2021年10月に1万個のNFTがミントされ、瞬く間に大人気となったDoodles(ドゥードゥルズ)。見ているだけで楽しくてピースフルになれるアートワーク自体、他とは異って目を惹くものだし、あくまでもコミュニティ主導にこだわったアプローチの方も、多くのデジタルアートのアバターだけのNFTとは一線を画している。3人のファウンダー、アーティスト/イラストレーターのBurnt Toast、CryptoKittiesのプロジェクトに参加していた元Dapper labsのPoopieとTulipに話を聞いた。

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・技術的な限界を乗り越えて、世界のどこにいても、誰もが楽しめるアート

ーTulipとPoopieはCryptoKitties(世界初の猫をモチーフにしたコレクティブルNFT)で働いていた経験をどのように活かしながら、Doodlesを立ち上げたのですか?

Poopie 僕が経験から学んだ最大のレッスンは、ユーザー体験と分散型のバランスを取りつつ、コレクターが楽しめるヘルシーなコミュニティを育てることになるね。その経験をDoodlesでは活かしている。

Tulip CryptoKittiesではユーザーが安全で楽しくテクノロジーを使って交流できるように、ユーザーに学ぶ機会を与えたかった。Doodlesのアプローチも似ているんだ。NFTと暗号通貨をなるべく最高の形でマスに開かれたものにしたいし、技術的な限界を乗り越えて、世界のどこにいても、誰もが楽しめるアートを提供したいんだ。

ーアーティストとしては、NFTのどこに魅力を感じましたか?

Burnt Toast 一つは、歴史上初めて一点モノのデジタルアートを販売することができる点だね。二つ目は、ファンアートが急増したことだ。NFTの世界に入るまで、これほど多くの人がファンアートをやったり、コミュニティに入ったりするのを見たことがなかったからね。

ーDoodlesを立ち上げた時はどのようなアイデアがあったのですか?

Tulip Burnt Toastのことはインスタグラムで4年ぐらいフォローしていたんだ。彼が2021年初めにNFTをミントした時、問い合わせて実際に1個購入もしたよ。そこから会話が始まって、アーティストを支援するブランドでGIFを制作するプロジェクトを一緒にやることになったんだ。Burnt Toastの小さなGIF画像から多くの情報が伝わってくるのがスゴく印象的で、彼は複雑な情報でも親しみやすく、楽しく、美しい方法で伝えられるアーティストだっていうことがわかったんだ。Poopieとは、CryptoKitties時代の2018年にNFTプロジェクトの話を始めたんだ。いろいろなコレクションをチェックしながら、CryptoPunksを90ドルで購入して120ドルで売ったりもした。僕たちは今までのアートのマーケットとクリエイターがこのテクノロジーからどのように利益を得るのかという話もしたし、NFTという新しいキャンバス上にアートを作るという考え方が気に入ったんだ。2021年1月にコミュニティ・ベースのNFTプロジェクトのアイデアをPoopieと一緒に考えて。ビジョンが決まって、プロジェクト運営のアイデアが出てきた時点で、次にやることはアートだった。僕はBurnt Toastの最初の10枚のレンダリングを見た時に、すぐに特別なものを感じて興奮したんだよ。ちなみに、Poopieと僕がBurnt Toastと直接会ったのは、Doodlesのローンチ後になるんだ。

ーDoodlesはアートとして見ても、他のNFTと違っていて、楽しい雰囲気でカラフルで、動物のキャラクターを使っていないですよね。最初にNFTのベースとなるアートはどのように作りましたか?

Burnt Toast Doodlesのアートについてみんなで話し合った時、型にはまらない自由なもので、今までに見たことのないものにしようっていうことで意見が一致したんだ。選ばれた少数のためではなく、コミュニティ全体の多様性を反映する特徴を持たせたかった。パレットの色は意図的に選んだものだし、キャラクターの目を浮かせているのも意図的なものなんだ。あと、どのプラットフォームでも、正方形、円、六角形のどの形にトリミングされても、プロフィール写真として使えるように作っているんだ。

ーレインボー・ピューク(虹色のゲロ)のキャラクターがありますが、あれはどのようにして生まれたのですか?

Burnt Toast レインボー・ピュークは、クリエイティビティを発揮し、想像力を注ぎ出すことを表しているんだ。

コミュニティのNFT体験の充実と、メインストリームNFTという目標

ーDoodlesがこれほど多くの人を惹きつけ、成功できた要因は何だと思いますか?

