結婚は相手がいることなので、自分ひとりの気持ちでどうにかなることではありません。そんなことだからこそ、占いやおみくじ、願掛けに頼りすぎてしまう方がいます。でも、占いにのめり込みすぎる結果、チャンスを逃す残念な方もいるのです。

占いで「31歳で結婚」と言われて何もしないまま31歳になった

こんにちは。恋愛婚活コンサルタントの菊乃です。

婚活実態調査2020(ブライダル総研調べ)によると、いつか結婚したいと思っている独身者の中で、マッチングアプリや婚活パーティー、相席居酒屋、結婚相談所など婚活サービスの利用経験がある人は、25.5%。まだ4人中1人程度です。

いつか結婚したいという思いと、婚活をするという決意や行動の間には大きな隔たりがあります。結婚したいと願って待つだけの人たちはどんな過ごし方をしているのでしょうか。

私のもとには、婚活サービス利用経験がない方がご相談によく来ます。例えば、32歳で相談にいらっしゃったAさん。一度も交際経験がないそうです。若いころに「あなたは男女関係は奥手な方で、婚期は遅めで31歳で結婚する」と言われたのだそう。

20代の頃は「自分の婚期は31歳」と思って、その頃になったら何か出会いがあるだろうと思っていたのだそうですが、30歳になるころに新型コロナ感染症が広まり、自然な出会いがなくなったころ31歳になりました。結婚するといわれた年齢を過ぎてしまったのです。

国立社会保障・人口問題研究所の第15回出生動向基本調査によると、恋愛結婚する人たちの2015年の交際期間平均は4.59年です。婚活のように結婚目的で出会って交際期間を短くスピード婚する人たちだって、順調で出会ってから入籍までは6〜12か月ぐらいだ。31歳で入籍するなら交際スタートは逆算して27〜30歳頃でしょうか。

天中殺、大殺界だから今年は行動しないという選択

この恋愛結婚部分のエピソードだけ聞くと、Aさんに対し無計画で流されやすい女性という印象を持たれるかもしれませんが、有名な大学を卒業、メガバンク系列企業勤務というスペックは高い方です。

東証一部上場しているメーカー勤務のBさんも、彼氏がほしいと思いながら、占い、縁結び神社に行き、祈って願って20代が終わったといいます。何かした方がいいかなと思っていた時、その年は天中殺だから過ぎるのを待っていたのだそう。

ご相談にいらっしゃった頃はアラフォーでした。手首にはパワーストーンブレスレットが。

「動くのに適さないから動かなかった」と言い訳をするのですが、婚活は相手不在だったとしてもできる努力はあります。メイクや服装を整えるとか、コミュニケーション力を磨くとか。そういったこともまったくしないまま、結婚運が高まる時期まで待って年齢を重ねた経験値の低い大人が、サクッと結婚できるほど現実は甘くありません。

占いや神社巡りのほか、引き寄せの法則やスピリチュアルに依存しすぎる人は、内面や運気を高めようと一生懸命だったかもしれませんが、外見が手抜きになっている場合も多い印象があります。パワーストーンブレスレットをつけたBさんも、服はサイズが合っていませんでしたし、メイクも服も10年前から同じままだそうです。そんな状態で、美人や若い女性とも比較検討される婚活市場に参入しても難しいのです。

マッチングアプリでデート前に生年月日を聞き、相性診断してから会おうとする

婚活をしながら占いにのめり込む方もいます。マッチングアプリでマッチングした男性とメッセージのやり取りをしていて、デート前に生年月日を聞かれたCさん。なんでそんなことを聞くんだろうと違和感はあったものの普通に回答したそうです。

その男性との2回目デートの時、相性がいいと思うから付き合わないか、と告白されます。そこまで気持ちが高まっていないCさんは「私のどこがいいの?」と聞いてみたそう。

男性はスマホの画面を見せ、生年月日からみた二人の相性診断結果が大吉であると説明したのだとか。体の相性まで診断結果がありました。

Cさんは怖くなり、解散してから即ブロックしたそうです。

今の相手の気持ちは脈アリなのか、今会っている相手と進めばうまくいくのか、不安なのは分かりますが、自分でできる気配り以上に占いに頼りすぎてしまったら、うまくいったかもしれないことも、うまくいかなくなるでしょう。

占いやおみくじを信じる20代は増えている

こうした占い結果に、気分も行動も左右されてしまう方は珍しくはないようです。

博報堂生活総合研究所の「生活定点」調査によると、占い・おみくじを信じる人の割合は増えているようです。男女で比較すると、女性の方が信じる人の割合が高く、年齢別では若いほど信じる人が多いようです。

特に20代女性の場合、2018年調査では信じると回答した人が49.2%だったのに対し、2020年は66.3%に増加しました。2018年と2020年比較では性別、年代を問わず増えているのですが、20代女性が特に大きく信じる人が増えているのです。不透明な時代も影響しているのかもしれません。

占いやゲン担ぎを信じること自体が悪いわけではないと思います。ただし、まだ若くいくらでも可能性がある方が、占いにすがって失敗を怖がって行動しなかったり、相手との摩擦を避けて占いの中に結果を見出そうとして、人と揉まれる経験値を積まなかったりするのは、もったいないなと感じます。

占いを信じると回答した割合は、60代女性では33.3%まで下がります。占いは期待しすぎるものじゃないという経験から、信じる人が減っていくのかもしれません。

自分の手で切り開ける可能性もあることに気がついてほしいと思います。

占いで自分の可能性を狭めてしまうのは、もったいないこと。

■プロフィール

恋愛・婚活の賢人 菊乃

恋愛コンサルタント・婚活セミナー講師。山形県出身、静岡大学卒。29歳まで手抜きと個性を取り違えていたダメ女。低レベルからの女磨き、婚活ブログが人気になり2011年に出版し、恋愛コンサルタントとして独立。
著書は『あなたの「そこ」がもったいない。』他4冊。服装、メイク、会話、LINE添削などのサポートは何からやったらいいか分からない男女に好評。ブログは今も毎日更新。https://ameblo.jp/koakuma-mt/