※この記事は2022年03月07日にBLOGOSで公開されたものです

2009年10月5日にサービスを開始した言論サイト『BLOGOS』が3月31日をもって更新を停止。そして5月31日をもってサービスを終了することが発表された。数々の有力ブログを転載し、雑多な意見を紹介するという取り組みを行ったこのサイトは果たしてどのような役割を果たしたのか。BLOGOSに文章が掲載されていた私・中川淳一郎(編集者・ライター)と、自身のブログ「試みの水平線」がBLOGOSに転載されていた28年来の友人である常見陽平(千葉商科大学准教授)が語り合った。

常見:BLOGOS終わっちゃうけど、それを聞いた瞬間、「あぁ……」と思った。なんか胸に期するものがあったのかもしれない。アゴラってあるじゃん。池田信夫さんがスタートした言論プラットフォーム。僕も執筆オファーを受け、その記事がBLOGOSにも転載となった。その後、ブログがBLOGOSに転載されるようになった。10数年前から僕の記事は載っている。今日は、BLOGOSにも記事が掲載されている中川とBLOGOS、そしてブログをベースとしたネット論壇について振り返ってみたい。ところで君はどのようにしてBLOGOSとかかわっていたの?

中川:オレはあまり更新しない自分のライブドアブログに加え、「今月のあっぱれ」と題してその月に見事な活躍をした人をとにかくホメまくるというBLOGOS編集部発の「オリジナル記事」的位置づけの原稿を書いていた。最近書いたのは、『サンデーモーニング』(TBS系)から卒業したハリーこと張本勲さんに激励の「あっぱれ」を入れたやつだね。

常見:あぁ、確かに君の顔が、オレンジの版画風のアイコンになっているヤツね。

中川:漫画家のまんきつさんが描いてくれた。

常見陽平の「自撮り」がボコボコに叩かれた時代


常見:僕自身はお陰様で自分のブログが転載され、たまにバズったり、炎上したり、叩かれたりした。2016年、BLOGOS AWARDの銀賞を受賞した。金賞が小林よしのりさん、銅賞が三浦瑠麗さん。いつもブログに自撮り写真を載せつつオピニオンを書き、常見陽平が書いていることを示すとともに、自身を鼓舞した。そういった中、自撮りが読者から非難されたんだよな。君は酔っ払って僕に電話をしてくるクセがあり、「〇〇さんと飲んでいる。リングネームつけろ」とか言うのが定番で、時々「BLOGOS担当者と飲んでるぞ。担当者も常見の自撮りには好意的だ。お前は自撮りをもっとガンガンやれ!」とか言ってたよね。

中川:あの時さ、「茶髪ブタ野郎」とか「パヨク」とか「気持ち悪い」とか「このナルシシストめ」とか酷いコメントだらけ。それを見ていてさ、「お前、論に文句言えボケ」とか「常見の自撮りに文句をつける時間を作る人生虚しくないか?」と思った。常見はそうした声に多少は傷つきながらも、開き直って自撮り載せまくったからオレは「もっとやれ!」と焚きつけた。

常見:自撮り警備隊みたいな奴らが現れてさ、「今日はグロいのあります!」とか報告していたな。BLOGOSのコメントってヤフコメの酷い版みたいなものだよね。FBコメントになってから荒れは減ったが。コメント機能を廃止する際に「もう見ない」「常見の自撮りを叩くのが楽しみだったのに」というコメントがあったな。

中川:ガハハハハ、常見はそいつらにエンタメを提供していたんだな。それはさておき、編集長の田野幸伸さんにコメント欄を廃止した理由を聞いたら「ああいったdisりの場を放置しているのが心苦しかった」と言っていた。確かにとんでもない差別的書き込みを放置していたら裁判を起こされるかもしれない。著者への配慮と自社のリスク管理の両面でコメント欄廃止は仕方なかったと思うし、もはやネットの善意に期待できないという象徴的な出来事だった。同時期に東洋経済オンラインもコメント欄を廃止したしね。ただ、あれだけ常見の自撮り写真が叩かれたけど、オレが思ったのは、元々は常見のブログの転載だろ? だったらレギュレーションに従った形で何を載せてもいいじゃん。

