1月に拡張したシキノハイテック九州事業所が入る北九州学術研究都市・技術開発交流センター(画像: シキノハイテックの発表資料より)

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 シキノハイテック(スタンダード市場)。昨年3月上場。2023年3月期には、初配当10円を実施する計画。市場での認識・評価はこれから・・・であろうが、興味を覚える企業である。自動車向け主体の半導体検査(耐久テスト等)装置・機器が主力事業。

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 前3月期は「21.1%増収、95.1%営業増益、189.1%最終増益」。今期は「7.6%の増収(57億6500万円)、3.5%の営業増益(4億1000万円)、3.2%の最終増益(3億3700万円)、10円配」計画。こう発信している。「半導体検査装置・機器の需要増に対応し九州事業所を拡張(1月)。開発・作業エリアを1.8倍に拡張」。半導体の供給体制動向は、自動車をはじめ日本経済の今後を占う大きな課題。

 関連企業の一角であるシキノハイテックの前期決算の内実から、改めて動向を検証してみる。決算資料ではまず、「上半期はコロナワクチンの接種普及効果や経済対策で、環境は回復傾向に向かっていた。だが下半期以降はオミクロン株の変異株の蔓延、そして地政学的リスク、円安進行で環境は一変した」と分析。

 対して企業収益に関しては、「落ち込んでいた半導体の後工程商材(バーンインボード:完成半導体に電圧などの負荷をかけ、初期不良を見つける)などが回復基調となったほか、車載用専用計測器の受注が伸長」としている。踏み込んでセグメント別の動向をチェックすると、こんな具合。

 『電子システム事業』: 期初はコロナウイルスの影響で、部品の入手難や営業活動の制限に晒された。が、市場在庫不足で半導体主要顧客の生産増・設備投資、車載用中心の産業用計測機器商材が売り上げ増加。前期比28.2%の増収、営業利益も損失から1億5000万円強を計上。

 『マイクロエレクトロニクス事業』: 旺盛な半導体需要で、半導体設計需要が堅調に推移。(高速インターフェイス内臓半導体主体の)アナログLSI・(画像処理関連の)デジタルLSIとも設計受託が堅調に推移。12.0%増収、13.5%営業増益。

 『製品開発事業』: 車載・産業機器市況回復でビューカメラ等カメラ需要が増加。前年度開発の動画伝送機能搭載カスタムカメラの販売開始や、マイナンバーカード応用等のインフラ市場機器の出荷が増加。25.7%増収。ただ初期投資負担で営業損失2億5000万円強。

 つまり産業の米:半導体需要に追いつき切れない供給体制は続いている。だがシキノハイテックの収益動向をフォローすることで「供給体制」への道程の短縮化がチェックできる。