最終節では5−1と快勝をおさめたものの、その直後にボルシア・メンヒェグラードバッハは、アディ・ヒュッター監督の解任を発表した。ただここ数ヶ月の動きをみていれば、今回の決定は決して驚きを覚えるようなものではないだろう。とりわけ木曜日の会見の席にてローランド・ヴィルクスSDは、ヒュッター監督の去就に関する明言を避けていたのだ。

 わずか1年での別れという決断について、ヒュッター監督は「何度も集中的に話し合いを重ねていった結果、我々は互いの道を分かつということで合意していた。今日はグラードバッハでの最後の試合だったんだ」と、スカイに対してコメント。「ただ思惑通りに事は運ばなかった」と言葉を続け、それでも「クラブの明瞭さ、誠実さ、オープンさには感謝している」と述べている。

 一方のヴィルクスSDは「この決断が双方にとって正しいものであると同意している。これからの我々の仕事はこの状況からの答えを導きだし、6月終わりに新しい体制で、新シーズンに向けて適切な対策をスタートすることだ」と語った。なおパイティンガー、ロイタースハーン両ACも退団するという。

 昨夏に750万ユーロという高額の移籍金で迎え入れられていた同氏だったが、なかなかそのプレー哲学は浸透せず、ローゼ前監督時代から引き継がれた負の遺産、失点数は壊滅的でシーズンを通して改善をはかることができていない。さらにロッカールームにおけるチーム内の雰囲気も決して良好ではなく、一部の選手との亀裂も伝えられていた。


 ボンホフ副会長は後任人事について、時間をかけじっくり吟味していくことをkickerに強調したが、ただ守備の立て直しやチームの安定化といった部分から、ルシアン・ファヴレ監督の復帰の可能性が取り沙汰されているのは偶然ではないだろう。2020年12月にドルトムントを解任されて以降、スイス人指揮官はフリーの状況が続いており、とりわけ残留争いから欧州リーグ常連組へと変貌させた実績含め、グラードバッハを知り尽くしているという点でもメリットだ。