「とちおとめ」面積トップ 国内イチゴの24% 育てやすく加工向き

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 促成イチゴの国内栽培面積の4分の1は「とちおとめ」――。栃木県農業試験場いちご研究所が初めて行った調査でこんな結果が出た。2020年産の促成栽培イチゴの品種別作付面積を調べ、最多の「とちおとめ」が24%を占めた。同研究所は「栽培しやすく加工の需要もある。育成者権が切れていることもあり広がっているのではないか」とみる。

 イチゴの生産状況を把握するため、21年6〜8月に全都道府県から品種別作付面積を聞き取り、調べている県(面積は44、品種の割合は37)のデータをまとめた。調査対象は冬(11、12月)から春(5月)に収穫するイチゴとした。

 全体の作付面積3005ヘクタールのうち、栃木県育成の「とちおとめ」が最多の731ヘクタールとなった。次いで福岡県の育成品種「あまおう」が308ヘクタール(作付面積全体の10%)、3位は静岡県の育成品種「紅ほっぺ」で253ヘクタール(同8%)と続いた。

 生産する都道府県の数が27と最多だったのは「紅ほっぺ」。次いで16で静岡県の農家が育成した「章姫」、3位は14の「とちおとめ」だった。

 一方、一つの都道府県でだけ栽培する品種も25あった。都道府県の育成品種が19品種と多く、作付面積の上位10品種にも「あまおう」や佐賀県育成の「いちごさん」、熊本県育成の「ゆうべに」が入った。栃木県でも県内限定の品種があることを踏まえ、県は「県の指導が行き届く範囲で栽培してほしいと考えているのではないか」と話す。