常見:そうだよね。思ったのは、炎上って、元々クローズド――たとえば、特定の読者がお金を払って買う雑誌とかでは発生しにくかった。まぁ、80年代も投書欄が荒れるとか、論争が起こるというのはあったけどね。わざわざカネ払って買ってネットに悪口を書くなんてことはしない。皆、その雑誌のテイストが好きで買っているのだからね。

しかし、雑誌の記事をウェブメディアに転載し、それがさらにYahoo!を含めたポータルに配信され炎上するってのが2010年以降は発生した。僕の自撮りを批判する人は、「論壇サイトになんでこんな写真を載せるんだ!」となった。元々は僕のブログに掲載した記事と写真なんだが、この現象を見て「なるほど、ブログポータルの宿命なのかな」と思った。正直、自撮り写真はハンコみたいなもので、内容とは関係ないんだよ。僕が書いているという証を示しているだけ。「政治家に怒っている文章なのになぜ、お前がパフェ食ってる写真を出すんだ!」なんて怒られたりもしたな。


中川:オレも全然関係のないカレーやらラーメンの写真をブログに載せるぞ。

果たしてBLOGOSはどんな時に読まれていたのか

常見:なんか自由だったはずの「ネット論壇」が不自由になりまくったこの10年ほどだよね。ところで、君はどんな時にBLOGOSを読んでいた?

中川:自分の原稿が載った時に、ランキングやコメントを確認するのが多かったな。そういった時に、自分と論調の合う人の記事が載っていたらそれを見るという感じ。

常見:僕もそう。実は僕、現在ツイッター、フェイスブックはあまり読んでいないんだよね。ウェブメディアについては、RSSリーダーのヘッダーで見出しを見て各サイトが何をテーマにしているかをチェックするけれど、実際の文章はあまり見ていない。新聞は8紙読んでいるよ。ただ、元フジテレビアナウンサーの長谷川豊氏の人工透析患者批判炎上など、大炎上したものはたまにチェックしていたが。今振り返ると、実はBLOGOSというサイトは訪問しているけれど、読んでいなかったんだな。申し訳ないことに。

中川:ここから、BLOGOSの役割について考えていきたいけど、たしか2009年に、田端信太郎さんが始めたのではないかな。大谷広太さんが編集長になり、田野さんがその後を継いだ。

常見:言論を発信するサイトで、著名人中心だが様々なブロガーの原稿を転載し、ブログ論壇を形成することを目指していたのだと思う。

中川:徳力基彦さん、かさこさん、イケダハヤトさんとか、著名なブロガーがたくさんいたね。田端さんの狙いが何なのかなと考えたんだけど、「ブログだからといってバカにするものじゃないぜ」ということを伝えたかったのではないだろうか。

ブログが果たした役割と世代交代と芸能人の強さの証明

常見:ブログって2000年代半ばにブレークしたような。堀江貴文さんがライブドアの社長だった時にライブドアブログが始まり、アメブロ、はてな、ヤプログ、ココログなど色々出てきた。「アルファブロガー」や「ブログ論壇」という言葉も出てきた。ブログという言葉が出る前から、僕のゼミの先輩である田口元さんの「百式」などもあった。そうだ、2000年代前半の百式に「今年はブログ元年」みたいなことが書かれていたような。そんな中、2009年頃はツイッターブームがあり、「ブログよもう一度」の空気感が出たと認識している。

中川:佐々木俊尚さんの『ブログ論壇の誕生』(文春新書)が出版されたのが2008年9月だったね。

常見:ブログは社会を変えたのだろうか。2009年以降、ツイッターなどに流れたような。あと、記事を書くのではなく、記事にコメントするというスタイルも出てきたわけで。コンポーザー、アーティストよりもDJがウケるような状態だとも言える。

中川:結局ブログは芸能人が一番強い、ということをアメブロが示したんだよね。

常見:中川は、出始めの頃から「芸能人最強論」を唱えていたよね。あとは、せいぜい一部の著名人ぐらいかな、という感じ。皆ツイッターに流れていったな。BLOGOSに関しては、橋下徹さんとかは、ツイートを複数転載して記事にまとめていたよね。だから「ブログによる論壇プラットフォーム」から広がりツイッター等も対象になり、さらにはオリジナルの記事も登場した。グラドルの倉持由香さんのコラムとか書下ろしがあったよね。