Poopie 僕たち三人は長年に渡って、NFTスペースとその周辺でユーザーに焦点を当てた製品を作ってきたし、繁栄するコミュニティの始動という点においては確固たる評判を築いてきた。僕たちのユーザーベースが間違いないのは、コミュニティの活気と雰囲気、そして絶えずイノベーションを起こしたいという僕たちの願望があるからだと思う。

Tulip 簡単に言ってしまえば、DoodlesはBurnt Toastにとっては報酬目当てなんかじゃない、大好きでやっている仕事なんだよ。彼は何年にも渡って独特のスタイルを発展させてきたんだ。Doodlesは楽しくてカラフルで、インクルーシブなキャラクターのコレクションであり、親しみやすさがあるところがまた魅力的なんだ。

Burnt Toast Doodlesが魅力的になった理由の一つには、ソフトな丸い曲線やパステルカラーなど、見た目の特徴も大きいと思う。情熱的なコレクターのコミュニティがこのアートワークそのものに惹かれたのも、Doodlesが長期的に成功するための要因になったと思うんだ。

ーDoodlesのホルダーになったら、何ができるのでしょう?

Poopie Doodlesを使った楽しいNFT体験の数々にアクセスできて、コミュニティの投票メンバーになれる。あらゆるNFT体験には、Burnt Toastが作った新しいアートが付いてくるよ。最近、Space Doodlesをローンチしたんだけど、これはすべてのDoodlesに、200を超えるオーディオ/ビジュアル特性を持った個人用の宇宙船を提供するというものなんだ。そこには今後のロードマップに役立つ情報も入っているし、コミュニティ内の開発者がゲームを作るための情報も入っている。実際、すでにSpaces Doodles用レーシングゲームを作っている開発者がいるよ。もちろんそれに対して報酬も支払われる。また、コミュニティの投票メンバーになれるので、良いアイデアがあれば、ファンドのDoodlebankから資金の提供も受けられるんだ。


Doodlesのホルダーが望めば個人用の宇宙船が提供されるというSpace Doodles

Tulip マーチャンダイズのコレクションでは、二つのことを考えている。まず、オリジナルのホルダーは、様々なカラーでデザインされた限定版、またはBurnt Toastのサインが入った限定版が入手できる。今、NFTコレクションの価格が高騰していることを考えると、世界中にいるファンに、より手頃な価格のアイテムでDoodlesが入手できる方法についても考えているところだ。同様に、今年テキサス州オースティンで開催されるSXSWのカンファレンスで行うような、現実世界(IRL)のアクティベーションを通じてDoodlesを生きたものにする、没入型の感覚体験も可能になると思う。そこでは、Doodlesホルダーもファンも、誰もが参加できる楽しいインタラクティブなイベントスペースを用意するとともに、Doodlesホルダーだけが参加できるプライベートのVIPパーティも開催して、ディプロのスペシャル・ライブを観ることもできるんだ。

ーDoodlebankとは何ですか? コミュニティのエコシステムの仕組みについても教えてください。

Poopie Doodlebankは、Doodlesホルダーに利益をもたらし、ブランドとチームを成長させ、クリエイターに資金を提供するために作ったコミュニティ・ファンドなんだ。1000ETH以上のファンドがあり、ホルダー全員が投票前にフォーラムで提案について話し合うことがルールとして規定されている。例えば、2Dメタバースで使用するためのDoodlesのピクセルを作成するという派生プロジェクトをサポートするなど、すでに資金の提供も行っているよ。新しいホルダーのグループが一緒になって、Coffee DAOのようなビジネスを始めることも促進している。あとは、100ETHを使ってウクライナの支援活動をするような、ソーシャルグッドに資金を提供する試みもあったんだけど、残念ながら最終的には通過しなかったね。

ー2022年に予定しているプロジェクトは?

Poopie 最大のプロジェクトはメインストリームNFTだね。何百万ものファンに販売ができて、収益の一部をDoodlesホルダーに還元するというものだ。これが意味することは、すべてのDoodlesがまもなくビジネスになるということなんだ。

Tulip あらゆるメジャーなテクノロジー、カルチャー、アート、エンターテインメントのイベントで存在感を発揮できるように、Doodlesのライブ体験の世界の構築にフォーカスしていきたいね。

ー5年後のDoodlesはどうなっていますか? Doodlesのゴールは?

Poopie いずれ世界中のどの家庭にもDoodlesがあることだね。

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