[6.22 練習試合U-18日本代表候補 1-0 韓国大学選抜 高円宮記念JFA夢フィールド]

 公言していた年代別日本代表入りへの強い思い。そのピッチに立ったMFは、すでに先を見据えていた。MF徳永涼(前橋育英高)はU-18日本代表候補のダブルボランチの一角として先発。後半は中盤中央に3人が配置される中、左のインサイドハーフとしてプレーし、勝利に貢献した。

 前半からボールに係る回数が多く、特長である失わない力や縦につけるパス、そして展開力も発揮。また、守備では味方との連係でボールを奪い取り、素晴らしいアプローチ、タックルで韓国大学選抜の前進を阻止するシーンがあった。

 普段通りの守備を年上の外国人選手相手に発揮していた一方、そのいくつかがファウルに。徳永は代表チームの試合基準でファウルにならないようにすることを意識し、「トラップ際に行くと結構ファウルになってしまっていたので、トラップしたあとの一瞬の隙を突いていきたい」と改善する考えを口にしていた。

 また、コンビを組むボランチによってプレーを微調整することや、攻撃でもう一つ武器を身につける必要性を確認。本人は成長するための課題を口にしていたが、一方で攻守両面での特長や、バランス力の高さを代表チームでも発揮し、積極的な声がけ含めて存在感を示したことも確かだ。

 今月19日にインターハイ予選決勝(4-0)を終えたばかりでやや遅れての合流。だが、「連戦でしたけれども、このシチュエーションで上がらない人はいないと思うので、凄く気持ちよくサッカーできました」という日韓戦まで、学ぶことと自分自身をアピールすることの両方ができたようだ。

 徳永は高校2年生だった昨年から名門・前橋育英の中心選手として活躍。チームとして3冠、個人としては年代別日本代表に入ることを掲げてスタートした今年、プレミアリーグEASTで上位争い中の前橋育英、U-17日本高校選抜のボランチとして存在感ある動きを続け、U-18日本代表候補に選出された。

 待望の年代別代表候補初選出だったはずだが、本人は「心境としては嬉しいというのはあったんですけれども、そこまで感情的になることはなくて、ずっと準備してきていたので嬉しさよりはすぐに先を見ていた感じですね」。そして、憧れの舞台で特長も発揮した徳永は、ここからさらに成長を続けて前橋育英の3冠獲得に貢献する選手、そして「選ばれ続ける選手、代表から必要とされる選手」になることを目指す。

(取材・文 吉田太郎)