中川:オレの「今月のあっぱれ」もオリジナル記事だよ。

常見:そう考えるとBLOGOSは少しずつ変化していったなぁ、と思う。ただ、なんでBLOGOSをチェックしていたかと言われれば、自分のブログ記事が載るからなんだよな。ランキングが上がったら嬉しいな、とか炎上したら嫌だなとか、誰が売れているのかなとかをチェックしていたんだ。とはいっても、BLOGOSが果たした役割については一体なんだったのかは戸惑った面はあるよね。

BLOGOS開設があと5年早かったら……

中川:もしもブログが2000年代中盤同様、ネットの主流メディアになっていたらBLOGOSも勝っていたのかもしれないと思う。

常見:ツイッターが出てこなかったら勝っていたのでは。ポータルとして機能してたかもしれないね。

中川:はてなが2000年代中盤、一般人でも言論で社会を動かせる! という期待を抱かせてくれたが、あの頃にBLOGOSができていたらどうなったかな。

常見:確かに。ライブドアブログとかが来ていた時で、堀江さんや藤田晋さんが時の人になっていた頃。あの頃にBLOGOSができていたら違ったかもしれないね。

中川:あの頃にライブドア、はてな、アメブロ、ヤプログ、ココログ、全部組んでBLOGOSになっていたらどうなっていたかね。そのポータルがBLOGOSということ。いや、どうかな。各社の思惑もあるし、運営会社を巻き込むほどではなかったかもね。朝日新聞、読売新聞、日経新聞が組んで「あらたにす」というサイトを作ったけど見事に大コケ。とはいっても、BLOGOSだって今も存在している全国の地方紙と共同通信の記事を配信する「47NEWS」みたいなものになっていたかもしれない。

常見:Yahoo!は強かったがいわゆる「論壇モノ」ではない。BLOGOSは差別化できているわけだから、5年早かったら違ったかもしれない。思ったのが、気付けば中途半端だったんだよな……。質が高いのか低いのかわからないサイトになった。僕はたまにランキング1位とかを取っていた。最近もぶっちゃけ10~20分で書いたものがバズったりしていた。ランキングの下位には、明らかに有名な人がいた。そんなサイトであっていいのかとは思った。

中川:ランキング上位には、強いキーワードの記事が入っていたよね。たとえば「渡部建」とか「東出昌大」みたいな不倫した芸能人の名前が。なんだかんだいって、どのサイトでも芸能人とスポーツ選手ネタが強いんだよ。

常見:ウェブメディアの宿命だな。朝日新聞ですらその傾向があり、特に朝日新聞デジタルは「釣りタイトル問題」というものもある。

ブログとメディア配信記事の線引きの曖昧さ

中川:オレがかかわっているNEWSポストセブンもBLOGOSに配信させてもらっていたが、本当に渡部さんの記事が上位に行くんだよ。同じ時刻に多数の記事を配信するものだから、ポストセブンの記事がランキングトップ10に4記事入っていたりすることもあった。

常見:確かに。他のニュースサイトの記事が上位を占めたこと多かったよね。これ、ブログ関係ねぇ……。

中川:やっぱり、週刊誌の芸能関係記事って強いんだよ。

常見:ちゃんと取材して完成した週刊誌の記事を、ネット向けに調味料を入れて料理していたのが、中川のスキルだよね。

中川:自分が配信して言うのもなんだが、「ブログが負けたな……」みたいな感じはしてしまったよな。

常見:色々ネガティブな面は言ってきたけど、僕はやっぱり池田信夫さんが前面に出ていた頃のアゴラに声をかけてもらい、そこからのBLOGOSとのお付き合いには感謝している。ウェブメディアに顔を出すきっかけを作ってもらったわけで。自分を発掘してくれ、場を提供してもらった御恩ってのはある。だけど、最近のBLOGOSを見ていて、まず思ったのが「顔ぶれ変わらないなぁ……」ということ。そしてウェブのニュースポータルになった感じがする。

