堤 礼実連載:『華麗なるウマ話』第38回

スポルティーバとフジテレビの競馬中継番組『みんなのKEIBA』とのコラボ企画、堤礼実アナウンサーの連載『華麗なるウマ話』。今回は、今年もすばらしいレースが繰り広げられた春競馬の大一番、3歳クラシックのオークスと日本ダービーについて振り返ってもらった――。

「春のグランプリ」宝塚記念も終わり、本格的に夏競馬がスタート。今年の夏はようやく、『みんなのKEIBA』も現地のスタジオからお伝えすることができそうで、すごくワクワクしています。

 私にとって、福島や新潟の競馬場に行くのは3年ぶり2回目。夏競馬ならではの雰囲気を生で味わえるのはもちろんですが、系列局のスタッフの方たちと久しぶりにお会いし、一緒に仕事ができることをとても楽しみにしています。

 きっと暑い夏になると思うので、時には売店のかき氷で涼をとりながら、視聴者のみなさんに夏競馬の楽しさ、面白さをしっかりと伝えられたらいいな、と思っています。

 福島や新潟での楽しいことに思いを巡らせて、まるで夏休み前の小学生のような気分ですが(笑)、まずはその前にこの春の大一番、オークスと日本ダービーについて改めて振り返ってみたいと思います。

 オークスではスターズオンアースが勝利を飾って、牝馬二冠を達成しました。

 桜花賞を勝った時から相当強いとは感じていましたが、1番人気に推されたサークルオブライフをはじめ、他にも注目馬がズラリとそろっていたため、オークスでも本命視されていたわけではありませんでした。実際、大外枠に入ったこともあって、桜花賞馬でありながら3番人気に甘んじることに。

 ところが、終わってみれば、「堂々の」という表現がピッタリの完勝劇を披露。最後にグイッと伸びてきた鋭い末脚は圧巻でした。

 こうなると、秋の楽しみは牝馬三冠なるか。レース後には、手綱をとったクリストフ・ルメール騎手が「1600mも、2400mも勝ったのだから、2000mも大丈夫」と話していたようですし、秋華賞も期待大ですね。

 それにしても、この春のGIは1番人気の馬が勝てませんでした。オークスでも、1番人気のサークルオブライフがまさかの12着。

 それこそが競馬の面白さであり、難しさでもあるのでしょうが、本当に不思議です。

 続く日本ダービーでは、3番人気のドウデュースが優勝。1番人気で3着に敗れた皐月賞の借りを返す結果となりました。

 最後の直線ではドウデュースが早めに抜け出したので、他の馬たちが外から差してくるのではないかとも思ったのですが......、ドウデュースの末脚は最後まで衰えることなく、そのままトップでゴール板を通過。本当に強かったですね。

 追えば追うほど伸びていく。そんな印象を受ける走りでした。

 3歳馬の頂点をかけた、痺れるような戦いは、今年もすごく見応えがありました。そしてそのレースを演出したのが、トップジョッキーたちの競演でもありました。

 なかでも際立っていたのは、ドウデュースを勝利に導いた武豊騎手。これで、ダービー6勝目。自身が持つダービー最多勝利記録をまたひとつ更新するとともに、ダービー最年長勝利記録(53歳2カ月15日。従来の記録は増沢末夫元騎手の48歳7カ月6日)も塗り替えました。

 ホースマンたちの憧れであり、ジョッキーの誰もが「一度は勝ってみたい」と夢を見る特別なレースを6度も勝っているなんて......。ただただ驚くばかりで、信じられない気持ちでいっぱいです。

 これまでの記録をひも解いてみると、武豊騎手が初めてダービーを勝ったのは29歳の時のこと。若くして日本のトップジョッキーの座に就いた"天才"であっても、ダービーの勲章はなかなか手にすることができず、10回目の挑戦でやっと悲願を叶えたことを知りました。

 偶然にも、私は今年29歳。そんな武騎手の話を聞くと、パワーをもらえますし、思うようにいかない経験を繰り返しながらも努力を怠らなかった姿勢からは、学ぶことが多いと感じています。

 さてその後、この秋にはドウデュースと武豊騎手のコンビで凱旋門賞を目指す、という発表もありました。ダービーを制した名コンビが、世界最高峰と言われるレースに挑戦する。考えただけで、ドキドキしてきます。

 思えば、ドウデュースは武豊騎手にダービー6勝目をもたらしたばかりか、昨年末には武豊騎手がずっと手にすることができなかったGIタイトル、朝日杯フューチュリティSでの初勝利もプレゼントした馬です。このコンビに何か運命的なものを感じてしまうのは、私だけではないのではないでしょうか。

 このコンビなら、どんなに高いハードルでも乗り越えてしまうのではないか。日本調教馬がこれまでなかなか勝つことができなかった凱旋門賞でさえも......、そんな期待が膨らみます。

 しかも、武豊騎手にとって今年の凱旋門賞は10回目の挑戦となります。初のダービー制覇との逸話と重なり、ただならぬ気配を感じてしまいます。

 凱旋門賞では毎年のように「今年こそは!」と、日本調教馬の勝利を期待している私ですが、今年は例年にも増して"かかって"しまいそう。今から、自らのはやる気持ちをなだめるのに必死です(苦笑)。

Profile
堤 礼実(つつみ・れいみ) 2016年フジテレビ入社。
1993年11月23日生まれ、米国カリフォルニア州サンノゼ出身。
血液型:O型。趣味:ミュージカル鑑賞、ダンス。
好きなもの:東宝ミュージカル、宝塚歌劇、ハプスブルク家、
パクチー、チーズ。
モットー:「一瞬一瞬を大切に」「意志のあるところに道はある」

『みんなのKEIBA』(毎週日曜・午後3時00分〜)
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