北海道大学、旭川医科大学などは6月13日、厚生労働省の自殺対策推進室が公表している自殺統計の月別自殺者数データ(暫定値)を統計的に分析したところ、新型コロナウイルスのパンデミックによって、自殺率が増加したことが明らかになったと発表した。研究グループによれば、女性と若年層で自殺率が顕著に増加していたという。

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■研究の手法

 中国・武漢に端を発した新型コロナウイルスのパンデミックは、日本国内でも社会に寛大なインパクトを与えた。では、このようなインパクトは日本の自殺率にどのような影響を与えたのだろうか?

 研究グループは、パンデミック期間中(2020年4月から2021年12月まで)とそれ以前の期間(2016年1月から2020年3月まで)について、厚生労働省の自殺対策推進室が公表している自殺統計の月別自殺者数データ(暫定値)を使い、自殺率の推移を調査。自殺における過剰死亡数を推定した。この過剰死亡数はパンデミックがなければ起こらなかった可能性がある自殺者数を意味する。

■新型コロナのパンデミックが自殺率に与えた影響

 まず研究グループによれば、パンデミック期間中の自殺者数は男性2万2,304人、女性1万1,836人だったが、過剰死亡数は、それぞれ、男性1,208人、女性1,825人と推定されるという。

 そして性別、年齢別にみた場合、特に過剰死亡数が多かったのは、男性については、20〜29歳(自殺者数2,740人、過剰死亡数466人、以下同)、40〜49歳(3,901人、423人)。女性については、 30〜39歳(1,277人、421人)、60〜69歳(1,538人、396人)、20〜29歳(1,469人、352人)だったという。

 以上から研究グループは、特に女性と若年層で自殺率の顕著な増加がみられたと結論付けた。

 この結果から、新型コロナウイルスのパンデミック下においておこなわれた困窮者への支援などが、本当に必要としている人にきちんと届いていなかった可能性があるという。

 今後このような知見を積み重ね、パンデミック下においておこなわれた政策の効果などについても、しっかりと検証していく必要があるだろう。