本誌が目撃した『やんごとなき一族』の土屋太鳳と松下洸平。後ろに映るのはダチョウ倶楽部の寺門ジモンだ

 6月23日に第10話が放送されたドラマ『やんごとなき一族』(フジテレビ系)。

 土屋太鳳(27)演じるごく普通の女性・佐都が、莫大な資産を持つ一族に嫁ぎ、さまざまな苦難を乗り越えていく物語。

 第10話では佐都の夫・健太(松下洸平)が、佐都との仲を裂こうとする健太の父・圭一(石橋凌)との揉み合いの末に頭を打ち、記憶喪失になるという展開だった。

 第4話では視聴率4%台に落ち込んだ同作だが、ネット上では、ここに来て最終話の読めない展開が話題になっている。

《一話がもう結婚だったから、最終回はどうやって二人はお互いを好きになったのか記憶のない健太と0から見せてくれるんだ》

《重い!重すぎる第10話 あぁ…最終回…どういう展開が待ってるのでしょう…》

 4月期のドラマが続々と最終回を迎えているが、芸能記者がある傾向を指摘する。

「今クールでもっとも話題になったのは日曜劇場『マイファミリー』(TBS系)で間違いないでしょう。こちらは誘拐の真犯人の予想でネット上は盛り上がりを見せていました。

 ほかに『インビジブル』(TBS系)も、最後に黒幕が意外な人物だったと判明しています。いずれもテレビ局側が意識的に “どんでん返し” や各話の終盤に謎を残す作りをしているように思えます」

 各ドラマの公式Twitterが投稿した次回予告の文言でも、その傾向ははっきりと読み取れる。

《いよいよ連続誘拐、最終完結…!! 愛する妻を温人(#二宮和也)は救うことができるのか… ついに完結!衝撃のクライマックスへ!!》(『マイファミリー』6月5日投稿)

《#インビジブル 第9話ご視聴ありがとうございました 再び衝撃のラスト…ついに明らかになりましたね》(『インビジブル』6月10日投稿)

《衝撃、絶望、激昂、涙・・・ #やんごとなき一族 第10話は怒涛のクライマックスで幕を下ろします そして次回、遂に最終回。深山家の崩壊の危機に、最強の味方たちが立ち上がり、大逆襲へ・・・》(『やんごとなき一族』6月23日投稿)

「衝撃のクライマックス」「衝撃のラスト」「怒涛のクライマックス」と似たような言葉が並ぶ、各ドラマの予告。もはや制作側が「どんでん返し症候群」に陥っていると言っても過言ではないだろう……。

「Netflixが上陸し、韓国ドラマがブームになりましたが、『愛の不時着』や『イカゲーム』といった作品は、まさに “どんでん返し” の最たるものです。

 いまはテレビ局自身も『TVerで過去回が見れます』と宣伝し、各ドラマ何本もダイジェスト動画を公開している時代。

 そうなれば、見たいものをかいつまんで見られる海外配信系ドラマと同じように、次回へ次回へと “見どころ” を残す作りになっても仕方ないでしょう」(テレビ局関係者)

 しかし、こういった傾向に視聴者も敏感に気づき始めているようだ。

 木村拓哉(49)が主演だった『未来への10カウント』(テレビ朝日系)や『ナンバMG5』(フジテレビ系)を観ていた視聴者からはこうした声も上がっている。

《ベタなラブシーンはなくてもドキドキがあったり、キュンとしたり どんでん返しや伏線がなくても、明日からまた頑張ろうって思えるドラマでした #未来への10カウント》

《ナンバMG5最終回めちゃ良かった ベタ中のベタな学園ドラマの王道展開てんこ盛りだったけど、変化球やどんでん返しが溢れた今だからこんなに響くのかな》

《めちゃくちゃ良かった!! 変などんでん返しとかなくて、スカッとする最高のドラマだった!!》

 視聴者を楽しませるための「仕掛け」だが、ただ一辺倒になることは避けてほしいものだ。