プロ注目左腕・谷口は2回6K!福知山成美が京都産大附に逆転勝利 2回6奪三振の好投を見せた谷口天誠(福知山成美)

<春季京都府高校野球大会:福知山成美6−2京都産大附>◇7日◇準々決勝◇わかさスタジアム京都

 福知山成美が京都産大附を相手に逆転勝ちを収めた。

 福知山成美はプロ注目のエース左腕・谷口 天誠(3年)がベンチスタート。背番号11の眞下将斗(2年)が先発のマウンドに上がった。京都産大附は1回表、四球と盗塁で1死二塁のチャンスを作ると、3番・大切一輝(3年)の左前適時打で先制点を挙げる。

 いきなりリードを貰った京都産大附先発の八木凌太朗(3年)は低めを丁寧に突く投球で三者凡退スタート。2回、3回は得点圏に走者を背負ったが、味方の好守備もあり、得点を許さない。

 追加点が欲しい京都産大附は4回表、この回からマウンドに上がった横川裕大(2年)から2死三塁のチャンスを作ると、1番・道籔翔馬(3年)が遊撃への適時内野安打を放ち、リードを2点に広げた。

 早く追いつきたい福知山成美は4回裏、2死から連打で一、三塁のチャンスを作ると、9番・木村悠聖(3年)の左前適時打で1点を返す。なおもチャンスが続いたが、ここは八木が踏ん張り、なんとかリードを守り切る。

 だが、5回までに93球を投じさせた福知山成美は6回裏に繋がる。連打で無死一、三塁とすると、7番・石田巧磨(3年)の遊併殺の間に同点とする。すると、福知山成美はここで谷口を代打に起用。打撃の自信は「ないこともない」という谷口が左翼線への二塁打で出塁すると、続く木村の遊撃ゴロを遊撃手の安武佑真(3年)が後逸する間に谷口が生還して、逆転に成功した。さらに2死一、二塁から2番・神内蘭(3年)の中越え2点適時二塁打で追加点を挙げ、福知山成美が一転して優位に立った。

 逆転した福知山成美は7回表から谷口が登板。「点を取った後なので、先頭をしっかり抑えて、相手に流れが行かないようにしました」とプロのスカウトが複数見つめる中で三者連続三振の快投を見せる。8回には1死から二塁打を打たれるが、この回もアウトを全て三振で取り、流れを引き渡さなかった。

 福知山成美は7回裏に押し出し四球で1点を加えると、9回表は丘田駿介(3年)が登板。1死満塁のピンチを招いたが、踏ん張りを見せ、無失点で試合を締めた。

 この日の谷口は2回を投げて、1安打6奪三振無失点。「結果的に三振は多かったけど、抜け球が多かった」と快投にも、まだまだ課題を感じているようだ。低めに突き刺さるような直球や左打者の外に逃げていくスライダー、鋭く落ちるフォークは一級品。好投手揃いの今年の京都でも指折りの投手であることは間違いない。

 創部以来初の8強入りを果たした京都産大附だが、この日は4失策と守備が乱れた。「1球の大事さを勝ち進む中でわかってくれたら練習に繋がると思います」と平山哲也監督は夏に向けての成長に期待していた。最速141キロ右腕の八木を中心に守り勝つ野球で京都成章、乙訓といった甲子園出場経験校を破る快進撃を続けてきた京都産大附。夏もダークホース的存在として強豪校の脅威になりそうだ。

(記事=馬場 遼)