バイデン米大統領=whitehouse.govから

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(ワシントン中央社)米共和党の下院議員9人が12日、日韓を訪問する予定のバイデン大統領に対し、台湾への訪問検討を呼び掛ける書簡を送ったことが分かった。

バイデン氏は20〜24日の日程で日韓を訪問する。書簡は、トム・ティファニー氏、スコット・ペリー氏らが連名で送付した。

書簡では、中国との外交関係樹立に踏み切ったカーター政権時代の1978年に、バイデン氏が上院議員だったことに触れ、同氏は米国側の前提が「北京が台湾との対立について平和的な解決を約束すること」だということを分かっているはずだと指摘した。

その上で、中国はこの約束に背き、挑発的に軍用機を台湾の防空識別圏(ADIZ)に進入させながらも、何ら懲罰を受けていないと批判。バイデン氏の発言を引用し、北京の行為は「地域の平和と安定を脅かす」、「脅迫的だ」と不快感を示した。

またバイデン氏の議員時代には米国が台湾に対して防衛に十分な武器を提供することを呼び掛ける「台湾関係法」が成立したことに言及。だが、最近になり、提供の遅れを一部メディアが報じたことに懸念を示し、台湾と米国の他地域のパートナーに対して誤解を招くメッセージを伝えることになると警鐘を鳴らした。

同法では米国と台湾の強固な経済協力関係を築くことを呼び掛けていながらも、キャサリン・タイ通商代表部(USTR)代表は先月「インド太平洋経済枠組み」への台湾受け入れの確約を拒否した他、バイデン氏は台湾との自由貿易協定(FTA)の交渉を進めていないと強調。「中国が台湾を孤立させるいじめを助長または奨励することを懸念している」とした。

書簡は、米国の台湾に対する約束が「盤石」であることを示すためには、バイデン氏自ら台湾を訪問して、蔡英文(さいえいぶん)総統と米台の安全保障と経済パートナー関係をいかに深めるか議論すべきだと訴えている。

(徐薇婷/編集:齊藤啓介)