カブス・鈴木誠也【写真:ロイター】

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4回1死三塁から、筒香嘉智の右犠飛を“阻止”

■カブス 7ー0 パイレーツ(日本時間18日・シカゴ)

 カブスの鈴木誠也外野手が17日(日本時間18日)、本拠地でのパイレーツ戦に「4番・右翼」で出場。5試合ぶりとなる2点適時二塁打を放ち、4打数1安打3三振の内容。守備ではメジャー初の補殺を記録し、好守で7-0の完封勝利に貢献した。

 試合後、カブスのロス監督は鈴木の補殺が勢いを付けたと称賛した。

「セイヤは素晴らしい送球をした。戦うエネルギーを一気に高めてくれたプレーだった」

 広島時代に5度のゴールデングラブ賞を手にした鈴木が、肩で魅せた。メジャー初の補殺を決めたのは1点リードの4回表。1死からパイレーツの「4番・指名打者」ボーゲルバックが左翼線への三塁打で出塁。この好機で筒香嘉智に2打席目が回った。カウント1-1からの3球目、内角速球を捉えた打球はほぼ定位置へ上がったが、リグレー・フィールド特有の風が影響し、鈴木は最後、右翼線へと動いて捕球。落ち着いて本塁右前で構える捕手コントレラスにストライク返球。走者のボーゲルバックを刺し反撃の芽を摘んだ。

自己ワーストタイ3三振…試合後は室内練習場で打ち込み

 鈴木の肩であればダイレクト返球もイメージできる距離ではあったが、右へ動いての捕球でコントレラスはワンバウンドを予想して構えていたと言う。この上ない位置で弾んだ捕球しやすい送球を笑顔で振り返った。

「さすがにあの体勢からだとノーバウンドで投げる力は出せない。だからワンホッパーで返してくると思っていた。走者の足にタッチしやすいところにピタリとボールが来たからね。あのプレーで、彼が日本で何度もゴールドグラブを獲っているのがよく分かったね」

 試合前に笑顔で談笑した筒香の犠飛を阻止した鈴木。気分よく迎えたその裏の第2打席で、初球を振り抜いた。無死一、二塁の場面で、相手先発右腕ブルベイカーの外角から中へ入る甘めのシンカーを狙いすましたように振り抜き、左中間を破る2点二塁打を放った。1試合2打点以上は、4月12日の敵地でのパイレーツ戦以来29試合ぶりとなった。

 長打で5試合ぶりの打点を挙げた鈴木だったが、他の打席はすべて空振り三振。4月21日のパイレーツ戦以来となる自己ワーストタイの3三振を喫した。試合後は室内練習場で打ち込みを続け、クラブハウスが締まる前に鈴木が戻ってくることはなかった。(木崎英夫 / Hideo Kizaki)