主演映画『大河への道』初日舞台あいさつに登壇した中井貴一

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 中井貴一が20日、都内で行われた映画『大河への道』(公開中)初日舞台あいさつに登壇し、撮影中に起きたまさかの事態を明かした。この日は、松山ケンイチ、北川景子、岸井ゆきの、和田正人、田中美央、中西健二監督も来場した。

 本作は、立川志の輔の新作落語「大河への道−伊能忠敬物語−」の映画化。現代と200年前の江戸時代を舞台に、日本で最初の実測地図を作った伊能忠敬が主役の大河ドラマ制作の行方と、日本地図完成に隠された秘密を描く。

 企画から携わる中井は「6年の月日がかかって、今日初日に至りました。俳優としてだけで出るとき以上に昨日は緊張もしましたし、今日皆さんのお顔を拝見することができてホッとしています」と胸中を吐露。コロナ禍での撮影だったこともあり、北川は「みんなで協力をして一つの映画を作り上げることと作品の内容がリンクしまして、人が心を通わせて力を合わせれば、一つの大きなことを成し遂げることができるんだ……と勇気をもらいました」と充実した表情をのぞかせた。

 そんな撮影の苦労が伝わるエピソードの一つを中井が紹介。撮影は昨年8月に京都で行われたそうで、中井は「基本的に京都の夏に時代劇を撮るのは、暑さが尋常ではないので無謀と言われている」と打ち明けつつ、「コロナの関係で行かざるを得なくなった」と説明。しかし昨夏は雨が多く冷夏となり「今までの京都にないくらい気温が上がらず過ごせた」と安堵する一方、「その代わり雨ばっかり。しかも台風が来る状況下での撮影で、1日でも撮りこぼしたらコロナ(の関係もあるの)で中止になるので、全員ヒヤヒヤだった」と振り返る。

 その中で1日だけ台風の中での撮影があり、中井は「風でカツラが飛ぶのは初めての経験でした」とキャリア史上初の出来事を告白。「(頭部だけがスクリーンに)映ったら、何が飛んだ!? ということになっちゃう」と苦笑いした。そうした悪天候のため、中井は中止を考えるものの、カメラマンは「こんな絶好ないです」とノリノリ。続行して撮られたシーンは「緑がたくさんあり、すご〜い風吹いてんな」と誰もが思うところだとか。

 イベントの最後は鏡開きで初日を祝うも、誰かの小槌が当たって樽が割れるハプニングが発生。和田は「割れてないです。何も起きてません!」とごまかし、「撮らないで!」と制して会場の笑いを誘っていた。(錦怜那)