UoC UNIVERSITY of CREATIVITY 共同編集長の近藤ヒデノリ(Hide)と平井美紗(Misa)がお届けするinterfmの番組「UoC Mandala Radio」。クリエイターに“ワクワクする社会創造の「種」を聞く”というテーマで、毎回さまざまな領域で社会創造をおこなっているゲストを招き、未来に向けた創造やアクションについて語らいます。

4月13日(水)の放送では、株式会社プロトリーフの取締役副社長・加能裕一郎さんがゲストに登場。UoCとおこなっているプロジェクトの詳細や、会社が目指す未来について語ってくれました。

(左から)Hide、加能裕一郎さん、Misa


プロトリーフは培養土のシェアが日本一の、園芸用の土や資材を扱う会社です。2021年4月にUoCが「Tokyo Urban Farming」を始動。「東京を食べられる森にしよう」というテーマを掲げ、アーバンファーミングという都市における農的なライフスタイルを普及させていくことを目指すプロジェクトで、プロトリーフも参画しています。

◆UoCやプロトリーフ、東京を“食べられる森”にしていくプロジェクト

Hide:ご出演ありがとうございます。「Tokyo Urban Farming」は、僕らUoCと加能さんのプロトリーフさん、それからIoTを通じて都市農園を運営しているPLANTIOさん、JR東日本さんの「東京感動線(山手線沿線を中心に、新しいカルチャーの潮流を届けるライフスタイルメディア)」が一緒に始めたプロジェクトで、新たな参加企業も増えています。

加能さんとは、オランダでコンサルタントをしている吉田和充さんからのご紹介で、そのあとすぐに「Tokyo Urban Farming」のトークセッションに参加してくださったんですよね。

加能:そうですね。2020年9月ぐらいの話だったと思います。ちょうど、UoCがスタートするタイミングだった気がします。

Hide:そうですね。ちょうどUoCのオープニング特別セッションに加能さんに来ていただきましたね。そこから「Tokyo Urban Farming」を実際に一緒に立ち上げる話になりました。(プロトリーフは)土の日本一の会社なので、「何か一緒にできることはないか」と考えたんですね。

「Tokyo Urban Farming」では、主に2つのことを目指しています。1つは「都会で野菜を育てる人を増やすこと」。野菜の消費者だけではなく、生産者・創造者になることを目指します。もう1つが、Tokyo Urban Farming では「東京を “食べられる森”にしていこう」と掲げているのですが。都会の余っている屋上などをどんどん食べられる畑にしていくこと。加能さんには、主に実践の部分、アーバンファーミングには「土」が必要なので、お力を貸していただいております。

2021年にはUoCの屋内畑である「Micro Farm」を一緒に作ったり、加能さんの発案から、高輪ゲートウェイ駅で苗を無料で配ったりもしました。渋谷スクランブルスクエアでのSDGsイベントでもご一緒して、そちらでも苗を配りましたよね。

加能:はい。企画の立ち上げは急でしたけども、実現までは早かったですよね。山手線の駅では500人ぐらいに苗を配ったんですけども、300人ぐらいの人が並んでくださいました。

Hide:すごく並んでいましたね。

加能:Hideさんにも来ていただいたのに、会話ができないぐらいの忙しさでした。

Hide:そうでしたね(笑)。

加能:配布イベントの際、「トマサポ!」っていうカゴメさんが作っているトマトの栽培指南アプリをダウンロードしていただいたんですね。「こあまちゃん」というミニトマトの品種を配ったのですが、データを分析したところ500グラムぐらいのミニトマトをみなさんが育てて穫っていたんですよ。

たとえばですけど、何かの品種を作ってどこかに運ぶってなるとCO2をたくさん排出することになりますよね。自分で作って自分で食べる、自給率っていうと大げさかもしれないですけども、こういった動きをみなさんがやっていただくと、世の中がよくなっていくというか、“脱炭素”に向けて少しでも動いていけるのではないでしょうか。

◆4月23日、山手線の3つの駅で831の苗がもらえる「駅からFARMing」を開催

Hide:次回は4月23日(土)に、山手線の3駅で野菜の苗を配るんですよね?

加能:そうですね。野菜の苗と一部の多肉植物を配ります。

Misa:おお!

