THE THOUSAND KYOTOで貸出しされるステンレス製ボトルのイメージ(画像:タイガー魔法瓶の発表資料より)

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 タイガー魔法瓶は21日、ステンレス製ボトルの回収・再資源化の目標を設定したと明らかにした。また同日より、京阪ホテルズ&リゾーツが運営するホテル「THE THOUSAND KYOTO(ザ・サウザンド キョウト)」と協業し、不要となったステンレス製ボトルの回収を開始する。タイガーは、今後も協業パートナーを増やしながら再資源化を進め、持続可能な社会の実現に貢献していくという。

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 タイガーは再資源化の一連の流れを、再資源化モデルとして構築。2021年7月の京都府亀岡市とのパートナー連携を皮切りに、これまで取組んできた。

 回収されたステンレス製ボトルはその後リサイクル専門業者に引き渡され、ステンレス原料とプラスチック樹脂原料に再資源化される。その原料はステンレスメーカーと樹脂製品メーカーに渡り、それぞれステンレス材と樹脂製品に生まれ変わる。再生ステンレス材は、再度タイガーでステンレス製ボトルなどに活用され、再び消費者に届けられる。再生樹脂は同社の各工場で利用される、という流れだ。

 今回新たに設定した再資源化の目標は3つで、いずれも達成時期を2030年までとしている。

 目標の1つ目は、ステンレス製ボトルの回収率10%。同社が年間に販売するステンレス製ボトル数の10%程度を想定している(2018年度時点の年間生産本数は約800万本)。劣化などで不要となったステンレス製ボトルを広く回収対象とし、他社製品も含めてカウントするという。

 2つ目は、ステンレス製ボトルの出荷数に対するリサイクル樹脂を活用したボトルの割合50%。ボトルの中栓や底には、ポリプロピレンなどのプラスチック樹脂が使われているため、それを再生樹脂に置き換える。

 3つ目は、ステンレス製ボトル再資源化の協業パートナー数100社。パートナーは回収に携わる企業だけでなく、ステンレスやプラスチックのリサイクルを行う企業など、再資源化モデルに関わる者を指す。企業だけでなく自治体や教育機関も含み、前述の京都府亀岡市や、神戸大学などが参画している。

 今回協業に至ったTHE THOUSAND KYOTOは京阪の旗艦ホテルで、2019年1月にオープン。22年4月からはプラスチックごみ低減のため、全客室内のプラスチック製アメニティを無くす取組みを開始している。そうしたSDGsへの取組みの中で再資源化に参画したという。

 同ホテルでは回収と併せて、オリジナルボトルの貸し出しも開始。ホテルがデザインしたタイガーのステンレス製ボトルを宿泊者に無料で貸し出す。ホテル滞在中はいつでも利用でき、観光中にも持ち歩きが可能。プラスチック削減の新たな取組みとして行うという。