【公式CM】タウンワーク「吊り橋篇」30秒

4月前期の作品別CM好感度ランキングでは、リクルート『タウンワーク』の新CMがナンバーワンとなった。

映画の撮影現場を舞台に木村拓哉と芦田愛菜が本人を演じるシリーズの第5弾で、ふたりが目もとや唇を黒く塗ったゾンビ風のメイクで登場する。前作でタウンワークの話はしないと決意した芦田が「また運悪くその」「ま、タウンワーク」などと口にするたびに、木村が「タウンワーク?」「今言ったよね?」と反応し、ラストは彼が「木村、混乱してます!」と叫ぶ内容だ。モニターからは「ふたりの会話が自然で面白い」「ゾンビのメイクが強烈」などの感想が多く見られ、主婦や若年男性など幅広い世代から高く評価された。

トップ10の顔ぶれは?

トップ10の顔ぶれを見ると、日清食品のCMが4作品を占めた。2位の『これ絶対うまいやつ!』はチョコレートプラネットが自身の持ちネタをモチーフに歌い踊る昨年9月開始のCMがヒットした。

3、4位には『カップヌードル PRO 高たんぱく&低糖質 チリトマト』『カップヌードル MISO』がランクイン。前者は眉村ちあきの歌をBGMに“はじめまして松尾です”氏によるユーモラスなアニメーションで展開する新CM、後者はORANGE RANGEの『SUSHI食べたい feat.ソイソース』のMVをアレンジしたCMで話題を呼んだ。このほか星野源が美輪明宏と共演した『どん兵衛』が7位に入るなど、人々の記憶に残るコミカルなCMを次々にオンエアし、快進撃を続けている。

KDDIのCMも好調で、“UQUEEN”役の満島ひかりと執事役の松田龍平がコミカルな掛け合いを展開する『UQ』、三太郎が“宅トレ”動画クリエーターの竹脇まりなの指導のもとエクササイズに挑戦した『au』のCMが5、6位に並んだほか、広瀬アリスと鈴鹿央士が料金プラン『povo2.0』を訴求する作品(17位)も多く得票した。なお、KDDIは2021年度(2021年4月度〜2022年3月度)の企業別CM好感度調査で全2558社中の総合1位となった。各ブランドの魅力やサービスの特徴を親しみやすく伝えるシリーズCMで年間を通して好評価を獲得し、2年ぶりの「ベスト・アドバタイザー」に輝いた。

続けて今期のランキングより、新キャストの起用で注目を集めたヒット事例を紹介したい。アサヒグループ食品はSnow Manを起用した『ミンティア』のCMを3月11日から放送した。

アサヒグループ食品『ミンティア』

CMはサイバーパンクな工場をイメージした空間で展開。青いユニフォーム姿のSnow Manが彼らの楽曲『REFRESH』に合わせて力強くリズミカルな“瞬感ミント打法ダンス”を披露する様子をミュージックビデオ風に描いていく。ラストは工場で完成したばかりの商品を口にしてカメラに視線を送るラウールのアップや商品パッケージを手に踊る9人を映し、「僕らを動かす瞬感ミント」のナレーションと4種の商品ラインナップを重ねて締めくくった。彼らが踊るダンスはリーダーの岩本照が初めてCM用の振り付けをしたもので、ミンティアをプレスマシンで製造する際の作業工程がモチーフになっているという。

MINTIA CM ミンティア「瞬感ミント打法ダンス」篇 15秒 Snow Man(動画:アサヒグループ食品公式YouTubeチャンネル/YouTube)

若年女性や50代の主婦など女性から圧倒的な支持を集めたほか、男子小学生からも多く得票。同ブランドとして自己最高のCM好感度を更新し、初のトップ10入りを果たした。モニターからはSnow Manのダンスと楽曲を「かっこいい」「爽快感が伝わる」などと評価する声が多く、「スタイリッシュな雰囲気とミンティアのイメージが合っている」「自分の好きなメンバーがアップになるとうれしい」といった感想も見受けられた。

CM好感要因では「出演者」「音楽・サウンド」でスコアを伸ばしたほか、「周囲の評判もよい」「時代の先端を感じた」「セクシー」では全3377作品中の首位、「映像・画像」で総合2位に輝いた。Snow Manの楽曲に合わせたスタイリッシュなダンスを軸にしたクオリティーの高い映像表現が多くの視聴者の心を捉えたようだ。

なお同ブランドの公式サイトでは、本作のほかメンバーそれぞれの喫食カットに焦点を当てたスペシャルバージョンの動画も公開されている。これらはCMのオンエア開始日より地上波で1週間のみ放送されたもので、モニターからは「必死に録画して集めました」などのコメントも寄せられた。

花王は『ハミング消臭実感』の新CMキャラクターに草磲剛を起用し、“ハミングの精”としてさまざまなゲストが登場するCMシリーズをスタート。今期は香取慎吾をゲストに迎えた2篇を展開し、それぞれ14位、23位にランクインしている。スコアが高かったのはドラッグストアを思わせる店頭を舞台にしたCMで、商品を手にした草磲が「消臭する柔軟剤。まぁ、どれでもいっか」とつぶやくシーンから始まる。

主婦層を中心に好スコアを獲得した「ハミング」

ハミングの精を演じる香取が草磲の背後から抱きつき「そういうところがダメなんだよ、草磲。消臭する柔軟剤といえばね」などとささやくも、香取の存在が見えていない草磲は商品や売り場を平然と眺めている。最後は香取が「♪ハミング〜消臭〜実感」と草磲の耳元で歌いながら姿を消す様子を映した。

もう1篇はエレベーターの中で展開。草磲が「ハミング買ってみたけど、ちゃんと消臭するのかな」と口にすると、香取が現れ「濡れたタオルが臭わなくなる。それが」などと草磲の手にした商品をカメラに向ける。続けて香取は「♪ハミング〜消臭〜実感」と歌いながらポーズを決め、勢いよく“壁ドン”をするも草磲はそしらぬ顔で商品を眺めているというストーリーだ。

2篇とも香取の自由でハイテンションな演技と草磲の穏やかな佇まいが対照的で、主婦層を中心に好スコアを獲得。

「普段からの仲良し感がCMでも表れていて、思わず笑ってしまう」「ふたりの独特なかけ合いと柔軟剤という異色の組み合わせがおもしろい」などの感想が寄せられた。CMを手がけたのはクリエーティブ・ディレクターの山崎隆明氏(ワトソン・クリック)で、ふたりが2018年から出演するアンファー『スカルプDメディカルミノキ5』のCMなども担当している。本作も彼らの関係性を生かした自然な掛け合いが好評価につながったようだ。

花王 ハミング 消臭実感 抗菌バリア 『消臭する柔軟剤と言えば』篇 30秒 CM 草磲剛 香取慎吾(動画:KaoJapan/YouTube)

今回紹介したタウンワーク、ミンティア、ハミング消臭実感のCMはいずれも人気の高いCMキャラクターの個性を存分に生かしながら、商品やブランドの世界観を強く印象付けた成功事例といえるだろう。

(関根 心太郎 : CM総合研究所 代表)