14日、ゼロ金利解除を発表した記者会見で、続投を再表明する日銀の福井総裁(撮影:常井健一)
日本銀行の福井俊彦総裁は14日、ゼロ金利解除後の記者会見で、村上ファンドへの投資問題について「いろいろとお騒がせし、振り返って深く反省している」と述べた上で、「粛々と職責を全うしていく覚悟に変わりはない」と続投する考えを改めて表明した。

 また、同問題が与えた今回の判断への影響については「日銀の金融政策委員会の場で、経済、物価情勢の現状と先行きを十分に点検した上で、政策決定をする。それ以外の要素は介在する余地はない」とはっきりと述べた。

 福井総裁は6月下旬、1999年に村上ファンドに拠出し、2005年末時点でファンドの運用益は累計で約1500万円だったことを公表。2月中に解約を申込み、6月末にも資金化した段階で全額を慈善団体に寄付する方針を示していた。

 ファンドの解約手続きの現状について、同総裁は「最終的にどういう決算になったか、通知を待ちわびている。まだ具体的な払い戻し金額や時期について連絡が来ていない」と報告。同ファンドが一時買い占めていた阪神電鉄株を夫人名義で保有していたことには「たぶん私が阪神ファンということを多少考慮して買ったのかもしれないが、家内の財産処理について全く関知していない」と釈明した。

 また、村上ファンドの投資窓口だった投資事業組合を管理していたオリックスの宮内義彦会長との関係については「具体的なお誘いや交渉、相談は一切ない」と強く否定した。【了】