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クレーンゲームで釣り上げる「賞品」の上限価格が、3月から約20年ぶりに値上がりした。

警察庁が3月1日付で通達を出した。上限価格はこれまで「小売価格おおむね800円以下」とされてきたが、その金額が「1000円以下」に変更された。

●風営法の解釈運用基準の改正

警察庁生活安全局から全国の知事や警察に向けて、改正された「風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律等の解釈運用基準」が通達された。

ゲームセンターなど「遊技場営業者の禁止行為」について、このように示している。

遊技の結果が物品により表示される遊技の用に供するクレーン式遊技機等の遊技設備により客に遊技をさせる営業を営む者は、その営業に関し、クレーンで釣り上げるなどした物品で小売価格がおおむね1000円以下のものを提供する場合については法第23条第2項に規定する「遊技の結果に応じて賞品を提供」することには当たらないものとして取り扱うこととする。

風営法では、原則としてクレーンゲーム等に賞品を認めていないが、2001年に出された解釈運用基準によって、金額の上限が明示され、800円となっていた。今回の変更によって約20年ぶりに「値上げ」がなされたことになる。

業務用ゲーム、遊園施設の業界団体「一般社団法人日本アミューズメント産業協会(JAIA)」は3月3日、弁護士ドットコムニュースの取材に対して、この通達を受けて、「アミューズメント施設における景品提供営業のガイドライン」で定める景品の価格も変更する見込みであると答えた。

協会の施設営業事業部によれば、協会から警察当局に値上げを働きかけてきたという。

「協会としてはかなり前から警察に陳情してきました。今回の値上げは大変満足いくものです。20数年、800円という同じ値段が続いておりました。メーカーからすると、中国でも人件費が相当上がっておりましたので、800円という安価での製造で、お客様に対して品質維持していくことがかなり難しくなっていたという経緯もあります」

(3月4日午前10時40分、JAIAの施設営業事業部からのコメントを追記しました)