直接対決で明暗。クルブ・ブルッヘが逆転で3連覇。ユニオンは2位で終了

写真拡大

 5月22日に行われたチャンピオンシッププレーオフ最終節をもって、2021-22シーズンのベルギーリーグが終了。クルブ・ブルッヘが逆転で3連覇を飾った。

クルブ・ブルッヘが逆転優勝

 今季は三笘薫と町田浩樹が所属するユニオン・サン・ジロワーズ(以下ユニオン)がレギュラーシーズンを首位で快走し、主役となった。リーグ最高の2トップであるドイツ人FWデニズ・ウンダブ、ベルギー代表FWダンテ・バンゼイルのゴールラッシュが原動力となって一時は9連勝を飾り、2位以下に勝ち点10差をつける快進撃を見せていた。

 2部から昇格したばかりのユニオンの奇跡の優勝を期待する声は高まっていたが、プレーオフに入り、第3節、第4節の2位クルブ・ブルッヘとの直接対決で連敗を喫した。この直接対決での敗戦が響き、ユニオンは2位で終了。3位アンデルレヒトに連勝を飾ったことで2位をキープし、来季のUEFAチャンピオンズリーグ予選出場を決めたものの、悔いが残るプレーオフとなった。

 クルブ・ブルッヘは2019-20シーズンから3季連続優勝を飾った。今季は序盤から上位をキープしたものの、快進撃を続けるユニオンに首位独走を許した。1月には2年半チームを率いたフィリップ・クレマン監督がモナコへと引き抜かれ、3連覇は難しいと見られていたものの、オランダ人のアルフレド・スルフーデル監督がプレーオフで勝負強さを発揮し、4勝2分でユニオンを逆転した。レギュラーシーズンには37失点を喫したが、プレーオフではベルギー代表GKシモン・ミニョレ中心に堅守を築き、わずか2失点と大きく向上させた。

連敗が響いたユニオン

 ユニオンはレギュラーシーズンでは最多得点最小失点と圧倒的な成績を残した。2015-16シーズンにプレミアリーグを制したレスターと比較されるなど大きく期待されたが、ベルギーリーグ特有のプレーオフシステムを乗り越えることはできなかった。

 ターニングポイントとなったのは、プレーオフ第3節クルブ・ブルッヘとのホームゲーム。ゲームを押し気味に進めて前半はクルブ・ブルッヘを枠内シュート0本に抑え込み、先制ゴールを決める流れになっていた。

 しかし、55分にPKのチャンスを得たものの、バンゼイルのシュートがゴール左へ逸れてしまいPK失敗。この後、74分にクルブ・ブルッヘのベルギー代表MFハンス・ファナーケンにこの試合初となる枠内シュートを決められると、試合終了間際には16歳のFWアントニオ・ヌサにも初ゴールを奪われダメを押される。第4節のホームゲームでは再び完封勝利を献上し、逆転優勝を許してしまった。

 2021-22シーズンの主役は紛れもなくユニオンだった。アンデルレヒトとのブリュッセルダービーでは4連勝を飾り、スタンダール・リエージュ、ヘンク、ヘント、シャルルロワなどを圧倒的な攻撃力でねじ伏せたものの、クルブ・ブルッヘとの直接対決では4試合で1分3敗と苦戦を強いられた。

 ほぼ完璧なシーズンを送ったが、直接対決での相性の悪さが大きく響き、奇跡の優勝を逃した。

Photo: Getty Images