職場にはさまざまな性格の人がいます。その中には、できない理由をすぐ探してしまい、仕事ができないと嘆く人もいるでしょう。そのような人の心理、接し方、どうすればできる方法を探せる人に変えられるかについて解説していきます。

できない理由を探す人の心理

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できない理由を探す人の心理には、どのようなものがあるでしょうか。今回は主な二つの心理を紹介します。

失敗が怖い

できない理由を探す人の心理の一つとして、失敗が怖いというものがあります。失敗を避けたいがために、仕事の場面でもできない理由を探して、消極的になっているのです。失敗を怖がるといっても、原因は人によってさまざまです。

例えば、過去に失敗していた経験がトラウマになっていることが挙げられます。また、完璧主義であったり心配性であったりと、性格的な特徴が原因である場合もあります。

このほか、上司を怖がっている、失敗によって評価が下がることが心配といった、職場関連のことが要因のケースもあるでしょう。

環境を変える勇気がない

できない理由を探す人のもう一つの心理として、環境を変える勇気がないというものがあります。この心理に陥るのは、現状維持バイアスが関連していると考えられます。

現状維持バイアスとは、環境を変える行動を起こすときに、「得られるリターンより失うリスクが上回っている」と考えてしまい、行動に移せないことを表しているものです。

誰しも現状が変化することは怖かったり、不安だったりして、「このままでいたい」という気持ちはあるでしょう。しかし、環境を変えていかないと成長はできず、できない理由を探す人のままです。現状をよりよく変えていくためにも、周りから働きかけてきっかけを与える必要があります。

できない理由を探す人との働き方

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できない理由を探す人と一緒に働くことになった場合、どう接するのがよいかを解説します。

チームの一員として成功体験をさせる

仕事ができないと言う人と働くには、まず、ささいなことでもいいので小さな成功体験を積み重ねて自信を付けてもらうことが大切です。

具体的な方法としては、現状の業務をチームで分割して行い、業務の簡単な部分から任せてみましょう。

本人が「これならできそう」と思えるような業務であれば、やってみようという気持ちで前向きに取り組んでくれるはずです。「できた」という成功体験が積み重なっていけば、「次もできるだろう」と前向きな思考を持ちやすくなるでしょう。

また、チームとして周りからフォローすることも大切です。

コミュニケーションを取り信頼関係を築く

コミュニケーションをしっかりと取り、本人との信頼関係を築くことも大切です。もちろん、日々の業務に追われフォローできないほど忙しい場合もあるでしょう。

しかし、コミュニケーションを取ることで、その人がなぜできない理由を探すのか、どうしたら仕事ができるようになるかについてのヒントが得られるはずです。

コミュニケーションといっても、難しいことをする必要はありません。少しの間だけでも手を止めて相手のほうを向いて会話する、自分の意見を押し付けずに傾聴するなど、意識を変えればできることは多くあります。

まずは相談しやすい雰囲気を作って、信頼関係を築いていきましょう。

定期的に仕事の状況をチェックする

できない理由を探す人は、「自分は相手の役に立っているのか?」という不安を抱くことがあります。そのため、定期的に仕事の進捗状況をチェックし、フィードバックをしてあげるべきです。

その際、感情的に怒ったり人格を否定したりしないように気を付けましょう。上手なフィードバックをするコツは、できなかったことや失敗は「改善点を見つけるための要素」としてプラスに受け止めて共有し、改善案を伝えることです。

そして、相手に合わせた態度や言葉で伝えることを心掛け、悪い点だけでなく良い点も伝えるようにします。良い点があればなぜ良かったのかという具体的な理由も付け加えてフィードバックしましょう。

「できる方法」を探せるようになるには

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できる方法を探せる人へと変わってもらうために、アシストできるポイントを挙げていきます。実践しやすいものから試してみましょう。

相手の話を最初から否定しない

人は誰しも否定ばかりされていては、「どうせ意見を言ってもムダだろう」とネガティブになってしまい、自分で考えることをやめてしまいます。考えることをやめてしまえば、余計に仕事ができないと思う人になってしまうのです。

最初から否定せず、相手の意見を受け入れる姿勢を忘れないようにしましょう。ただし、何でもかんでも肯定するのはNGです。手を抜いていたり、なまけていたりする場合はしっかりと指摘しなければいけません。

状況に応じて、まずは相手の話を聞き入れるべきか、指摘するべきかをきちんと考えて対応しましょう。

モチベーションを上げる

モチベーションを上げ、仕事をやらされている気持ちでなく、自発的にやっている気持ちを持たせる工夫も必要です。本人のモチベーションが上がれば、会社の組織としてのチーム力が上がり、生産性も上がることが期待できます。

モチベーションを上げるためには、まず自ら明確な指示をしなければいけません。ただ仕事を頼むのではなく、なぜその人に頼むのか、その仕事に何を求めているかをしっかりと伝えましょう。

そして、最後は相手を信頼して任せ、途中で困っていそうであればサポートすることが大切です。

まとめ

できない理由でなく、できる方法を探す人になってもらうには、こちらからサポートをしてあげる必要があります。

失敗を恐れる心理や、環境を変える勇気がない心理を理解しながら、丁寧なコミュニケーションを取りモチベーションを上げてあげましょう。

できる方法を探す人になってくれれば、チームにとっての戦力になってくれるはずです。相手のためだけでなく、チームのためにもサポートをしてあげてください。