競馬の「穴狙い」について語るじゃい

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あらゆるギャンブルに精通し、どんな場面でも貪欲に勝ちを狙う男・じゃい。馬券でマンションを買ったという芸能界屈指のギャンブラーが、人生を勝ち抜く極意を教えます。           

【今週のお悩み・第2回】昔からギャンブルが好きです。以前に大穴を当ててからというもの、買い目が穴狙いになってしまいました。年に数度大きく当たるのですが、収支はもちろんマイナスです。でも、堅実な馬券を買う気にはなれません。勝つ方法を教えてください。(40代男性/ライター)

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まず、この質問に違和感を覚えます。「穴狙いになってしまいました」「もちろんマイナスです」など、まるで穴狙いが悪い、穴狙いでは勝てないという言い方です。

僕は基本的に、競馬は穴狙いの方が勝てると思っています。

それは何故か? 買う人のほとんどが「当てたい」という気持ちが強いからです。すると、どうなるか? 穴は買いづらくなるんです。

当然、人気馬がくる確率の方が高いでしょう。しかし、期待値的にはどうでしょうか? 外したくない人は人気馬を買います。そうなると、必然的に穴馬のオッズが上がるので、穴は確率は低くてもリターンが大きくなるのです。

例えば、2回に1回勝つ馬の単勝が2倍で、10回に1回しか勝てない馬が20倍なら、皆さんはどちらに賭けますか? 「的中率」は前者の方が高いです。しかし「回収率」は後者の方が高くなります。最終的にどちらが稼げるかは一目瞭然です。

もちろん、なんとなく穴を買っても勝てません。来る穴を見つけること、来ない人気馬を見つける精度が求められます。

穴馬を見つける感覚は、「可愛くはないけれど性格のいい子」を見つける感覚です。馬を見る目、オッズのズレを察知する千里眼が必要ですが、これは努力や研究で手に入れることが出来ると思います。

先日のヴィクトリアマイル。結果はソダシが1着、ファインルージュが2着、レシステンシアが3着という結果でした。

当たった皆様おめでとうございます。僕の予想は玉砕しました。

まず、ソダシを買っていませんでした。僕の予想に乗った方には大変申し訳ない気持ちですが、全く後悔はしておりません。なぜならソダシが勝つ可能性は想定内だからです。

だったら買えばいいじゃないか!と思われるかもしれませんが、ソダシの人気はソダシが来る可能性と比較して、買わない方が得だと思ったのです。つまり、期待値が低いと判断しました。

わかりやすく言えば、2回に1回勝つ馬の単勝は2倍以上が必要で、1.5倍なら買わない方が長い目で見たら得をするという考え方です。

僕の想像以上にソダシは強かったですけどね。ちなみに同様の理由でデアリングタクトも1円も買っていません。

ちなみに、僕の本命のレイパパレは12着で負けました。今回の予想は大外れなので、この相談に何の説得力も生まれないでしょうが(笑)。


今週のギャンブル格言【負けることを恐れるな】

ただ、馬券を買う人はそこまで深く掘って買うことは少なくて、最近の成績を重視しがちです。僕は穴馬を見つけるのが好きなのでとにかく探しますが、そういう人は多くないのです。人よりも深く考えることで、他の人には見れない景色が見えて来ることがあると思います。

そして「堅実な馬券を買う気にはなれません」と言いますが、堅実な馬券とは何でしょうか? 堅い馬券ということでしょうか?

堅実な馬券なんてないと思って下さい。堅い馬券や本命党の人でも勝つことは出来ると思いますが、当然人気馬は沢山の人が買います。オッズも低いです。そうなると、プラスにするためには80〜90%くらいの的中率が必要になります。そこまでの精度で見極められるのなら、人気馬狙いでも勝てる可能性はあるでしょう。

穴党、本命党の2種類で考えずに、穴党なら穴を極める、本命党なら本命を極める、バランス型なら競馬を極める。

これができるようになれば、勝てる可能性も増えていくと思います。

じゃい

1972年生まれ、神奈川県出身。97年にお笑いトリオ「インスタントジョンソン」を結成し、ネタ作りを担当。芸能界随一のギャンブラーとして知られ、過去には4432万円の馬券を的中させたことも。「稼ぐギャンブル」(太田出版)など著書も多数   

構成・撮影/キンマサタカ

【画像】じゃいの「今週のギャンブル格言」