生産を行う場合、世界的なサプライチェーンに影響が出るとみられています。