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「金利」は景気の動向を反映するため、株式投資をする際の参考指標になります。しかし、その際注意すべきポイントがあると、株式会社ソーシャルインベストメントの川合一啓氏はいいます。本記事で詳しく解説します。

「金利」の仕組み

「金利」とは、借り手から貸し手に支払われる利息率のことです。100万円を1%の金利で借りる場合は、101万円を返済しなければなりません。

この金利は、市場における「お金」の需要と供給や、中央銀行(日本の場合は日本銀行)が一般の銀行に貸す利息である「政策金利」などによって決まります。

基本的に、景気がよく商取引が活発になると、お金を借りてでもなにかを買おうとする人や企業が増え、お金の需要が高まりますので、金利は上がります。逆に、不景気のときは金利が下がります。

また景気の過熱時はそれを抑制するため中央銀行が政策金利を上げ、市中金利を上げるよう働きかけます。金利が上がればお金を借りづらくなり、全体的なお金の流れが鈍るからです。一方、景気の低迷期においては、中央銀行は金利を下げるように働きかけます。金利が下がればお金を借りやすくなり、全体的なお金の流れがよくなるからです。

このように、市場における需要と供給においても、中央銀行による意図的な操作においても、「景気が良い≒金利が上がる」「景気が悪い≒金利が下がる」という基本的傾向があるのです。

金利が低ければ「株式」に、高ければ「安全資産」に投資を

では、そんな金利の高低は、投資にどのように生かせるでしょうか。

基本的に、金利が低いときは株式投資のチャンスです。金利が低いときは、預金や国債といった安全資産への投資には旨味がありません。金利が反映されるこれらの資産は、この場合あまりにもリターンが小さいからです。そのため、多くの投資家は株式などに投資をする傾向があります。

特に、低金利が底を打ち利上げが始まったときは、景気上昇が始まるとも判断できるので、株式に投資をするにはいいタイミングでしょう。

一方、金利が高いときは、預金や国債といった安全資産での投資が旨味を持ちます。リスクがごく小さいうえに高金利でリターンが大きいからです。

高金利が高止まり利下げが始まったときは、景気が下降し始めるとも判断できるので、株式への投資は避けたほうがよいかもしれません。

金利はあくまで「指標の1つ」…投資時の注意点

ただし、上記のような金利に基づいた株式投資には、いくつかの注意点があります。

1つは、「金利と個別銘柄の株価の上下は別物」だということです。やはり業績好調な会社の株価は、金利がどう動こうと上昇していく傾向があります。一方で、業績が下降している会社の株価もまた、金利の上下とは無関係に下落していく傾向があります。金利は市場全体の動向とは関連しますが、個別銘柄の株価との関連となると、無関係のことも多いのです。

2つめは、「株価には将来への予想が織り込まれている」ということです。金利の性質を考えれば、金利が下がったら株を買い、上がったら売ればよさそうなものですが、みんながそれを見越して早く多くの利益を得ようとした場合、株価も理屈通りには動かないことがあります。

たとえば金利が少し下がっただけで、「お金が株式市場に流入するから株価が上昇する」という予想に基づいてみんなが株を買い、それにより異常に株価が上がってしまうということもあります。

また他にも、異常な低金利が続き株価が高騰しているときに、中央銀行が政策金利の利上げを匂わせる発表をしただけで、「金利が上がると株価が下がるから、いまのうちに売っておこう」とみんなが考え、株価が急落するということもあります。

そう考えると、金利はあくまで指標のひとつであり、それだけに基づいて株式投資をするのは危険だといえます。金利の性質を知りそれを参考にしたうえで、他の視点も十分に活用して株の売買をすることをおすすめします。

株式会社ソーシャルインベストメント 取締役CTO

川合 一啓