夏の山はエネルギーが溢れているようで、歩いているだけで元気になっていくのを感じますよね。しかも登山道には木陰があるため比較的涼しく、山頂に近づくにつれて気温が下がるため、夏とは思えないような心地よさに包まれながら歩けます。

ただし、夏山には熱中症リスクと低体温症リスクの両方があり、いったいどのような服装をすればいいのか迷ってしまう人もいるかと思います。そこで今回は、夏に登山するときにどのような服装を選べばいいのかについて、わかりやすく解説していきます。

夏の登山は服装選びがとても重要になります


1000m以下の低山は熱中症対策をしっかりと行う

まずは低山と呼ばれている、1000m以下の山を登山するときの服装について説明します。この低山で意識しなくてはいけないのが、熱中症になるリスクです。さすがに1000mくらいまで登れば涼しくなりますが、その道中は気温が30℃を超えることもあります。

このような低山では、できるだけ体を冷やせるウェアが基本になります。ただし、肌の露出は虫刺されや転倒時のケガにつながりますので、できるだけ肌の露出を避けながら、涼しい格好をすることになります。

低山でもエスケープルートが多い里山であれば、Tシャツ+短パンでもOKですが、できれば短パンの下に夏用のトレッキングタイツを履くのがおすすめです。1000m以下でも岩場があるなど、難易度が高いコースを歩く場合には、長袖Tシャツを着るかアームカバーを着用しましょう。

シャツは速乾性と通気性を備えた、ポリエステル100%素材のものを選んでください。大量に汗をかくことになりますので、防臭加工もされていると安心です。

低山は熱中症対策を意識して涼しい格好を選ぼう


標高2000m以上の山は夏でも防寒対策が必須

標高1000m以下は熱中症対策が必要ですが、反対に標高2000m以上になると、夏でも防寒対策が必要になります。

一般的な山の知識として「標高が100m上がるごとに、気温は約0.6℃下がる」と教えてもらった人もいますよね。これをそのまま当てはめると、標高2000m地点の気温は、平地と比べると約12℃も低いことになります。

これを考慮せずに軽装で歩き始めると、標高が上がるにつれて寒さを感じるようになり、雨や風などにより、低体温症になってしまうリスクもあります。そうならないためにも、2000m以上の山に登るときには、必ず防寒着を持っていきましょう。

登り始めの気温が高いなら、まずは低山と同じような格好でスタートしてもいいのですが、休憩中はウインドブレーカーや長袖シャツなどを羽織ってください。小屋に宿泊するなら、夜間の寒さ対策にダウンを持っていくと安心です。

2000m以上の山を登るときには必要に応じて防寒着を着用しよう


日焼けを予防するための紫外線対策も大切

夏の登山では熱中症対策や防寒対策だけではなく、紫外線対策も必要になります。熱中症を回避するために通気性のよいTシャツで登ったら、腕が紫外線にさらされて日焼けしてしまうことがあります。日焼けは火傷しているのと同じで、ひどい場合には通院が必要になります。

このため夏の登山での服装は、できるだけ肌は露出しないようにするのがおすすめです。ただ、肌の露出を控えると熱がこもるので、日焼け止めクリームを使うという選択肢もあります。この場合は汗で流れにくいものを選び、こまめに塗り直すのも忘れないでください。

日焼け止めクリームは面倒だという人は、やはりできるだけ肌を露出させないのが1番です。そのために必要なアイテムが下記の3つ。

・帽子
・サングラス
・夏用のロングタイツ

帽子は蒸れないように、メッシュ素材のものを選んでください。サングラスが必要なのは目を紫外線から守るためです。肌と同じように目も紫外線のダメージを受けるので、目を守るためにもサングラスを着用してください。

あとはインナーとして夏用のロングタイツを着ておけば、かなりの部分を隠せます。このとき、熱中症対策として接触冷感機能を備えたタイツを選ぶのがポイントです。

熱中症対策と同じくらい紫外線対策も大切です


いざというときに備えて着替えを用意しておこう

夏の登山で忘れてはいけないのが着替えです。登山後の着替えはもちろんですが、登山中の着替えも想定して荷造りをしてください。大量に汗をかいてインナーが濡れてしまった場合、それを放置しておくと汗冷えで低体温症になることもあります。

登山の荷物は少ないほうが軽くて歩きやすいという理由で、着替えを持っていかない人もいるようですが、登山で最も大事なのはリスク管理です。常に最悪の事態を想定して準備するというのが登山の基本。

里山を1〜2時間歩く程度の登山なら着替えはなくても構いませんが、1000m以上の山頂を目指して登山するなら着替えは必須。もちろん、必ず着替えなくてはいけないというわけではなく、状況に応じた選択肢のひとつとして、着替えられるようにしておくということです。

シャツだけでなく、下着や靴下などの着替えも用意しておきましょう。ザックが小さくて着替えが入らないという場合には、圧縮袋に入れるとコンパクトに収まります。自分の身を守るためのアイテムは、「重い」や「かさばる」を理由に置いていかないように心掛けてくださいね。

汗冷えや急な雨などに備えて着替えを用意してください