近畿日本鉄道は12日、観光特急「あをによし」の報道関係者向け試乗会を実施。東花園車庫で車内を公開した後、大阪難波駅から近鉄奈良駅経由で京都駅まで往復(復路は大阪上本町駅まで運転)した。4月29日から運行開始する予定となっている。



観光特急「あをによし」は、昨年引退した近鉄の特急車両12200系1編成(4両編成)を大幅リニューアルし、古都・奈良をイメージした高級感のある内外装の車両に。外装においては、天平時代に高貴な色とされた紫色のメタリック塗装を施し、天平文様をあしらったデザインとした。内装も天平文様など多用し、リラックスできる環境を整えている。

1・3・4号車は2名用のツインシートを用意し、横2列(1列+1列)の座席配置で、ゆったりくつろげる空間に。座った人を包み込むようなシートは、家具メーカーによる特注デザインだという。2号車のサロンシートは3〜4名用のグループ専用席として使用可能。座席と通路をパーテーションで区切り、半個室のような空間としたほか、通路にアーチをあしらい、高級感も演出している。

























2号車に設けた販売カウンターは、正倉院にも用いられる「校倉造(あぜくらづくり)」をイメージしたデザイン。専属のアテンダントが乗車し、「シェラトン都ホテル大阪」特製「あをによしバターサンド」をはじめ、奈良県産品を使ったスイーツやドリンク、クラフトビール、「あをによし」オリジナルグッズなど販売する。4号車の運転台側に設置したライブラリーでは、本を静かに読めるソファシートを設け、沿線に関する書籍を自由に閲覧できる。なお、1〜4号車の座席数は84席、定員は1号車24名、2号車12名、3号車20名、4号車28名とされ、全車座席指定で運転される。

4月12日の報道関係者向け試乗会では、東花園車庫で車内を公開し、その後、大阪難波駅へ。同駅を9時22分に発車し、近鉄奈良線・京都線を近鉄奈良駅経由で走行。京都駅に10時50分に到着し、30分間停車した後、11時20分に発車した。再び近鉄奈良駅経由で京都線・奈良線を走り、大阪上本町駅へ向かう。4月29日の運行開始に先立ち、4月16日に一般向けの試乗会、4月17日に宮津車庫での撮影会も予定されている。







観光特急「あをによし」は4月29日以降、木曜日を除く週6日の運行を予定(ゴールデンウィーク期間を含む5月第1・2週は木曜日も運行)。1日6便運行され、土休日の運行時刻は第1便が大阪難波駅9時32分発・京都駅10時49分着、第2便が京都駅11時20分発・近鉄奈良駅11時55分着、第3便が近鉄奈良駅12時10分発・京都駅12時45分着、第4便が京都駅13時20分発・近鉄奈良駅13時54分着、第5便が近鉄奈良駅14時10分発・京都駅14時45分着、第6便が京都駅15時20分発・大阪難波駅16時39分着となる。大阪難波〜京都間で運行される第1・6便は平日の時刻が一部異なる。

ツインシートを2名、サロンシートを3名または4名で利用する場合、大人1名あたりの利用料金(運賃・特急料金・特別車両料金の合計)は大阪難波〜京都間1,960円、大阪難波〜近鉄奈良間1,300円、京都〜近鉄奈良間1,370円。ツインシートに限り、1名で乗車した場合でも自身の乗車券・特急券・特別車両券に加え、こども分の特急券・特別車両券を購入することでツインシート2席分を利用できるという。大人1名でのツインシートの利用料金は大阪難波〜京都間2,470円、大阪難波〜近鉄奈良間1,670円、京都〜近鉄奈良間1,740円となる。