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世界経済の急激な変化で、為替市場が暴落することがあります。そのようなときに大きな損失を被る人と、反対に莫大な利益を得る人では何が異なるのでしょうか。株式会社ソーシャルインベストメントの清水一喜氏が解説します。

為替の暴落に巻き込まれてしまった初心者トレーダー

為替相場はときに世界情勢の動きによって大きく一方向に動くことがあります。理由は景気後退、戦争、コモディティ商品の価格上昇など様々なものがあります。このような状況下で資産を守れるかどうかが初心者とプロの実力の違いでしょう。まずは相場の暴落に巻き込まれてしまう初心者トレーダーの特徴を解説していきます。

初心者トレーダーの多くは相場が暴落したときに損切りができません。特に持っていたポジションが含み益の状態であった場合はなおさら損切りができないでしょう。これは「プロスペクト理論」と呼ばれる行動心理学を用いて説明することができます。

「プロスペクト理論」とは、人は利益を享受するときよりも損失を被るときのほうが心理的負担が大きくなるという理論です。つまり、FXにおいて同じpips数でも利益を確定するときよりも損失を確定させるときのほうが心理的負担が大きくなるということです。

このようにメンタル管理ができない初心者は暴落時になかなか損切りができず、ずるずると評価損が膨らんでしまうのです。このような評価損を膨らますトレーダーがいる限り、相場の暴落は続きます。

「ここが底?」はまだまだ落ちるサイン

暴落時になかなか損切りができないトレーダーはどんどん膨らむ含み損に耐えきれず、さらなる暴挙に出ます。それが「暴落時の逆張り」です。ほとんどのプロトレーダーは相場が一方向に動く際の逆張りは資産を無くす近道だということを知っています。しかし、なぜ初心者トレーダーは相場が暴落しているときに逆張りをしてしまうのでしょうか。

先ほど説明した通り、含み損を抱えた初心者トレーダーはなかなか損切りすることができません。そうしたトレーダーは相場の暴落が止まり、流れが反転することを望むようになります。また、相場が反転する際に少しでも有利なレートで新規ポジションを取得して、現在の含み損を取り返そうという心理が働きます。こうして含み損を抱えている初心者トレーダーは暴落時に逆張りをするようになるのです。

誰も未来の為替相場を100%予測することはできません。しかし、多くの初心者トレーダーは為替チャートの底を予想しようとします。プロは現在の為替相場の動きに対応して自らの行動を決めているのに対して、初心者トレーダーは未来のチャートを予想しようとします。この為替相場に対する姿勢の違いが暴落時に資産を守れるかどうかに繋がります。

暴落時に為替相場の底を勝手に決めつけてトレードするため、初心者トレーダーは相場の流れに逆張りします。このような逆張りを続けるトレーダーがいる限り、相場の暴落は続きます。そしてこのようなトレーダーが含み損に耐えきれずロスカットするようになると、ようやく相場の転換点が訪れます。

プロは相場の流れに逆らわない

初心者トレーダーの相場の暴落時に起こる心理変化と行動について解説してきました。さて、プロのトレーダーは同じ状況下で一体どのような考えでどのような行動を取っているのでしょうか。結論から申し上げますとプロは相場の流れに逆らいません。そして自分の予想していない方向に相場が動いたときは素直に損切りをします。機械的に損切りできること、相場の流れに逆らわないことが初心者とプロを分ける決定的な違いです。

相場が暴落したときも同様にプロは持っていたポジションが含み損になった瞬間に建玉を手仕舞います。こうすることで相場が一方向に動いてしまった場合に被る損を最小限にするのです。そして大きな相場の流れがくると確信した後にプロトレーダーは相場の流れに順張りした新規のポジションを取ります。

この新規のポジションが初心者トレーダーのストップロスを巻き込んでプロトレーダーの含み益になっていくのです。こうして冒頭でも述べたように、相場暴落時に大きく利益を出すプロトレーダーと資産を著しく減らす初心者トレーダーが生まれてしまうのです。

チャートに願望を抱かなくなったらプロの証

さて、初心者トレーダーはいかにしてプロトレーダーのような取引ができるのでしょうか。答えは「相場に希望を抱かないこと」です。暴落時に資産を減らしてしまうトレーダーのほとんどが自分に都合がいいように為替チャートを分析してしまいます。

都合のいい分析はどんなに含み損を抱えていても相場に逆転のチャンスがあると錯覚させてしまいます。この錯覚がある限り暴落時でも逆張りをして難を逃れようとします。しかしその多くは失敗に終わり、最悪の場合、FXの世界から退場することになるでしょう。

このような自分に都合の良い分析を卒業して、相場の動きを事実として受け止められるようになったらプロトレーダーとしての道が拓かれます。長く相場の世界で利益を得たいと思うのならば、まず自分の意識と行動を変えていきましょう。きっとFXのチャートの見え方が変わってくるはずです。

清水 一喜

株式会社ソーシャルインベストメント 執行役員