年度末の家計金融資産が過去最高に、意味することは?

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●21年度末の家計金融資産は過去最高に

 日銀が27日に発表した2022年1-3月期の家計が保有する金融資産残高によると、3月末の金融資産は2,005兆円となり、年度末としては過去最高となることが分かった。

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 ボーナス期の2021年12月末からは減少したが、年度末としては過去最高額となった。昨年末には統計開始以来、初めて2,000兆円を突破していた。

 コロナ禍による給付金や消費が抑制された分が、貯蓄に回ったと見られる。この2年、株式相場も大幅上昇したことから、株式や投資信託の価値が上昇したことも貢献していると見られる。

 金融資産の上昇は決して悪いことではないが、手放しでは喜べない。この金融資産の過去最高が意味することは、明るい未来なのか?暗い未来なのか?

●海外の金融資産も増加

 世界の個人金融資産ランキング(2020年)では、1位の米国に次いで日本は2位につけている。ただし、1人当たりの金融資産(同)となれば、12位にまで後退する。

 日本だけでなく、2年間のコロナ禍により、世界的に金融資産は成長し続けており、2021年末には250兆ドル(約2.8京円)を記録。不動産などの実物資産と合わせると530兆ドル(約6京円)となる。

 2000年を100とした伸び率で見ると、日本は1.4倍の伸びに対して、米国は約3倍まで増えている。

 家計の金融資産の内訳は、日本は50%以上が預貯金で、株や債券が約15%。一方米国は、預貯金がわずか約12%に過ぎず、株や債券が50%を超える。

●格差が拡大か?

 世界の個人金融資産1位の米国も2位の日本もこの2年間、生活が豊かになったという実感は乏しいだろう。株や債券を多く保有している資産家がさらに資産を増やしただけという見方も多い。

 インフレにより、預貯金しか持っていない家計からすれば、実質の預貯金は目減りしている。実質賃金は伸びず、円安も逆風となり、さらに低下する恐れもある。

 ドルとの相対的な価値と比較すれば、日本円の金融資産は低下することは避けられない。FRBの利上げ、テーパリングにより株価も頭打ちとなれば、上昇余地も期待できない。

 タイミングが難しいが、貯蓄から投資への流れが今後さらに重要となるだろう。