ミニマリストで整理収納アドバイザーのおふみさんが、シンプルに心地よく暮らすコツをご提案。今回は、キッチンになんとなく置いている人も多い水きりカゴと三角コーナーについて。おふみさんがそれらを手放した方法と、「なくてもいけるのでは?」という考え方について伺いました。

水きりカゴと三角コーナーを捨てる方法<おふみの暮らし絵日記・第6回>

「なくても大丈夫だったものってありますか?」
少ないもので暮らしているためか、雑誌の取材などでよく聞かれる質問です。

<写真>自宅のキッチンの水きり棚

なくても大丈夫だと、その存在自体を忘れてしまうんですね。なので毎回うんうん言いながら、汚部屋時代を思い出します。
頭の中の左側に汚部屋、右側に今の住まいを映写機みたいに映し出して、今の住まいにないものをピックアップして答えています。

今日はなくても大丈夫だったキッチン用品についてお話したいと思います。

 

●実家にあったものは「あって当たり前」と思いがち

わが家には三角コーナーと水きりカゴがありません。どちらも手放してから丸7年たちましたが、とくに困ったことがありません。

実家にあったものって、家にあって当たり前だと刷り込まれているもの。私も実家を出て4年ほどは、この2つを持っていました。

三角コーナーに、料理で出たゴミや食べ残しを捨てる。洗い物についた食べカスは、排水口のゴミ受けに流れていく。

夏場なんかはゴミを放置するとすぐに虫が湧くので、毎晩ゴミを捨てます。三角コーナーと排水口、2つの排水ネットを捨てることになります。

そのときに毎度「一日に2つもネットを消費するのがもったいないな」と考えていました。

2014年のある日、汚部屋を脱したいと思っていろいろブログを読み漁って知った「ミニマリスト」という人たち。当時はこの言葉も全然普及しておらず、初めて知る単語でした。
そして、あって当たり前だと思っていたものを手放して、少ないもので身軽に暮らしている人がいることを知ったのでした。

当時は部屋にものがあふれて足の踏み場もなく掃除機もかけづらいほどで、なにから捨てていいかわからずにいました。
ミニマリストの暮らしを参考に、なくても大丈夫なものがあるのではないかと思い、部屋を改めて見直してみて、三角コーナーがなくても暮らせるのではないかと気づきました。

●三角コーナーをしまってみたら、案外なくても生活できた

料理中に出たゴミは、ビニール袋を出しておいてそこに捨てる。食べカスは今まで通り洗いながら排水口ネットへ流す。洗いものが終わったら、そのビニール袋に排水口ネットを入れて、口を結んでゴミ箱へポイ。これなら三角コーナーが必要ありません。

しばらく三角コーナーをシンクから外して、シンク下にしまい、お試しで「なし生活」を送ってみましたが、案外問題なく暮らせました。

引っ越しを機に思いきって手放してみましたが、それから7年間今日に至るまで、三角コーナーを買い直したいと思ったことはありません。なくても全然問題なかったです。

●じつは貴重なキッチンの作業台スペースを占拠していた水きりカゴ

水きりカゴもあって当たり前だと思っていましたが、こちらもなくてもいけるのではないかと思って、まずは試しになしで生活してみました。

対面キッチンの物件を選んでいないおかげというのもありますが、キッチンのつり戸の下に金網の水きり棚がついているので、ここで食器の水をきることができます。

大量に持っていた食器を見直して数をぐっと減らしたことで、一回の洗い物の数が少なくなり、水きり棚に十分収まります。

わが家で持っていた水きりカゴは小型食洗機くらいのサイズがあり、貴重なキッチンの作業台スペースを占拠していたのですが、これがなくなってみるとぐっと料理がしやすくなりました。
こちらも引っ越しを機に手放してみましたが、「やっぱり必要だ」と思う場面はありませんでした。

●「なくてもいけるかもレーダー」で部屋中を照射してみる

あって当たり前だと思っているものも、「なくてもいけるかもレーダー」で部屋中を照射するような気持ちで見回してみると、「あ、これ案外なくてもいけそう」というものがあぶり出されます。

試しに1週間なり1 か月なり期間を決めて、お試しで「なし期間」を設けてみるのもおすすめです。なくても大丈夫だという納得感をもって手放せます。

もちろん部屋の間取り的に、対面キッチンで水きり棚がないから水きりカゴは必須、など各家庭ごとの事情があると思います。
ですが、あって当たり前だと思っているものを「なくてもいけるのでは?」と一度疑ってみるのはやって損はありません。
なにから減らしていいかわからなくて悩んでいる方にはとくにおすすめです。