中川:これが、ブログをベースとしたメディアの限界なのかもしれない。著者が初期の頃からかわり映えしない。40代前半から50代後半の書き手が多いメディアって感じだが、それは仕方がない。若者がブログをやらないから、当然若者がBLOGOSにも入ってこない。

常見:僕のところには連合の会報誌が届いていて、少し前にメディアとの接触に関するデータが載っていた。若者はネットニュースですら見ず、YouTube、SNSの影響力が強いんだよね。何かを書くにしても、noteという意識高い系ブログ×SNSサービスで書いている。ただ、noteもピークは2年前といった感覚があるけど……。とはいっても、課金できるのは画期的だよね。

中川:ウェブ界隈って「今はこれが来ている!」の歴史なんだよ。2000年代後半なんて「セカンドライフがすごい!」「Evernoteはヤバい!」「Pinterestの時代だ!」とかずっとやってきたじゃん。そして昨年は「Clubhouseは最高だ!」となった。いずれも盛り下がったけど、ウェブの新しいサービスが来たら、ガジェット系メディアやライターがそれらがいかにすごいかを書きまくる傾向がずっと続いている。

常見:ウェブメディアって、東洋経済オンライン前編集長の武政秀明さんが言っていた、「記事はイカにたとえると、イカソーメンなのか、アタリメなのか、生モノか味わい深い後まで読まれるものか」といったものが混在するようになっているよね。最近感じたのが、ニュースに寄っているサイトと、オピニオン・解説記事に寄っているサイトという色分けが鮮明になっているような気がする。プレジデントオンラインはオピニオンサイトに寄った感じがする。文春オンラインはスクープもあれば解説もオピニオンもある総合的なサイト。東洋経済オンラインはますます信頼できる経済ニュース、解説記事に寄っているな、と思った。速報ものは新聞社、ニュースポータルってことだね。あくまで読者視点での感覚だけれど。

消耗戦のネットメディア界隈への諦観と撤退戦略

常見:ところでなんで中川はウェブメディアの編集をやめたの?

中川:ウェブメディア編集、みんなきついんじゃないの。オレはもう耐えられなかった。

常見:身も蓋もないようで、本質を突いた意見だな。

中川:今、何が流行ってるかでしか勝負できない。ウクライナ、コロナ、新庄……似たようなものばかり出ざるを得ない。テレビのコタツ記事がやたらと多いし、それは当然の帰結。テレビって最強の世論形成ツールであり、それをベースとするとPVが取れるからね。

常見:朝日新聞ですらコタツ記事的なものが増えている。本紙に載るようなものですら。CLP騒動(ネット番組配信サイト「Choose Life Project」が立憲民主党から1000万円以上の資金提供を受けていた問題)の頃は、知っていて書かないのか、取材してないのか、コタツ記事レベルのものもあったんだよ。朝日新聞に期待するレベルではなく、取材が弱いなと思った。この前コメントしたのだが、「高校生がもう大学生にまじって就活をしている」という見出しがあったんだ。これだけ見ると、「危機感を持った高校生が4年後を目指し、すでに就活をしている」と読めるわけよ。

でもこれ、「高校生が参加しているとの声もあった」という担当者のサンプル数1のコメントをベースにしたタイトル。中身はきちんとした就活の記事だが、「高校生も参加した」という一言で見出しにしてしまう。ダメだこりゃ、と思ったね。テレビも週刊文春がネタだったりする。週刊文春に関してああだこうだ井戸端会議をするバラエティ番組、さらにそれを話題にするメディア。

中川:完全にエコシステムだな。

常見:きついな。これ以上どう伸ばすかだと、労働集約型にするか、AIか何かを利活用するしかないんだよ、きっと。さっき、「ウェブメディアの編集がきついからやめた」と言ったけど、もう少し教えて。

中川:とにかく毎日数字を気にするのがイヤだったんだよ。参入障壁の低さからライバルが増えるだけ。一応オレも2006年から編集の仕事をやっているから、先駆者として華々しく終わりたかった。50歳になったら明らかにセンスとかも衰えるから、自分が落ちる時にその現場にいたくなかったんだ。いかに早くテレビネタやSNSの著名人の過激発言を基にしたコタツ記事を出すかの勝負になっている。こんな勝負はできない。

