「もしも、自分の身に何か起こったら……」。ペットと一緒に暮らしている人にとって、考えたくなくても考えなくてはいけない問題です。

 そんな「もしも」のために、保護猫エッセイなども出版しているイラストレーターのオキエイコさん(@oki_soroe)が、「ねこヘルプ手帳」(税込850円)というアイテムを制作。自身で販売まで行っています。手帳1冊につき50円が保護猫団体に寄付される仕組みです。

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 「ねこヘルプ手帳」は、事故や災害に巻き込まれ、長い間、家に帰れなくなってしまった時に、一緒に暮らしている猫ちゃんを守るための手帳です。

 手帳の中には猫自身のプロフィールはもちろん、代理人やかかりつけ医の連絡先、ワクチン情報や体重グラフなど、愛猫を引き継ぐために重要な情報が書き込めるようになっています。

 これをバッグなどに入れていつも持ち歩いていれば、万が一の時に愛猫の存在を周囲の人たちに知ってもらうきっかけになるかもしれませんね。

 ねこヘルプ手帳について、「一人暮らしでねこと暮らす友人に、相談されたことがきっかけです」とオキさん。それまでは自身も深く考えたことはなかったそうです。

 しかし、あらためて考えてみると「家族持ちであっても家族での移動中での事故などもあり得るし、動物と暮らす以上、全ての人がそういった意思表示が必要と感じた」と言います。

 そこで2021年に、「もしも私に何かあったら猫に気をかけてあげてください」というメッセージを載せたスマホの待受画像をネット上で無料配布。グッズメーカーと協力して、ねこヘルプグッズの企画・制作・販売も行いました。

 商品のクオリティーは良く、評判も上々だったものの、「課題も残った」とオキさん。「仕方が無い」と前置きしつつも、全体的に商品の値段や送料も高く、さらに限定販売のため「買いたい時期には終わっている」という声もあったそうです。

 そのため今回は、個人で制作と販売を行っています。企画や予算管理、印刷所探しや発注、WEBショップ作りや広報など、初めてのことばかりでとても苦労したそうです。「一つの商品ができるまでに、こんなにたくさんの工程があるんだな」と実感したと話していました。

 そんな苦労を経て完成させた「ねこヘルプ手帳」は、とにかく「猫飼いさんが本当にほしい項目にこだわった」とのこと。何度もTwitter上でアンケートを実施したり、意見出しを繰り返したので、「もしもの時に必要なことを詰め込んだところが見所です」と説明。「たくさんの猫飼いさんたちのおかげで実現できた」と、協力してくれたすべての人に感謝していました。

<記事化協力>
オキエイコ@ねこヘルプ手帳さん(@oki_soroe)

(佐藤圭亮)