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 6月24日に公開された映画『ザ・ロストシティ』は、『デンジャラス・ビューティー』などで知られる女優、サンドラ・ブロック主演の冒険映画。ブロック演じる女流恋愛作家・ロレッタが、本のカバーモデル・アラン(チャニング・テイタム)と一緒に失われた古代都市の秘宝を探す物語である。

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 手に汗握るストーリー展開にラブコメディの要素が散りばめられたこの映画は、ウィットに富んだやり取りも見どころのひとつ。今回はその中から、様々な意味の込められている名セリフを5つ取り上げたい。

■ Miss Sage, surely this isn't how you want your story to end.

 この映画のヒロインであるロレッタ・セイジは、考古学者であった亡夫との共同研究を題材に恋愛冒険小説を書いて人気を博している。

 この話を真に受けたのが億万長者・アビゲイル(ダニエル・ラドクリフ)。彼は彼女が本に書いた伝説の古代都市の財宝を探すため、ロレッタを誘拐した。

 無理やり家に連れてきた無礼をわびたアビゲイルは、彼女に地中海の孤島で伝説の財宝を探すことへの協力を求める。「あなたは自分の物語をこんな風に終わらせたくないだろう」という、親しみと脅しのこもったセリフである。

 このセリフでは、wantの目的語であるyour storyが、to不定詞endの意味上の主語となっていることを即座に把握することが、リスニングのポイントとなる。

■ Only a fool would choose a horse by its color.

 ロレッタを救出するためアランは、元米海軍特殊部隊隊員でCIAの工作員をしているジャック(ブラッド・ピット)に助けを求めた。

 現地でジャックが調達した車が小さいのに驚くアラン。彼に対してジャックは「毛の色で馬を選ぶのは愚か者だけだ」と含蓄のありそうな言葉を口にする。ところがこのセリフは特に偉人の名言というわけではなく、近くの看板に書かれていた言葉だった、というオチだ。

 とは言え、only a fool would/will 〜は「〜するのは愚か者だけ」という意味の頻出表現であるから、覚えておきたい。

■ Jungles eat people like us. And I don't want to mess up the jumpsuit because it's on loan.

 アランたちはロレッタを救出したものの逃走用の車が壊れてしまった。車道に出るためアランは、ジャングルを抜ける近道を提案する。

 ところが、小説の中の人物と異なりジャングルに馴れていないロレッタは乗り気でない。販促イベントのためにレンタルしたキラキラのジャンプスーツを汚したくない、と言うのだ。

 このセリフのmess upは目的語を取る他動詞で、「ゴチャゴチャにする、台無しにする」といった意味。目的語のない自動詞として、「失敗する、ヘマをする」といった意味でも使われる。

 On loanは物に対して使われる場合は「貸出中」、人に使われる場合は「(別の組織に一時的に)派遣されている、出向している」という意味だ。

■ I thought you of all people would know not to judge a book by its cover.

 前出のブラッド・ピットのセリフのように「人や物事を外見で判断してはいけない」ということは、この映画の主題のひとつのようだ。「あなたなら、本を表紙で判断してはいけないことはわかっていると思っていた」というアランのセリフも、その好例である。

 Of all peopleは、「他の誰よりも」というように、ある人物を強調するために使われる表現。「その人物なら確実にありえる」という場合ばかりでなく、「その人に限ってありえない」という場合にも使われる。

 ちなみにdon’t judge a book by its coverは、外観で物の価値を判断してはいけないことを意味する、昔から存在するイディオムである。

■ Sweeter after difficulties (Dulcius ex asperis)

 ロレッタと彼女の亡き夫が好んでいたこの言葉は、実在するスコットランドの氏族・ファーガソン一族のモットーである。

 同一族のクレスト(兜飾り)には、アザミ属の花の上で蜜を集めるミツバチがあしらわれている。ミツバチは西洋紋章学において勤勉の象徴とされ、困難を克服したのち手に入れた報酬の喜びはひとしおであることを意味するモットーである。「働いたあとのビールはうまい」とでも言うところか。

 コツコツと地味な作業を積み重ねるロレッタの性格にピッタリのモットーと言えるだろう。