女性が使いやすく、毎日がちょっと楽しく便利になるデジタルガジェットを、ライターの太田百合子さんが解説! 豊富な知識と自腹買いであれこれ試した経験からガチのオススメを紹介します。

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今ヘッドフォンは、左右それぞれが独立した「完全ワイヤレス」と呼ばれるものが主流になっています。完全ワイヤレスで、しかもノイズキャンセリング機能を搭載した高性能なモデルも増えているのですが、今回はそんな完全ワイヤレスヘッドフォンの中から、特にユニークな特徴を持つ2つの新製品を紹介します。

ソニーの『LinkBuds』(右)と、Amazonの『Echo Buds』(左)。

耳を塞がず長時間のながら作業もおまかせ

1つはソニーから、2月25日に発売されたばかりの『LinkBuds(リンクバッズ)』(オープン価格、実勢価格2万3100円)。
音が出る振動板の中心に穴が空けられた、耳を塞がないヘッドフォンです。実はソニーは2018年にも『Xperia Ear Duo』という、耳を塞がない完全ワイヤレスのヘッドセットを発売しているのですが、『Xperia Ear Duo』は耳たぶを挟み込むような形状で、大きさもそれなりだったのに対して、『LinkBuds』はソニーのワイヤレスヘッドフォンでは最小サイズ。穴が空いているので音楽を聴きながらでも、周りの音がしっかり聞こえます。人と話しながらまるでBGMのように音楽が聴けるというのは、ちょっとこれまでにはない感覚かもしれません。

フィッテングサポーターがないと外れやすいです。

ランニングなどの際も周囲の音が聞こえて安心だし、ビデオ会議やウェビナー中も家族が呼ぶ声や玄関のチャイムを聞き逃すことがありません。耳を塞がないので圧迫感がなく、軽いので負担も少なくて、ずっと着けっぱなしにできそう。小さいのにバッテリーは本体のみで5.5時間、ケースで充電すれば+12時間と、なかなか持ちます。急速充電にも対応していて、10分間の充電で90分の再生が可能。意外にタフに使えそうです。

完全ワイヤレスヘッドフォンの中には、本体を軽くタップしたり、スワイプする動作で再生/一時停止や音量などのコントロールができるものもありますが、『LinkBuds』は本体ではなく、自分のもみあげのあたりをダブルまたはトリプルタップして操作するしくみなのもユニーク。音楽再生のほか、Google アシスタント(Androidスマートフォンに接続時)やAmazon Alexaと連携し、話しかけて様々な情報を聞くこともできます。

専用アプリでサウンドの最適化など、様々な設定ができます。

またソニーの最新の音楽技術である「360 Reality Audio」にも対応。立体的に聞こえるサウンドを活用して、ソニー独自の『Sound AR』コンテンツが楽しめたり、街歩きを音声でナビする『Microsoft Soundscape』が利用できるほか、位置情報ゲームの『Ingress』の開発元と協力して、ゲームにも音のARを実装する計画です。

本体とケースには再生プラスチックが採用されています。

カラーは白と黒の2色で、耳の形状にあわせて交換できるシリコン製のフィッテングサポーターがSからXLまで4種類付属しています。筆者はXLを選択しましたが、耳の穴にぎゅっと突っ込んで固定するのではなく、引っかけるように止めるのと本体の軽さがあいまって、うっかり装着しているのを忘れてなくしてしまいそう。筆者はオンラインで購入しましたが、これまでにない形状なので、購入前にはぜひ店頭でフィッティングすることをおすすめします。

音声AIアシスタント対応でコストパフォーマンス抜群

2つ目は、Amazonが2月24日から発売を開始した『Echo Buds(エコーバッズ)』(1万2980円〜)。ノイズキャンセリング機能付きで、コストパフォーマンスにも優れた完全ワイヤレスヘッドフォンですが、Amazonのヘッドフォンだけに、音声AIアシスタントの「Amazon Alexa」との連携もウリになっています。

オプションの「ウイングチップ」を装着するとより安定した装着が可能です。

設定はスマートフォンの「Amazon Alexa」アプリから行うしくみで、スマートフォンと連携して「アレクサ」と話しかけると、音声AIアシスタントが起動するしくみ。まるで耳に装着できるスマートスピーカーといった感じです。また実際にスマートスピーカーと連携できる機能も備えていて、スマートスピーカーで聴いていた音楽の続きを、『Echo Buds』で聞くといった使い方もできます。ほかにも万が一の紛失時に音を鳴らしたり、位置を確認できる機能や、ランニングなどの履歴を記録できる機能などが備わっています。

様々な設定がAmazon Alexaアプリから簡単にできます。

カラーはブラックとグレーシャーホワイトの2色。1回の充電で最大5時間利用でき、ケースをあわせると最大15時間再生できます。また15分の充電で最大2時間の音楽再生ができます。またケーブルを差し込まずに別売の充電パッドから充電できる、ワイヤレス充電対応モデルもあり、こちらは価格が1万4980円となっています。

ワイヤレス充電に対応しているモデルもあります。

肝心のサウンドについてですが、『Echo Buds』はやや密閉感が強く、ボーカルが控えめ。逆に『LinkBuds』は開放的で広がりのあるサウンドですが、音漏れがしやすいのでボリュームを上げるときは要注意です。どちらのヘッドフォンも、筆者的には十分満足できるサウンドだと感じました。ぜひみなさんの耳でも、試してみていただきたいです。

文/太田百合子