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指紋の残るタッチスクリーンは美しくない

フランスの高級車ブランドであるDSは、将来的に車載スクリーンを廃止する可能性がある。その理由は、「あまりセクシーではない」ためだという。

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DSのチーフデザイナーであるティエリー・メトローズは、スクリーンを多く搭載する昨今のトレンドは「少々馬鹿げている」として、クルマのインテリアに「革命」を起こそうとしていると語った。


タッチスクリーンの大きさを競う昨今のトレンドは「セクシーではない」として、DSでは廃止を目指すという。

「今後の目標は、車内のスクリーンをすべて取り除くことです。スクリーンは電源を落とすと、指紋のついた長方形の黒い面が残るだけなんです。それはとてもセクシーとは言えず、高級感もありません」

「最近、スクリーンをたくさん搭載することがトレンドになっていますが、これはちょっと馬鹿馬鹿しいことだと思います。なぜなら、ダッシュボードを持たず、大きなスクリーンだけを載せるというのは、DSの哲学に反するからです」

メトローズは、DS社内で現在のスクリーンに代わる新しい技術を検討しており、「穏やかさ」を加える「邪魔にならない」ものを使いたいと述べた。

「もちろん、ドライバーに情報を提供する必要があります。これは大きな挑戦ですね」

EVならではのフロントデザインも検討中

メトローズは、2024年からEVに移行するDSの、将来のモデルについても言及した。

現在、DSのモデルは、新型DS 7に見られるように大きなフロントグリルを特徴としているが、EVにはフロントエアインテークが必要ない。このため、クルマのパーツを新たにをデザインする際の「自由度」が上がったという。


フランスの高級車ブランドであるDSは、独自のデザイン哲学で差別化を図ろうとしている。(画像はDS 7)

また、メトローズは2020年に公開されたコンセプト「エアロスポーツラウンジ」を例に挙げ、今後はフロントに取り付けられたDSのエンブレムをライトアップすることがデザイン上の重要な特徴になると語っている。

「わたし達には新しいデザインを想像する自由があります。フロントライトシグネチャーを強化するチャンスなのです」

「現在はヘッドランプだけを使っていますが、これからはエンブレムの周囲にライトをデザインし、フロントエンドに新しい光の効果を生み出すチャンスを得ました。デザイナーにとって、とてもエキサイティングな瞬間です」