「delicious」や「tasty」だけでない イギリス英語で「おいしい」の表現

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 英語圏の他の国と違い、イギリスにはさまざまなことに独特な表現がある。食べ物の味についても同様だ。英語で「おいしい」と言うと「delicious」や「tasty」がすぐに思いつくが、カジュアルなイギリス英語ではもっと違った表現が用いられることが多い。今回は、そんな例を3つ紹介しよう。

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■cracking

 「crack」と言えば、名詞なら「裂け目」や「割れ目」、動詞なら「(パキッと)割れる」といった意味だが、「cracking」で食べ物の味を表すことにはあまり馴染みがないのではないだろうか。

 実は俗語では、「cracking」には「素晴らしい」という意味がある。特にイギリス英語では、「おいしい」という意味でしばしば用いられることを知っておきたい。しかも、イギリス文化の象徴である紅茶について述べることが特に多い。

 紅茶に限定すると特殊なようだが、イギリス産の映画やドラマではよく耳にする表現だ。たとえば、「That’s a cracking cup of tea.」のように使われる。次回、紅茶を飲むシーンを見かけた時は注意してみよう。

■yummy

 「yummy」で「おいしい」ということは、よく知られているのではないだろうか。実際、この言葉はイギリスだけでなく、アメリカやカナダなど英語圏で広く使われている。基本的には幼児語だが、カジュアルなシーンでは大人が使っても問題ない。

 なお、「おいしい」という意味では「delicious」と同じだが、ケーキやチョコレートなどスイーツについて使われることが多い印象だ。

 ちなみに、(性的に)魅力的な異性について「yummy」と表現することもある。日本語で異性について「おいしそう」などと言うと随分下品に聞こえるが、英語では若い女性が男性について使うことが多い。とはいえ、この意味での使用は注意した方がよいだろう。

■scrummy

 「scrummy」とは、「scrumptious(すごくおいしい)」を省略した表現だ。上の2つと比べてあまり馴染みのない言葉かもしれないが、なんと1844年から使用されていると言う。日常会話だけでなく、イギリスのメディアでも頻繁に使用される表現である。また、Roald Dahlが好きな人なら、目にしたことがあるかもしれない。

 「That cake was so scrummy.(あのケーキはすごくおいしかった。)」のように使う。