<資生堂レディスオープン 3日目◇2日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6570ヤード・パー72>
ムービングデーに後退することとなった。原英莉花は3バーディ・3ボギー・1ダブルボギーの「74」と2つスコアを落として、トータル4アンダーの24位タイ。優勝戦線から大きく引き離された。
2番パー5で2打目を右のバンカーに外すと寄せられず、ここからまさかの4パット。伸ばしたいホールでダブルボギーという最悪の出だしとなった。
しかし、くじけることはなかった。それを証明するかのように、直後の3番パー4ではティショットでドライバーを振り抜き、同組の2人を大きくアウトドライブ。「きょう一番いいショットだった」と会心の当たりを放った。その後、スコアを戻すことはできなかったが、パープレーと大崩れすることはなかった。
苦しんでいた春先は、調子が良くても1つのミスがキッカケでスコアを崩すことも多かった。だが、「ギアを上げたいところでブレーキを踏む自分がいる」と話していた弱気な原はもういなかった。「ダボを打った後も、いいことばかりではないと頭に入れながらやっていました。悔しさはありましたけど、切り替えた。『アクセルを踏まなきゃやばいっしょっ』て」。踏ん張ることができたのはメンタル面の復調ゆえだ。
「悪くても応援してくれる方がたくさんいらっしゃる。少しでもいいショット、いいパットを見せられるように頑張りたい」。ブレーキはもういらない。あと一日、フルスロットルで18ホールを駆け抜ける。(文・秋田義和)