常見:中川は『ウェブはバカと暇人のもの』(光文社新書・2009年)で伝説を作り、ウェブメディア編集者として名を馳せ、これから先は数字地獄だしね。いい時期の引退だったな、と思ったよ。

ダサい、ナウい、という価値観による栄枯盛衰

常見:BLOGOSのサービス終了について、サイトには詳しく書かれていないが、やっぱり存在意義が揺らいだのかな、と思った。Yahoo!とLINEの経営統合の中のドラマなのかなともね。Yahoo!という巨大サイトの中で、オピニオンの位置づけって何なんだろう。Yahoo!ではオーサーとか「Yahoo!ニュース個人」とかあるけど、Zホールディングスはすでオピニオンを出すプラットフォームがあるんだよね。となった場合、BLOGOSの位置づけが揺らいだのでは、なんてことも考えてしまう。

中川:BLOGOSについては、「あなたのブログ宣伝します、あなたのサイトに戻すからアフィリエイトでバンバン稼いでくださいね!」という意義があったと思う。でも、今ブログのアフィリエイトは盛り上がっていない。むしろ、Yahoo!ニュース個人で得られるPVに応じたインセンティブの方が著者にとっては「おいしい」のではなかろうか。

常見:率直に、BLOGOSって儲かるのかどうかが問われたのではないか。J-CASTニュースの記事を読むと2000万PV、マンスリーユーザー数は500万人ぐらいだったんだって。今の時代、2000万って、そこまで多くない。LINEグループの選択と集中ってことでは。経営判断としてこの事業は儲からない、と考えたのかも。

中川:まぁ、結局、儲かるか儲からないかの話なのかもしれんな。最近見たのが、プレジデントオンラインの『ついに始まった若者のインスタ離れ…親世代が使うSNSを「ダサい」と切り捨てるワケ』という記事なんだよ。そこにこんな記述がある。

パイパー・サンドラーの調べでは、2021年秋時点で、Z世代のうち10代が使っているSNSのトップはスナップチャットで35%、2位はTikTok(30%)、3位インスタグラム(22%)、4位ディスコード(5%)、5位のフェイスブックは2%という結果が出ている。また別の調査では、2019年以降に10代のフェイスブックユーザーは13%減少し、今後2年で45%減るという予測もあるほどだ。

結局、親世代が使っているものはダサいってことで、次々と「流行るウェブサービス」が変わっていくのが伝統だよね。

常見:1985年ぐらいにアメリカでペプシがコカ・コーラに一瞬勝った。当時の若者はコカ・コーラを飲むのはダサい、ペプシはナウい、という感覚を持ったのだろう。と考えると、今の若者からすれば、フェイスブックとインスタグラムさえ古い、ということになるのも頷ける。ブラウザベースのネットはもちろん、一部のサービスがオワコン感がある。世代の分断があるよね。

中川:ブログにしても、吉本興業がやっていた「ラフブロ」を含め、ヤプログ!も終了した。

常見:僕は個人的にはライブドアブログが終わったら困る。20年近く書き溜めたものがあり、HPとも一体化している。HPの投稿フォームとしてもライブドアブログを使っている。いつかなくなる日が来るのは覚悟しなくてはいけないね……。

中川:ネットのサービスって年賀状的になるかもしれないよね。「年賀状は今年でやめます」みたいな宣言をする人がいるじゃん。「今年でフェイスブックやめます」とか言う人も出てくると思う。

常見:僕は年賀状について、やめるのではなく、年によって書くか書かないか分けることにした。何か手紙で伝えたい時だけやる。まぁ、色々話したけど、最後にBLOGOSに言いたいことは?

中川:とにかく感謝しています。田端さん、大谷さん、田野さんをはじめ、編集の永田さんや、村上さん、さらにはかつてバイトしていた久住さんとかも。場をいただきありがとうございました。

常見:僕も同じだな。感謝しかない。大谷さん・田野さんを含め、数々のスタッフにお世話になったし、編集部があったミライナタワーにも何度も行ったな。こうやって活動の場が一つ一つなくなる状況を考えると、世代交代が迫ってるなという気がする。とにかくおつかれさまでした!