地方から都会へ出て新生活を始める人も多い春。都会の「電車とともにある暮らし」に新鮮さや驚きを感じる人も少なくないようです。今回は、地方から東京に上京した人に聞いた「驚愕! 都心の電車事情あるある」をご紹介します。

本数多い! 人多い! 路線多すぎ! だけじゃない

 地方から都会へ出て新生活を始める人も多い春。「SUUMO」を展開するリクルート住まいカンパニーが2017年に300人を対象として行った「SUUMO賃貸・上京一人暮らし調査」によると、「上京して電車について驚いたこと」の上位から順に、運行本数の多さ、ラッシュ時の混雑ぶり、路線数の多さ、車両数の多さといった回答が寄せられたといいます。

 これだけでなく、地方から上京して都会の様々な「電車とともにある暮らし」にカルチャーショックを受ける人も少なくないようです。今回は地方から上京した人に聞いたエピソードをいくつか紹介します。


新宿駅(画像:photolibrary)。

あるある(1):「乗換アプリ」をダウンロードした結果…

 東京の電車移動で当たり前の「乗り換え」ですが、地方出身者にとっては驚愕ポイント。熊本県出身のYさんは、目的地到着までに複数回乗り換えることに驚いたと言います。

 Yさんの住んでいた地域では、そもそも、同じ目的地に向かう手段はだいたい1つしかありませんでした。東京の乗り換えが難しすぎる……そこでYさんは、友人の勧めで「乗換アプリ」をダウンロードします。「電車のホームに立っている人がよく観ている画面はこれだったのか」と感じたそう。

「この経路だと交通費は安く済むけど、乗り換えが多いな…同じ目的地に行くにも、『時間』『電車代』『乗り換え回数』などを考慮して経路を選択しなければいけない、東京の人はみんな自分の歩む道を選び抜いててすごい」。そうYさんは語ります。

 そうしたなか「JRの電車代は私鉄と比べて高い」ということを覚えた上京2年目のYさんは、他の路線を使うように心がけているようです。

「〇〇線民」って意識にショック!

 路線数の多さ、名称の多さも、慣れない人にとっては困りもののようです。

あるある(2):「JR線」のなかに、いろいろ線があって…

 福岡県出身のWさんは、「JR線」に少々、苦手意識を持っているようです。理由は、JR線のなかに、いろいろな「線」があって混乱するから。

 神奈川県の大学に進学、湘南に家を借りていたWさんは、ある夜、新宿で遅くまで遊びました。普段は小田急線を利用していたWさんでしたが、その日は「湘南新宿ライン」で帰宅しようと思ったそう。

 新宿駅についたWさんは焦りました。「湘南新宿ライン」はどこ……? 小田急線や丸ノ内線、京王線、大江戸線の駅の案内看板はあっても、「湘南新宿ライン」の看板はありませんでした。

 結局、駅員の方に訪ねて、JR線のなかの「湘南新宿ライン」であることを知りことなきを得たといいますが、Wさんの最寄り駅は、湘南台駅。「湘南新宿ライン」は通りません。「湘南新宿ライン」にさえ乗れば湘南に帰れる、と思っていたそうです。

あるある(3):居住地を「駅名」で返答されるとは…


地下鉄だけでも路線は複雑。写真はイメージ(画像:PAKUTASO)。

「どこに住んでいる?」と聞かれた時、駅名で答えた人は、東京人だな〜と思われているかもしれません。

 就職を機に上京した秋田県出身のGさんは、職場の人に「どこに住んでいるの?」と尋ねた際、駅名で返答されたことに困惑したそう。

 それまで、Gさんは住んでいる場所を聞かれた時「〇〇区」や「〇〇ショッピングモールの近く」などというように答えていたといい、電車の路線を軸とした返答に驚きを隠せなかったようです。秋田県にいた頃はクルマ移動が主流だったので、Gさんを含め周囲の人も、どの駅の近くに住んでいるのをそこまで意識していなかったのだと気付かされたそうです。

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 電車とともに、生活がある東京。地方出身者から見た都心の電車事情は、驚くことが多いようです。