加能:アース製薬さんと業務資本提携している会社と一緒に、渋谷駅で多肉植物を配ります。渋谷は若い方が多いので、さすがにトマトの苗はなかなか持っていかないのではないかと考えたんですね。

Hide:多肉植物だったら置いているだけで、勝手に育つみたいなところがありますよね。

加能:そうですね。たまに水をあげるきっかけから、ファーミングのほうに興味を持っていただけるといいなと思います。

加能:東京駅ではエスビー食品さんがスィートバジルを、我々はハーブの土を配る予定です。そして、高輪ゲートウェイ駅では、去年と同様にカゴメさんがトマトの苗を配るので、こちらもトマト用の土をお配りします。配布数は各駅で277です。

Hide:3駅合わせると、831。

加能:「831(やさい)」というわけです(笑)。

Hide:(笑)。山手線の駅には「Tokyoを食べられる森にしよう」というポスターが貼られているのですが、あれはうちのADと一緒に作ったものです。“野菜拓”っていう感じの、野菜をハンコのようにして作ったポスターを山手線中に貼らせていただいています。JRさんとの協力で、みんなで印刷費を出し合いました。

苗を配ったり、場所を提供してくれたり、ポスターの印刷費を出してくれたり、デザイン案を出したりと、いろんな企業が「Tokyo Urban Farming」という“古くて新しいライフスタイル”をみんなで作っていこうと提案しています。4月23日(土)の13時から3駅で苗を配るので、みなさんぜひお越しください!

加能:行列ができて、すぐに終わるような盛り上がりを見せたいなと思っております。

◆野菜を育てることから始まる、“脱炭素”ライフスタイル

加能:我々の「土」の定義は、根を育てる媒体、英語だと「growing media」と言うんですけども、たとえばアメリカでgrowing mediaと言ったら培養土のことを指します。言ってしまえば、根を育てる媒体だったら何でもいいわけです。

たとえばですけど、着なくなったTシャツが土になるかもしれない。そういった研究を我々はおこなっています。なので、なるべく(土を)掘らない。人間が必要としないもので土を作る、いわゆる育てる媒体を作るのが、我々の会社の理念となっております。

Hide:いろんなものが土になれば、そこで野菜を育てて食べ物が作れるという循環が生まれるわけですね。

加能:そうですね。現在特に注力しているのは、食品メーカーさんとの連携です。エスビー食品さんとは賞味期限切れを活用できないかを考え、カゴメさんとはトマトを育てた茎や葉っぱを土に戻す研究を進めています。

課題は化学肥料の使用量の削減です。化学肥料をあげると植物は大きくなって収穫量も増えるんですけども、「化学肥料をいかに減らして収穫量を上げるのか」が、これから問われてくると思っているんですね。

Hide:化学肥料は土を弱らせたり、土が疲弊してしまう一面もありますもんね。

加能:化学肥料の使用を否定しているのではありません。「化学肥料の必要最低量はどれぐらいか」というのを、しっかり研究していく必要があるんじゃないかなと思いますね。

Misa:なるほど。では最後に加能さんに質問です。加能さんにとって、「ワクワクする社会創造のタネ」は何ですか?

加能:やっぱり「脱炭素」です。ここを人類がどう解決していくかが重要だと思っています。現在は人間中心の地球環境になっているので、それをどうやって元に戻していくかを考える。二酸化炭素は気候変動の最大の要因になっていますから。そのことを考えるのは仕事でもあり、ライフワークにもなっていくんだろうなと感じております。

Hide:(脱炭素を)加能さんの場合は土で研究しているわけですね。

加能:そうです。土とか植物を育てて研究しています。日光さえあれば植物はCO2を吸いますよね。植物というのは大切な存在なので、植物と共生していくために人間の生き方を変えていく必要があります。ちょっとの工夫さえあれば実現できるんじゃないかなと私は楽観視しているんですけども。

Hide:自分で植物を育てることが脱炭素にも繋がるということですね。

次回4月20日(水)の放送では、一般社団法人ワンジェネレーション共同代表の鮎川詢裕子(あゆかわ・じゅんこ)さんがゲストに登場します。お楽しみに!

番組でお届けしたトークは音声サービス「AuDee」 https://audee.jp/voice/show/42804と「Spotify」 https://open.spotify.com/show/6biaO40gUuf4gbI2QhdTsL?si=C2-xOifkQz230V6X514UlAでも配信中。ぜひチェックしてみてください!

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聴取期限 2022年4月21日(木)AM 4:59 まで
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<番組概要>
番組名:UoC Mandala Radio
放送日時:毎週水曜23:00-23:30
パーソナリティ:近藤ヒデノリ(Hide)、平井美紗(Misa)
番組Webサイト:hhttps://www.interfm.co.jp/mandala