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VW初の電動セダン 中国では来年発売予定

フォルクスワーゲンは、新型EVコンセプト「ID.Aero(IDエアロ)」を公開した。同社初のEVセダンであり、2023年後半に中国での発売を予定している。

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当初は、フォルクスワーゲンの合弁パートナーである第一汽車(FAW)と上海汽車(SAIC)で、それぞれ長春市と上海で生産される予定となっている。関係者によると、2024年前半には欧州で発売されるという。欧州向けの生産はドイツで行われる。


フォルクスワーゲンID.Aeroコンセプト    フォルクスワーゲン

フォルクスワーゲンのMEBプラットフォームを採用し、「ツアラー」と呼ばれるステーションワゴンタイプも検討されているが、こちらの生産開始は早くても2025年以降になりそうだ。

ID.Aeroは、欧州発売時に「ID.6」と名付けられる可能性がある。中国では、同名のSUVが国内限定で販売されており、EVラインナップのフラッグシップとして両モデルを展開すると考えられる。

欧州では現在、フォルクスワーゲンのEVモデルはID.3、ID.4、ID.5、ID.Buzzの4車種が販売されている。新型ID.6は中国、欧州と並んで、米国での販売も予定している。日本では2022年内にID.4が導入される予定だが、ID.6については確認されていない。

このまま生産できそうな現実的なデザイン

今回公開されたID.Aeroはあくまでコンセプトモデルだが、他のIDシリーズにも見られる滑らかな表面デザインを採用しており、ほぼ市販モデルの姿を見せていると考えられる。来年の上海モーターショーでは最終的な市販モデルが発表される予定だが、デザインの変更は最小限に抑えられると予想される。

ID.Aeroのフロントエンドは、エンブレムを中心としたグリルレスのデザインを採用。ワイドなLEDライトバーと新デザインのヘッドライトが配置され、その下には、3本のデイタイム・ランニングライトが縦に重ねられている。短いボンネットは、MEBプラットフォームのパッケージングの利点を最大限に活用したものだ。


フォルクスワーゲンID.Aeroコンセプト    フォルクスワーゲン

さらに、ヘッドライトからテールランプまで、深く刻まれたキャラクターラインが独特のショルダーを形成している。フラッシュ式ドアハンドルを採用するほか、ホイールは最大22インチを装着可能とされている。リアにはフルワイドのラップアラウンド型ライトバー、イルミネーション付きのエンブレムが配置されている。

航続距離は600km以上 パサートの工場で生産

フォルクスワーゲンによると、ID.Aeroの空気抵抗係数は0.23と、同社の電動モデルの中で最も空力効率に優れているという。サイズとしては、既存の全長4767mmのパサートよりも長い。また、ホイールベースは3000mm近くになるとされている。

ID.Aeroコンセプトには77kWhのバッテリーが搭載されており、WLTPテストサイクルで最大620kmの航続距離が得られるという。52kWhの小型バッテリーなど、複数のバージョンが用意される予定だ。


フォルクスワーゲンID.Aeroコンセプト    フォルクスワーゲン

パワートレインは明らかにされていないが、関連性の高いID.4やID.5と同様に、シングルモーター/後輪駆動またはデュアルモーター/四輪駆動のいずれかの構成が選択できると予想される。出力は180psから300psまで幅広く対応できるだろう。

欧州向けモデルの生産はドイツ・エムデンで行われる予定だ。エムデン工場では現在パサートを生産しているが、ID.6とは入れ替わりで、パサートの次期モデルの生産はチェコの工場(スコダが運営)に移す計画となっている。