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個別株投資をする際は、「その会社が上手に経営されているか」ということが1つの判断材料となります。では、なにをもとに「経営上手」を見極めればよいのでしょうか。株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏が解説します。

上手な経営=「上手な資本活用」

会社経営の際に重要なこととはなんでしょうか。

実は、株式会社の場合答えはシンプルです。それは、「資本を有効活用し、いかに大きなリターンを生み出すか」。

たとえば、同じ100億円の純利益を上げる会社でも、自己資本が500億円である場合と1兆円の場合とでは、その経営の上手さには雲泥の差があります。前者は非常にうまく資本を活用して利益を出していますが、後者はそうではありません。

投資でも同じことがいえます。「与えられた資金をいかに有効活用して、できるだけ大きいリターンを得るか」が大変重要です。

「ROE(自己資本利益率)」が高い会社は経営上手

さて、資本を有効活用しているかどうかは、ある指標によって確認することができます。そのうちの1つが「ROE」です。

ROEとは「自己資本利益率」のことで、「当期純利益/自己資本×100」(単位は%)で求められます。「自己資本の何%を純利益として稼ぐことができたか」を示す値です。

この値が高い会社ほど、自己資本を有効活用し上手に経営されている会社だと考えられます。近年は株式会社の評価基準として、このROEが重要視されています。

ちなみに、日本企業のROEはおしなべてアメリカ企業よりも低いといわれています。日本企業は、自己資本をあまり有効活用できていないようです。

「ROA(総資本利益率)」も要チェック

しかしながら、他人資本が多く自己資本が少ない会社は、同じ利益を上げていてもROEが高くなる傾向があります。ROEの算出式である「当期純利益/自己資本×100」を考えていただければわかるのですが、分母である自己資本が少なければ少ないほど、ROEは大きくなるからです。

しかし、他人資本が多く自己資本が少ないということは、借金が多い会社だともいえます。借金をしていた場合、その分も有効活用していなければ経営がうまいとはいえません。

そこでもう1つチェックしたいのが、ROAです。

このROAは「総資本利益率」のことで、「経常利益/総資本(他人資本+自己資本)×100」(単位は%)で求められます。これは「借金も含めたすべての資本の何%を経常利益として稼ぐことができたか」を示す値です。

ROEもROAも両方高い会社は優秀な会社だといえます。反対に、どちらも低い会社は稼げていない会社であり、またどちらか一方が低い会社も注意が必要です。

ちなみに、ROEが高く、自己資本比率が高い(総資本に対して自己資本の割合が大きい、すなわち借金が少ない)会社は計算上、必然的にROAも高くなります。借金が少ないうえに自己資本を有効活用していれば、当然ROAも高まるのです。

「自社株買い」や「配当金」で株主還元するのも資本の有効活用法

なお、仮にROEやROAが高くなくても、株式会社には株主へリターンをもたらす方法があります。

それが、「自社株買い」と「配当金」です。

資本の有効な利用先がない場合、それを株主に還元すればよいのです。株価が安い場合は自社株を買い、既存株主が持つ株式の価値を高めることができます。また、配当金という形で株主に現金を返すという方法もあります。

株式会社は株主のものですので、そのような形で株主還元をするのもまた資本の有効な活用法であり、それらに積極的な会社もまた、上手に経営されているといえます。

このような「経営上手」といえる会社の株価は、現在価値に比べて割高になりがちです。しかし割高な株を買うことにはリスクもありますので、投資をする際は株価にも注目する必要があることを忘れないでください。

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