私、清葉アキ子は現在48歳、絶賛婚活中。見た目はキレイなお姉さん系、都内出身、四年制大学を卒業後、編集兼ライターの仕事をしています。38歳から始めた婚活で体験したこと、わかってきたことを堅実女子の皆さんにお伝えできればと思い、ここで紹介します。婚活は、まさしくサバイバルなのです…。

まるで昭和!? 結婚相談所で迫られた[2択]

「いま、同期の女性がみんな育休に入ってしまっていて、同じように仕事をできる私が頑張らなくちゃいけなくて、婚活どころじゃないんです…」と、ある34歳女性から相談を受けた。

すごくよくわかる。私自身、長年希望していた編集職にやっと着いたのが27歳のとき。早く実力をつけたいと思って最初の半年間は1日も休みなく働き、その後、数年間も、休めそうなときも先輩の撮影のアシスタントとして入ってって勉強させていただいたり、仕事がらみのリサーチとして街を歩き回ったりしていた。1年で取れた休みと言えば、夏休みの5日間と年末年始の数日のみ。がむしゃらに仕事をする毎日…ふと気づいたときには30代に突入していた。

30歳を超えて独身でいることを気にもせずそのまま働き続けていたところ、まわりの女性たちが続々と結婚し、早々に産休・育休を取り始めた。人が足りないという状況でますます仕事は増えていく。「一時的なものだから…」と育休明けにまた一緒に働けるようにと頑張っていたのだが、「今度は私が…」「実は2人目が…」と常にだれかが休みに入って、私自身の仕事は忙しい状態がスタンダードになっていた。

32歳ころには責任ある役職になり、部下の指導やチェックなどもしなくてはならず、もはや休みどころか寝る暇さえなくなってしまい、帰る時間もなく、会社に泊まり込みの状態が続いているなかでも、なんとか彼氏と続いていたのは、海外赴任だったおかげ(笑)。深夜に食事をしながら電話をしたり、たまの休みに電話で話をしたりして、何年か続いていたものの、それもだんだん負担に感じてしまい、終わらせてしまった。

その後、人の紹介などで何人かとおつきあいしたものの、「あまり会えない」という理由で振られてしまい…このままではいかん!と一念発起して、取材した中で最もピンときた某結婚相談所に入会をした。

その結婚相談所でこの話をしたところ、カリスマ仲人の女性から、強い口調で「結婚と仕事、どっちが大事って思っているの?」と質問された。

「結婚!」と言いたいのだが、いろいろなものを犠牲にしてやっと得た「仕事」とそのポジションは捨てられない。かといって、いまの「仕事」をラクにして「婚活」のための時間を作るという選択肢はない…。「どっちかなんて、選べません…」と言うと、カリスマ仲人はあきれたような顔で私を見て、こう言った。

「迷う必要なんてない! どう考えても『結婚』なの!!」。

「仕事」か「結婚」か迫られるって…。「結婚退社」が当たり前だった昭和の時代じゃないのに!?

「結婚」は「人生」。じゃ、「仕事」は!?

「仕事」であなたの代わりなんていくらでもいるし、代わりがいなかったとしてもどうにでもなる。もしあなたが「仕事」をしなくても、会社は回るけれど、あなたの「結婚」は、あなたが動く以外どうにもならない。「結婚」は「生活」であって「人生」なのだから、なによりも最優先しなくちゃいけないのよ! 最優先にしてこなかったから、いま、あなたは独身でいるの。たったいまから、なによりも「結婚」を最優先しないと、ずっとこのままよ!!

そうなんですけど…。

わかっているんですけど…。

そのころの私はフリーランスのエディター・ライターとして仕事をはじめ、ようやく大口の仕事とポジションを手に入れたばかり。自分が働かなくても誰かがやってくれて自動的にお金が入るということはないし、それなりの成果を出さなくてはその契約は不履行となり簡単に切られてしまうから、「仕事」の手を抜くわけにもいかない。それに代わりなんていくらでもいることを知っていたからこそ、いつでも取って代わられるというプレッシャーがあり、そうならないために、どんな仕事も必死にやらざるを得なかった。

「結婚」を優先したい気持ちはやまやまだが、現実問題、「仕事」は「収入」。「結婚」を最優先にすることは、「仕事」量を減らすことになり、それは、「収入」減になるどころか、「仕事」自体がなくなる可能性がある(ついでに「信用」も!)。「収入」がなくては「婚活」なんぞしていられないし、「仕事」に忙殺されて「婚活」する時間も心の余裕もない。「結婚」を最優先なんて、どうにも考えられなかった。

で、結局、日々の「仕事」に追われ、目の前のそれらをこなしていく生活をつづけた結果、10年以上経過した私は、48歳にして、見事に独身のまま。

「結婚」が最優先にすべきだったとわかっていたけれど、あのとき「結婚」を最優先していたら、自分はいま、生きていないと思う。だって、生活の糧も生きがいもない状態で、どうやって生きて行けばよかったの!? 

日々仕事に追われて徹夜三昧…。週末休めるかどうかなんて直前にならないとわからないから、デートの約束はいつも直前。ドタキャンもよくあった…汗。

メディア業界にも「働き方改革」の波がきた!

私は大学卒業後、新卒で出版社に入社したが、1社目はほぼ定時で帰ることができる仕事だった。2社目は定時では帰れなかったものの、忙しいときとそうではないときのメリハリがあった。3社目はまさに”帰れない”&”休みがない”という環境で、いわゆる”徹夜”も日常茶飯事だった。

そんなメディア業界にも6年くらい前から「働き方改革」が広がり始め、そこまでの非人間的な働きっぷりで働く編集部も少なくなってきた(この間、ある雑誌で久々にそういう働き方したけれど!)。いまの時代に、そこそこ働きやすい環境で働いているのなら、「仕事」と「結婚」を選ぶ必要がなかっただろうな…。

ちなみに、先出の34歳独身女性の場合、ハードワークを経験することなく働いてきたし、いまも、会社の休日はほぼしっかり休め、有給休暇もバッチリとれ、裁量労働制なので時間に縛られない融通も利く働き方をしている。正直、そういう働き方ではあるから代わりはいるし、「そんなにできない」と言えばそれなりに配慮もしてもらえる環境でもある。だったら、「仕事」と「婚活」、究極の2択を迫られることはない。

「働き方改革」万歳〜♪

迷わず、「仕事も婚活もどっちもやる!」って結論でしょ!?

そう彼女に言うと、彼女はそれができないと頭を抱えた。

「だって…『仕事』と『婚活』の2つのストレスを同時には処理できませんよ!」と彼女。「ストレスの少ない『仕事』に転職すれば『婚活』と両立できそうな気がするけれど、さすがに『仕事』と『転職』活動と『婚活』の3つを同時にこなすなんて、無理〜!!!!!!」。

「34歳。いま最優先すべきは、仕事か? 婚活か?【婚活サバイバル・後編】」に続きます。