1986年に公開された映画『トップガン』で主演を務め、トップスターの仲間入りを果たした俳優のトム・クルーズ(59歳)。同作をはじめ、『ミッション:インポッシブル』シリーズなどでも手に汗握る過激なアクションを自ら演じている。そんな彼がスタントを始めたのは、なんと4歳の頃だったと明らかに!

自身の出世作の続編となる『トップガン マーベリック』(日本では5月27日公開)が、カンヌ国際映画祭で特別上映されるのにあたり、5月18日(現地時間)、同映画祭のレッドカーペットに30年ぶりに登場したトム。

また同日には、過去にフランス人女優カトリーヌ・ドヌーヴや俳優アラン・ドロンなどが受賞した名誉賞「パルム・ドール・ドヌール」がトムに贈られるというサプライズも。

さらに同映画祭のパネルディスカッションにも参加したトムは、自身が数々の作品で魅せるスタントの原点は4歳のときだと明らかに。

「4歳半くらいのときだったと思いますが、空中に放り上げるとパラシュートで降りてくる人形がありました。それを木の上から投げて遊んでいたのですが、『自分もやってみたい』と思うようになったんです」「ベッドのシーツをロープ代わりにして、軒から屋根に登ったのを覚えています。母がキッチンにいるのを横目に、私は屋根から飛び降りたんです」

子どもながらにスタントの才能の片鱗を見せたトムだけれど、飛び降りた直後に後悔したことがあったとも告白。

「屋根から飛び降りた瞬間に、『ダメかもしれない。マズい。死んでしまう』って思いました。そして私は、地面に激しく叩きつけられました。幸いなことに、地面が濡れていたから大丈夫だったものの、どうしてこうなったか分からなかったんです」「けれど地面にお尻を打ち付けたとき、頭が足を通り越したのに気付いて…。そのとき初めて、昼間なのに星を見ました。『これは面白い』と思って空を見上げたのを覚えています」

そしてシーツを汚してしまったことで、母親に怒られるのが怖かったとも振り返ったトム。そんな彼は、このときの経験を将来にどう生かすか考えていたことも明らかに。

「今私は映画の現場にいるけど、幼い頃は梁によじ登ったり、一番高い木に登ったりするような子どもでした。それらを続けることを望んでいたものの、どうすればこのスキルを伸ばし、ストーリーやキャラクターの一部にできるのだろうかと考えていましたね」

またトムは、映画のためにダンスや歌のレッスンを受け、さまざまなスキルを身に付けていったとも語った。

「『なぜ自分でスタントをするのか』という質問に答えるとするなら…ジーン・ケリーに『なぜ踊るのか?なぜ歌うのか?』と聞いた人はいないでしょう? もし自分がミュージカルをやるなら、歌いたいし、踊りたい。そして、それが自分ならどうできるかを見てみたいんだ」

さらにCG画像を使用することなく、俳優として本物のアクションを見せることにこだわってきたトムは、『トップガン』の続編公開に30年以上もかかった理由について次のようにコメント。

「『トップガン』の続編については、『なぜ36年もかかるのか』と言われましたね。1986年の時点ではまだ準備ができていなかったんです。スタジオがすぐに続編を作りたがったのを覚えていますが、私は『やりたくない。アーティストとして成長する必要がある。映画とは何かを理解する必要がある』と言いました」「そして『ミッション:インポッシブル』を通して、続編を作ることで観客と対話ができると学びました。そんなことができるなんて思ってもいませんでしたね」

続編を作るためにどうすればいいのかと、自分に問い続けてきたというトム。同作のプロデューサーであるジェリー・ブラッカイマーや脚本家のクリストファー・マッカリーとも何年もその話をし、どうしたら今の観客が続編にふさわしいと思ってくれるかをすべて書き出したそう。

その結果、続編公開までにかなりの時間を要したとも明らかに

そして待望の『トップガン』の続編製作のためにトムや共演者たちは、航空サバイバル・トレーニングのカリキュラムを受講。超音速ジェット機での訓練も行ったという。

さらに重力に耐える訓練を受け、実際に本物の戦闘機で空を飛んだと言われているトムは、カンヌ国際映画祭のインタビューでCG画像を使わない理由について次のようにコメント。

「何年も前から『CGで映画を撮れないのか』と言われ続けてきましたが、私はいつも『経験上無理だ』と答えてきました。『正しいストーリーを見つける必要があり、そして適切なチームが必要。この映画は、銃弾で銃弾を撃ち落とすようなもの。遊びじゃないんだ』とね」

リアルな演技を追求するからこそ、多くの人に感動を与えることができるトム。そんな彼の今後の活躍も楽しみですね!