さすがは“感覚派”? 青木瀬令奈のパターとの付き合い方とは(撮影:米山聡明)

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<資生堂レディスオープン 2日目◇1日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6570ヤード・パー72>
首位と1打差の4位タイ。好位置で予選を通過した青木瀬令奈がさらりと言った。「私、今年から練習じゃエースパターを使わないんです。それが今週も良かったのかな」。あまりにも普通に話すので、最初は何を言っているのかよく分からなかった。
その理由は簡単。「本番に向けて新鮮味を出したいから」。練習日からプロアマまで別のパターを使用することで、エースパターの感覚を鈍らせるのが目的だという。
「ずっと使って慣れが出てしまうと、ボールの位置だったり、体重のかけ方だったり、一つひとつが“果たして合っているのかな”となってしまうんです。“なんか違う”と思った時に、気持ち悪さでズルズル行ってしまうんですね。なので、一度違う感覚を入れてリセットして、“こうかな?”と試行錯誤しながら打つほうが合っている気がします」
リセットさせる感覚も状態によって変わってくる。今週はエースと同じヘッドで、エースよりも2インチ短い32インチのパターをプロアマまで使用した。
「グリップを下から握りすぎていたんです。伸ばしている左の人差し指が下になりすぎていた。その結果、グリッププレッシャーが強くなって、アウトサイドにテークバックが上がっていました。32インチにすると自然と左手が真っすぐ伸びるので、必然的に左手の人差し指が真っすぐになる。その感覚で打っておいて、試合ではエースでどうか、としました」
もちろん、ヘッドを変えることもあり、当然打感が変わるということでもある。なぜこのやり方が合っているのか聞いたところ、やはり感覚派らしい答えが。「私はラインと距離によって体重のかけ方、ボール位置、ストロークが違うらしいので、それは固定せずに行こう」と感覚をより大事にするためだという。
「(練習を見た人は)毎回パターを替えているから、パッティングで悩んでいるのかな? って思われていると思うんですよね(笑)。結局、本番でいかに入ってくれるのかが大事ということです」。カップとボール、アドレス時のボールと自分との間。それだけでなく、パターとの付き合い方も距離感が大事のようだ。(文・秋田義和)

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