急な停電などで電力供給が途絶えるとPCなどの精密機器に大きな損害が発生する可能性があるため、サーバー管理の現場では停電時などの急な電源喪失時に安全に機器をシャットダウンするために「無停電電源装置(UPS)」が用いられています。ところが、UPS大手のCyberPowerが生産しているUPSに「経年劣化によって導電性を持ち、火災を引き起こす危険性のある接着剤」が使われていることが判明し、大きな話題となっています。

Some CyberPower UPSes may pose a fire hazard. - RedFlagDeals.com Forums

https://forums.redflagdeals.com/some-cyberpower-upses-may-pose-fire-hazard-2516306/

電源と機器の間にUPSを接続しておくと、電源からの電力供給が断たれた際に瞬時にUPSからの電力供給が始まり、機器の電源を安全に落とすまでの時間を稼ぐことができます。このため、UPSはサーバーなどの急な電源喪失によってデータが失われかねない現場で利用されており、市場に出回るUPSには高い信頼性が求められています。

ところが、2021年にYouTubeに投稿されたムービーでは、CyberPower製のUPS「CP1500PFCLCD」と「CP1350PFCLCD」に経年劣化によって腐食し導電性を持つ接着剤が使われており、火災を起こす可能性があることが報告されました。



また、2022年7月1日には、海外掲示板のRedditに「『CP1500PFCLCD』を電源に接続した瞬間に、内部で火が燃え上がる」というムービーが投稿されました。

これらのムービーには、自らが所持するCyberPowerの内部でも接着剤が腐食していたことを報告するコメントや、APC製のUPSでも同様に煙が立ち上る事故が発生したこという報告が寄せられています。接着剤の腐食が報告されているUPSは日本からも入手可能となっていたため、UPSを運用する際は定期的に問題が生じていないか確認するのが良さそうです。