「なんで?」大出瑞月は不思議いっぱいの首位浮上(撮影:米山聡明)

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<資生堂レディスオープン 2日目◇1日◇戸塚カントリー倶楽部(神奈川県)◇6570ヤード・パー72>
最終ホールでティショットを曲げてボギー。単独首位から小野祐夢、吉田優利と並ぶ首位タイとなっても悔しさは感じさせなかった。「失速したけど、まぁいいかな(笑)」と、大出瑞月はさらりと笑った。
インコースから出ると、11番で約7メートルを沈めたのを皮切りに3連続バーディ。本人も「なんで?」と不思議がる猛チャージで、前半で一気に5ストローク伸ばしてみせた。後半はボギー2つでバーディなしだったが、「前半が出来すぎなくらいで、これが普通。きょうは2つか3つ伸ばせたらいいと思っていたから、100点かな(笑)」と振り返る。
不可解なことばかりだ。好調の要因を聞いても「ないですね」と苦笑い。「最近全然ダメだった。強いて言えば、ショットが悪いから気を付けているのかな。でもドライバーからアイアンまで全部悪いですよ」と淡々。三味線を弾いている様子はまるでない。
今週の火曜日にはパッティングの解析を行ったが、「それで直ったわけじゃない」。良かったのは苦手なラインが下りのスライスと判明したことで、この日入れた約7メートルはまさしくそのラインだったが、「遠いのは入らないと思って打っているから大丈夫なのかな。近いのが、ね」とパットについても歯切れが悪い。
大出は全国有数の暑さで知られる群馬県の館林市出身。それならば、猛暑に慣れているおかげか、と聞いても「暑いのは全然得意じゃない(笑)」とキッパリ。「ラウンド中も(暑さで)全然ゴルフのことは考えられず、どうやったら頭が痛くならないか、とかばかり」。同じ群馬出身の青木瀬令奈は熱中症になったことがないと言っていたが、「すぐ(熱中症に)なるんです」とこちらも人に寄りにけり。
最終ホールでギャラリーから『優勝してね!』と言われても、「いや〜」と笑みを浮かべるので精いっぱい。「優勝するイメージがないし、まだかなって思うんですよね。勝ったのも遠い昔に棚ぼたで…」。けむに巻くでもなく、無理をするでもなく。猛暑でも変わらないこの飄々(ひょうひょう)としたスタイルが、上位にくる秘訣なのかも。(文・秋田義和)
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