UNIVERSITY of CREATIVITY(UoC)の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするinterfmの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

6月8日(水)の放送では、近藤ナオさんが前回に引き続きゲストに登場。世界各地で暮らす目的や、現在計画しているプロジェクトについて語ってくれました。

(左から)Hide、Misa、近藤ナオさん


肩書を持たず、世界の複数の拠点で活動。手掛けている事業は10を超え、コーリビング運営、NFT、アーティストマネージメント、酪農、飲食など幅広く展開しています。特にアフリカの投資に特化したファンドでファンドマネージャーとして活動しており、ケニア、ガーナ、ナイジェリアなどのアフリカの地を転々としながら、「釈然とする」暮らしの実現を目指しています。

◆世界に点在する拠点を行き来する生活

Misa:先週は海外に拠点を増やすことになったきっかけについて伺いましたが、今回はナオさんの海外での活動についてお聞きします。

Hide:オランダでコーリビングを始めて、そこから何ヵ所にもそういった場所を作り、今はタンザニアにたどり着いている感じなんでしょうか?

近藤:そうですね。1年の半分はオランダに住んで、残りの半分は日本に住むっていう暮らしを始めたのが3年前の4月です。ヨーロッパのオランダの辺りって地球の中心的位置なんですね。特にアムステルダムは、世界トップ3に入るぐらいのハブ空港なんですよ。

Hide:そうですね。

近藤:南に行くとアフリカ、西に行くと中南米と、10時間以内で行けるところがほとんどなんです。東に行くと東欧諸国やインドとか、僕的には今まで全然関わってこなかった発展途上国に行けるんです。

Hide:日本からだと遠いって意識がありますけど、オランダからだとスッと行ける場所なんですね。

近藤:そうです。オランダに行っても英語が全然できないし、コネクションもないので、オランダの仕事が全然取れなかったんですよ。やることがなさ過ぎてずっと世界地図とかを見ていたら「近いじゃん」と思ったんです。それで、1ヵ月に1ヵ国以上、行ったことのない国に行こうと決めました(笑)。

Hide:なんだかバックパッカーみたいですね(笑)。

近藤:そうそう。ただ行ってもつまらないから、社会課題を解決しているような会社を見つけて、会社見学というかインターンみたいな形で「3日でも1週間でもいいんで受け入れてくれないか」というオファーをしました。

Hide:そこから入っていったんですね! それがきっかけで、誰かを紹介してもらうってこともありそうですね。

近藤:はい。初日は現地の人たちがどう働いているかを知るために社長の鞄持ち、2日目は部長クラス、3日目は現場で20歳ぐらいの子たちと一緒に納品を手伝ったりしました。今思えば、特殊な旅行プログラムとしてめちゃくちゃ面白かったんです。それで、アフリカを中心に10何ヵ国ぐらい行っているうちに、だんだんと繋がりが生まれていきました。

Hide:うんうん。

近藤:オランダで誰かと一緒に暮らしてみたり、家を持ってみたりしたことで世界が身近になったので、アフリカ大陸とか南米あたりに家を一軒持ったら、世界の人たちの価値観や暮らしぶりがよりわかるんじゃないかなと思ったんですね。

それで調子に乗ってタンザニアで家を持ちました(笑)。家を持つ際には毎回友だちに声をかけているんですが、タンザニアでは5人の友だちが「面白そう!」とお金を出してくれたので、そこをコーリビングにしています。中南米ではペルーで出会いがあったので、ペルーに家を持っています(笑)。

Misa:おお(笑)。

近藤:ナオさんって億万長者というわけではないですよね(笑)?

近藤:全然(笑)。最終的に5ヵ国に家を持って、2週間おきぐらいに移動して暮らすっていうのを、コロナ禍真っ只中にやっていましたね。この2年間でも12、3ヵ国を50回ぐらいは移動しています。

僕にとってこの暮らしはリサーチだったんです。「世界中の人たちが全員“家族”になれば、世の中は平和になるんじゃないか」という想いから、将来、地球のバランスをとるようなプロジェクトに関わりたいと思っていて、その時、どこにどんな人たちがどんな暮らしをしているかを知っておかないといけないと思っているんです。

Hide:なるほど、なるほど。

◆住む人たちの価値観に沿った暮らしを作りたい

近藤:タンザニアの家ではこれまで世界を見てきた中から“いいとこどり”をしながら、心豊かな生き方を実践中で、携帯電話料金と必要最低限の医療費以外はお金を使わずに済む、ほぼオフグリッドなエコビレッジ作りをしています。電気は太陽光、水は井戸や雨水、トイレはバナナの木を使った浄化槽を採用し、食べ物は野菜や果物を収穫したり、海で魚を獲ったりしています。そこは1,000人以上が滞在可能で、世界中のどんな人でも歓迎します。

Hide:都会の暮らしだと、コンビニとか洗濯機とかがあって楽ですよね。タンザニアではある意味昔の暮らしに戻っているところがあるじゃないですか。昔の暮らしに戻ることが目的ではないと思うんですけども、自分で全部やらなきゃいけないのは大変だけど面白いって感覚ですか?

近藤:実際は井戸で水を汲み上げる必要はないんですけども、まずはそういうところからやってみて、どれぐらい大変かを体験しながら「ここは電気を使って自動化させたほうがいい」みたいなことを判断していきます。

Hide:(方法を)選択していくと。

近藤:はい。僕らが手に入るハイテクなものから、「本当に最適なものは何か」を一個一個丁寧に選んで、暮らしを作っていこうと考えています。タンザニアの家ではこれからもいろんな国の人と暮らす予定ですので、ルールとか地域通貨といったものを導入すべきなのかも考えます。

たとえば、マサイ族には“所有”という概念がほとんどなかったりするんですよね。僕らの私物を勝手に持って行っちゃったりする。でも、所有という概念を教えるべきなのかどうかは考える必要があるんです。所有の行き過ぎた結果が、ロシアとウクライナ間の領土問題だと思うので、そういうところを一つずつ考えて村や国を作るっていうことは、すごくクリエイティブで面白いことだと思っています。

◆日本でのプロジェクトも現在進行中

近藤:タンザニアなどで家づくりをやってきて、だんだんとイメージが湧いてきたので、世界中に広げていってもいいかなと思っているんですね。今は和歌山や奈良といった紀伊半島とかもいいかなと思っているんですよ。

Hide:いいですねえ。熊野とか天川とか。

近藤:家づくりのことを考えるとちょっと温かいところがいいと思っているので、土地を探しに具体的に動き出しています。

Hide:面白そう。どこかで交わりそうな話だ(笑)。

Misa:遊びに行きたいですね。ナオさんにとって、ワクワクする社会創造のタネとは何でしょうか?

近藤:「人生で一度もやったことがないことはすべてやる」というのが、(社会創造の)きっかけとして大事かなと思っています。目の前に現れたものは全部やると決めていて、取捨選択もしません。

Hide:ほほう!

近藤:取捨選択をしないので、そこにかかるコストがゼロなんですよ(笑)。「この仕事を受けるかどうか」「この人を助けるかどうか」と思わず、「目の前に現れたということは何か意味がある」と考えて乗っかり続ける。そこから今の道が拓けていきました。

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次回6月15日(水)は、元NHKの制作ディレクター・小国士朗(おぐに・しろう)さんがゲストに登場します。お楽しみに!

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/voice/show/36836と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください!

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聴取期限 2022年6月16日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:近藤ヒデノリ(Hide)、平井美紗(Misa)
番組Webサイト:hhttps://www.interfm.co.jp/mandala