大野 亜希子 / イデア・ヴィスタ株式会社

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本日、お伝えしたいことは、

事業拡大が目的ならば、人材を採用しただけでは、目的は達成できないということです。
そこを勘違いすると、経営が危ぶまれることさえあり得るのです。


本日は過去の経験から、人材育成の重要性をお伝えします。
事業拡大にともない、組織も大きくするならば、まずは人材育成と管理と仕組み作りが
最も重要な取り組み事案です。

私がサポートで入っていた経営者に、当初より組織、マネジメントの在り方について、
ある忠告をしていました。


その忠告とは、

1、マネジメントに問題がある

2、人材は必要でも、採用は厳選すること、そして育てるべきである

この内容だけ見ると、組織内によくあることだと、思う方もいるでしょう。
それぞれについて、具体的にお伝えしていきます。

まず1について、これは、マネジメントを任されている人材が、
いちプレイヤーとしては優秀でも、マネジメントができなかった、と言うこと。

ことは、4年前に遡ります。

今の状態だと部下は付いていかなくなる、人を育てず、結果ばかり求めていると、
次第に部下はコミュニケーションを避け、離れていくようになると、忠告していました。


残念ながら、企業のトップは、プレイヤーとしては優秀だが、マネジメントできない人間を
組織の上に立たせていたのです。正しい言い方をすると、


「マネジメントする気がない人間」でした。

しかし、数字は取ってきているので、それで示しがついていると思っている部分がありました。
自身が会社の数字を作っている、と自負もあったでしょう。それは、間違いない事実です。


しかし、部下と接する際の言動は、

なぜ、同じ一日で、同じように動けないのか、数字を作れないのか、、
同じように動けば、数字は作れるはずだ、というスタンスでした。

また、会議では、いつまでに、何をどうしますか?と、部下を問い詰める
場面をよく目にしていました。


結果を出すため、何をしたら良いのかを問いつめることが、マネジメントと勘違いしていたようです。

そしてマネージャーとして、最も欠如していたことがあります。


それは何だと思いますか?皆さんも一度考えてみて下さい。

それは、、

「チームメンバーに興味がなかった」

ということです。これは別の言い方をすると、マネジメントする立場にありながらも、

「部下を成長させることに、興味がなかった」


のです。部下は数字を作るための歯車、としか思っておらず、それぞれに能力の違い、
事情があることを理解し、接しようとはしませんでした。


いかがでしようか、その先は皆さんであれば想像はつくでしょう。

当然、部下はついてこなくなります。残念ですが、それがもたらした結果は相次ぐ離職です。



そして、2についてです。


人を採用すれば、売上は作れる、という間違い。ベンチャー企業が陥りがちな罠です。
もちろん、売上を作るために、一番必要なのは人の力です。

目先の売上欲しさに目を向け、人材の質を見ず、応募してきた人間はほとんどOKという、
どんぶり勘定で人をどんどん採用。

そして、ここにも大きな問題が、、

それは、採用したは良いが、育てることをしなかったのです。

経営の中で、コストが最もかかるのは、言うまでもなく人件費。
毎月固定で、かかり続けるコスト。

このコストの使い道こそ、シビアに考えるべきなのです。
問題はここにもありました。
それは、採用窓口をこのマネージャーに任せきっていたのです。


私は、経営者に言いました。

採用は、そんなに簡単に決めるものではない。提出してきた書類を
くまなく見て採用の可否を決めるべきだと。

書類の書き方一つでも、熱意、ビジネスマナー、一般常識、過去の仕事ぶり、人間性、
そんなものが、垣間見られるからです。

担当者はそれらを見ずして、感覚で採用していました。
もちろん、必要であれば、多少力不足でも採用しても良いのです。

しかし、重要なのはその後に「育てる」ことをしなければなりません。


それには、採用の責任者であったマネージャーの熱意と、忍耐力が必要です。
しかしながら、マネージャーには、それがなく、結果だけを求める人物でした。

恐らく、業務を教える=教育と勘違いしていたのでしょう。

これら2つのことを、私は非常に問題視していました。

そして、常々忠告してきました。


問題は認識した時点で、どう解決するか、に目を向け、面倒でも、問題が小さなうちに
芽を摘むべきなのです。

特に人の問題は、

いずれ変わってくれるだろう、成長してくれるだろう、と、淡い期待を

抱き、放置するのだけは、やめるべきです。見て見ぬふりをするのもやめるべきです。


何となくやり過ごしても、何となく現場は回ります。もちろん優秀な人材であれば、失敗から学び、
自分の考えで動けるようになるものですが、それが出来ない若手も多いのです。

また経営陣が知らないところでクレームが発生している場合も多々あります。

知らないうちに、会社の信用が損なわれています。
この知らないうち、と言うのも、とても危険な状態で、
対処しないがゆえに、クレームが更に大きくなる可能性をひそめています。

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これらの問題を放置しておくと、その歪みは少しずつ大きくなり、ある問題が発生してしまうと、
想像もつかないほど、大きな問題に発展し、手遅れになることさえあります。

ここに部下育成の本質的な課題が潜んでいます。それは何か、お分かりになるでしょうか。

いちプレイヤーとして、結果を出せるからといって、同じように結果を出す人間を
育てられるとは限らないということ、です。

経営者、部下を持つ方々に、改めてお伝えしたいこと、それは、現場マネジメントは

人間性が際立って良い人物に任せるべきであり、

また人の成長を、我がことのように喜べる人物、
そして、自分が結果を出すことと、結果を出す方法を教えるとは全く別物である、
をよく理解している人間に任せるべきであると、


よく、売れる販売員が、店長になった途端、店舗運営や他とのメンバーとうまくいかなくなるのは、
それが理由であることが大いにあります。

この企業の行く末は、、

人材育成をせず、経営側が期待する売上が作れず、
業績不振に陥り、支払いの滞り、従業員のモチベーション低下、
相次ぐ離職と、リストラ、、これらのことを招いてしまいました。


今回の内容から、皆さんの組織内に、何か課題は潜んでいないか、、
そして必要な人材育成について、今一度考える機会にしてみてはいかがでしょうか。


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