愛子さまと愛犬の由莉(写真提供:宮内庁)

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6月23日、幾多の惨劇を生んだ沖縄戦による犠牲者を悼む「慰霊の日」。天皇皇后両陛下と愛子さまは、御所で黙禱された。本土復帰50周年を迎えた沖縄への“祈り”を、天皇ご一家は上皇ご夫妻から受け継がれている。

「両陛下は、今年10月に沖縄県で開かれる国民文化祭、全国障害者芸術・文化祭への出席に向けてご準備をされています。しかし、現在も新型コロナウイルスの感染を防ぐため、お出ましには非常に慎重にならざるをえません。

愛子さまも、両陛下が感染することを防ぐために、侍医と相談されて、オンラインによる大学通学を続ける決意を固めていらっしゃいます」(宮内庁関係者)

しかし、学習院大学に入学されてから27カ月もの長きにわたって、登校を“封印”されている愛子さまを心配する声もーー。

「ご入学後に愛子さまがキャンパスを訪れたのは、新入生ガイダンスを受けるために登校された2020年10月24日のみです。一方で両陛下は、6月20日に日本芸術院賞の授賞式に出席するなど、都内へのご公務での外出は再開されています。

愛子さまがオンライン授業を受け続けなければならないかといえば、状況は変化しているのです。学業ばかりでなく、さまざまな友人との交流も、大学生活を送る意義のひとつです。とくに、大学卒業後の進路をお考えになるためにも、秋学期以降に登校できる状況になればいいのですが……」(前出・宮内庁関係者)

大学3年生にとって、夏休み前の時期は就職活動をスタートさせるタイミングだ。愛子さまの同級生の保護者はこう話す。

「3年生でも、すでに企業のインターンに行っている子がいると聞きました。学習院大でも対面の授業に出席する学生が多くなっていて、学生たちは就活について話すことも増えています。愛子さまは登校されていませんが、親友方からSNSなどを通じて、卒業後の仕事についての話をお聞きになっていると思います」

親友たちの“就職準備”に触発され、愛子さまも将来の勤務先について、真剣にお考えにーー。ただ、女性皇族にとっての就職先は限られている。

「金融系など、利潤を追求する企業は適さないとされています。三笠宮家の瑶子さまは日本赤十字社に、高円宮家の承子さまは日本ユニセフ協会に就職されましたが、いずれも公益性の高い活動に取り組む団体です。

また結婚するまで東京大学総合研究博物館に勤めていた小室眞子さんに代表されるように、研究者の道に進まれる方もいらっしゃいます」(前出・宮内庁関係者)

■“お手本”は黒田清子さん

そんななか、宮内庁関係者の間で、愛子さまの最有力の就職先として浮上しているのが、日本盲導犬協会だという。

「日本盲導犬協会は、2009年4月に両陛下もご視察に訪れるなど、皇室との関わりが深い団体です。愛子さまは、学習院でアイメイト(盲導犬)に関するイベントが開かれるたびに参加されていました。会場では寄付され、グッズを購入されていました。

そのうえ、天皇ご一家は保護された犬や猫を飼われています。そうした環境からも、愛子さまは動物愛護に強い関心を抱かれていたのです」(皇室担当記者)

愛子さまは、今年3月のご成年にあたっての記者会見でも、動物への思いを明かされている。

「盲導犬や聴導犬といった働く動物たちにも、学校主催のイベントや、動物についてのフォーラムの折などに触れる機会がございまして、動物好きの私といたしましては、心惹かれるものがございます」

“働く内親王”の先駆けとなった叔母の黒田清子さんの存在も、愛子さまは強く意識されているという。皇室ジャーナリストの渡邉みどりさんはこう語る。

「清子さんは学習院大学を卒業され、その後は非常勤研究員という形ながらも、山階鳥類研究所に13年間勤められました。

皇族としてご公務に臨みながら、給料を得た初めての内親王となった清子さんを、愛子さまは“お手本”にされているのでしょう。清子さんも、盲導犬の育成に関わるチャリティイベントに携わられていました」

昨年12月、愛子さまは成年式の正装でお着けになったティアラなどの宝飾品を、清子さんからお借りになった。それは、“天皇の娘”としてのご覚悟を受け継ぐことへの決意表明にほかならないーー。

「動物愛護という分野のほかに、愛子さまは福祉分野にも強く関心をお寄せになっています。佳子さまが非常勤嘱託職員としてお勤めになっている全日本ろうあ連盟のような全国的なネットワークを持つ団体なども、就職先の選択肢としてはあると思います」(前出・皇室担当記者)

コロナ禍のため、友人たちの就活を御所から眺めざるをえない愛子さま。しかし、すでにお心の内では夢に向かって歩まれている。