技術の進歩により、備蓄しやすいレトルトや冷凍の食品は一般的な調理食品と遜色ないレベルになっています。そんな流れがついに和菓子に!

今回お取り寄せしたのは、兵庫県芦屋市のおはぎ専門店「芦屋樂膳」のミニサイズの和菓子のセット。その名も「解凍おはぎ」。1つのボックスに12個入っているのですが、色とりどりの和菓子にモンブラン風のおはぎなど、色とりどりで、箱を開けた瞬間に歓声が出てしまいました。

CAP;玄樂おはぎ・大福12種アソートセット ¥4100(税込)

そして、食べる際には自然解凍するだけ。電子レンジなども必要ありません。

まずおはぎを食べてみると、もちっとした食感も、あんも、しゃりしゃりしたかんじも水っぽさもなく。これをどうやって実現したのでしょうか。

手のひらサイズのなかに日本古来のDNA食材が詰まった自然食

芦屋樂膳を運営する「樂膳」は、もともとはお米や米飯加工卸を主な業務とする、米の匠の集団。そのお米は寿司店や居酒屋などの飲食店だけでなく、スーパーや百貨店でも使われています。

そうして米を追求する中、食事以外でも米の美味しさを知って欲しいと思い始め、和菓子屋ではない、米屋だからこその視点からおはぎ作りに乗り出しました。

NHKで放送中の朝ドラ『カムカムエヴリバディ』でも、おはぎが物語を動かすキーアイテムとして登場するなど、おはぎ人気がじわじわと高まっている今だからこそ、「お菓子屋のおはぎ」ではなく、「米屋のおはぎ」をより多くの方々に味わってもらいたいと考えているそうです。

米屋だからこそのおはぎとして注目したのが、黒米を始め、黒豆、黒糖、黒蜜という日本古来から食されている、日本人の味覚のDNA食材。

「他の調味料では出せない本来の味、精製されていない素材だけが持つ色合い、香りを大切することで樂膳ならではのおはぎが誕生しました。

黒の素材にたっぷり含まれているポリフェノールには抗酸化作用があり、動脈硬化などの生活習慣病の予防に役立つと言われています。特に女性にはシミやしわ、そばかすといったダメージからを守る美肌効果があるなど、何とも嬉しいお話もあります。

更には栄養価は高いのに低脂肪、食物繊維を豊富に含んでいるという、万能和菓子なのです。是非、一日一おはぎ!をおススメします」(芦屋樂膳 広報担当 加藤裕子さん)

古来から食べられている黒い食べ物であるという、日本の味で毎日作っているのが樂膳の黒米おはぎ「玄樂」シリーズ。解凍おはぎは通販のみですが、店頭では生の状態の同製品を販売しています。

おうちでのおすすめの食べ方

解凍は常温で3〜5時間。上のトッピングがモンブランなどの絞りだしのものでも、まったく水っぽさを感じませんでした。また、アソートパックなので、いろいろな種類のものを食べ比べできて楽しいですね。内容は定番のつぶあんやきなこのおはぎから、ピスタチオやナッツ、ショコラ、いちごや抹茶のモンブランなど、多種多彩に渡っています。

栗モンブラン

あんず

ショコラ

いただいてみると、「これが冷凍!?」と驚きの美しさ。もち米ももっちりしていて、水分量もばっちり。これがただ自然解凍しただけというのにまず驚きます。お米の部分と周囲のあんの部分の量のバランスもよく、いろいろな味を食べたいという気分も満たしてくれます。筆者のお気に入りはショコラといちごモンブラン。もっと食べたいと思っても、2つ以上入っていないのが本当に残念…。

注意点としては、一度解凍したものを再度凍らせると風味が落ちてしまうので、まずは届いてすぐに食べないのならば冷凍庫へ。そしてできれば、冷凍庫の奥に入れたほうがいいそうです。

どうしても冷凍庫の開閉による温度変化があるため、個包装になっているので小分けにして、冷凍用のジップロックなどに入れて冷凍庫の奥に入れておくと、少しずつ食べられるのではないでしょうか。

個包装ごとにどんなお菓子なのかのシールが貼ってあってわかりやすいです。

:食べ方の注意事項をわかりやすく説明した紙も入っていました。

小さな幸せが冷凍庫にあれば、ふと「甘いものがちょっと食べたいなぁ」なんて気分のときにすぐいただけますよ。サイズもこぶりなので、冷凍庫のスペースも大きくとりません。

外出が難しい時期でも自宅で好きなときに美味しくいただけるものが増えるってうれしいですね。

芦屋樂膳
https://ashiya-rakuzen.net/

取材・文/北本祐子