2万人以上のワーキングウーマンを取材してきたコラムニストの夏目かをるさんが、アラサー&アラフォー女性の恋愛・婚活にまつわるリアルストーリーをご紹介します。

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結婚相談所の仲人には様々なタイプの方がいます。成婚率をアップさせるために、結婚を急き立てる仲人もいますし、一方、その人のやる気が湧くのを待つ人もいます。良い相手に巡り合えるかどうかは、まず自分に相応しい仲人選びから始まると私は思っています。結婚相談所は仲人次第といってもいいでしょう。

環菜さん(仮名・36歳)は10年前、26歳のときに結婚相談所での婚活を休止しました。理由は「やる気がなくなったから」。でも環菜さんの仲人は「退会にしないでいつでも戻っていいわよ」と待ちの姿勢だったとか。

「月額1000円の管理費だけまるで保険のように払っていました。10年経って戻ることになったのは、10年間結婚に結びつくようなことがなかったからです」

理由は環菜さんがお父さんと仲が良すぎたことと、また小学生の時にいじめに遭ってから「私は嫌われている」と思い込むようになっていたからだそうです。トラウマが原因で婚活の一歩をなかなか踏み出せない女性もいます。
過去のトラウマが原因で恋愛や婚活に奥手な人は、自己肯定感が低い傾向があるようです。そのため相手に踏み込めなく、また踏み込んでほしくないため、途中で進展しなくなってしまう。環菜さんもその一人でした。

「結婚相談所に復帰しても私はあまり見合いしたがらないため、仲人さんが主催のパーティーに何度か誘ってくれたんです。渋々参加してみました。でもパーティーでも相手が見つからなくて。やる気も自分に対する自信もないから、当たり前なんですけど…」。

環菜さんは焦っているようでいながら、マイペース。「このままだと一生結婚できないかもしれない」と自分で叱咤するものの、「無理やり好きになるなんてできないから、自然に任せておけばいいのかな」と婚活に対して消極的なままでした。
「ところがパーティーで複数回一緒になった男性から『一対一で会ってみたい』というオファーがあったんです。びっくりしました。友達感覚で話していたので、恋愛も婚活も対象外でしたから」

仲人の「会ってみなさい」というひと押しで、男性とデートすることに。パーティー仲間としてお茶するようなゆるい関係が半年以上続き、進展のないまま友達止まりの関係で終わるのかと思い始めていた頃でした。環菜さんがやきもきするようになったというのです。
「ラインをしてもレスポンスが遅いんです。催促しても、2〜3日後に返信することが多くなってきて。そのたびにまた嫌われたんじゃないかって、心配になるんです」

仲人に訴えると、「男性は男子校の担任で、しかも部活も持っているから忙しくてレスポンスが遅くなってしまうのよ。遅くなっても必ず返信があるでしょう。彼も精いっぱい、あなたのことを考えているんだと思うわ」と諭されました。それでも環菜さんは返信が遅れるたびに「また嫌われた」とネガティブな考えを断ち切れなかったといいます。

「とうとう仲人から『勝手に判断するのをやめること』という禁止令が出ました。自分が考えたことを紙に書いて、自分を客観視することを指導されたんです。自分を客観視するなんてとても難しいので、最初は仲人の人に見てもらいました。するとだんだんと自分の思い込みが原因で嫌な気持ちになっていることがわかってきたんです」

思い込むことをやめて、相手に必ず聞いて確かめることと仲人からアドバイスされると、心配ごとのほとんどが自分で作り上げたものだとわかり、思い込みの強い自分とやりとりを続けてくれる男性に、感謝の気持ちが湧いてきたそうです。
「次第に男性と一緒にいると私が素のままでいられるとわかり、安心感が広がっていきました。男性は私の不器用さが可愛いと言ってくれて、1年経ってからプロポーズされたんです」

ところが結婚を阻む理由があったそうです。男性が東京から2〜3時間の関東地方に住んでいたため、「結婚したら仕事をやめなければならない」とまた思い込んでしまった環菜さん。

「でも彼が仕事をやめなくていいよと言ってくれたんです。だから遠距離婚を決めました」。やっと結婚が決まった環菜さんはとても嬉しそうです。

「思い込みも恋のうち」と言われますが、結婚は共に生活をすること。そのためコミュニケーションが円滑にできる相手がベストといえるでしょう。時間がかかったものの、結婚前から互いにコミュニケーションをとれるような柔軟な関係を築けて良かったですね。

素敵な人に巡り会えるかどうかは仲人次第といっていいでしょう。

文/夏目かをる  取材協力/池津和子(婚活倶楽部 JustMeet-A代表)